県内345施設でスタート 福祉の職場体験事業 静岡新聞夕刊より
県社会福祉人材センター(静岡市葵区)は県内の福祉施設345カ所の協力を得て、今月から高校生以上の県民を対象に「福祉の職場体験事業」を始めた。
県内全域での取り組みは初めて。来年2月まで順次、体験希望者が望む施設で職場体験を受け入れる。福祉の仕事への理解を深めてもらうのが目的。
同センターの担当者は「将来的に福祉・介護分野の就労につながれば」と期待している。
職場体験を受け入れるのは高齢者介護事業所や障害者施設、児童養護施設など。体験期間は3~10日の間で体験希望者が設定できる。受け入れ施設との調整は同センターが行う。
静岡市葵区富沢の特別養護老人ホーム「晃の園」は9月半ば、同区瀬名の鈴木広明さん(26)の体験を受け入れた。
鈴木さんは昨秋以降の不況で勤めていた製造業の事業所を解雇され、「介護の仕事にチャレンジしたい」と職場体験を決めた。
3日間の体験期間中、利用者のレクリエーションや食事、車いす介助を手伝った。「楽しい。職員が行う介助、見守り方の一つ一つが勉強になる」と話す。今後、別の障害者施設やデイサービスも体験する予定で、「自分に合う福祉の仕事を見つけたい」という。
県社会福祉人材センターを運営する県社会福祉協議会の柿沢彰福祉人材部長は、「結果的に就労につながらなかったとしても、職場体験は福祉の現場への理解を深めてもらう絶好の機会になる」と話した。
職場体験は参加無料。
交通費と食事代は負担する。希望者は所定の用紙に記入して、郵送かファクスで同センターに申し込む。
受け入れ施設の一覧は同センターのホームページ上に掲載している。
問い合わせは同センター<電054(271)2110>へ。