無風老人の日記

価値観が多様化し、自分の価値判断を見失った人たちへ
正しい判断や行動をするための「ものの見方・考え方」を身につけよう。

ショートショート⑯安倍首相しかいない

2019年01月19日 | Weblog
昨日、書こうと思っていた事を書かずに終わってしまっていたので、前回⑮の本編を書いておく。

日本のテレビ・マスメディアの手によって、日本国民に日本の国会が今どうなってしまっているのか、が伝えられていない。隠されている。

「安倍首相がすごい」とタイトルの様な“空気”が日本国民を覆っているが、本当にひどい話だ。

テレビは、一回、淡々と安倍首相の国会での答弁をカットせずにそのまま流すべきだ。それで国民は理解するだろう。

理解できるといったのは、何も安倍首相の答弁が(言っている事が)理解できるという意味ではない。

安倍首相が質問者の質問にキチンと答えていない、ということが分かるという事だ。

(他人様のブログ引用、映像なく、文字起こしのみ)

首相の答弁をテレビは無修正で放送せよ!

テレビでは省略して安倍総理が短く答えてるように見ますが、実際は時間切れを狙っているのか、本当に頭が悪いのか、恐るべき意味不明なしゃべり方をしています。

(注)安倍首相の答弁を先に書こうと思って書いたら、読む人が全く何を言っているか、これじゃあ分からないな、と思い、どんな質疑応答の場面なのかを仕方が無いから先に載せることとした。

安倍首相:「妻はたくさんの名誉職についてる。その一つで問題が出ただけです。」

質問:「たくさんって、昭恵夫人が就いている名誉校長の数はいくつですか?」

安倍首相:「……名誉校長は森友と加計の二つです。」

というやり取りの現場を正確に「文字起こし」すると、

安倍「あのー、おー名誉職、いわば、会長職・・・。あの、で、ですから今、えー申し上げているんですが名誉校長という
のは私のこれはあの、おー、言い間違えでございまして名誉職ということで訂正をさせていただきます。

そこで会長職等の、おー件数は、あー、えー合計、えー、55件、えーでございまして・・・。
で、そこでですね。
校長と園長、と言うことーで、えー・・・校長と園長ですか?
ちょ、ちょっと待ってください。
校長と・・・えー・・・。校長で、あ、校長と園長ということであればですね、えーこれはあの、おー、えー・・・現在の段階では、
ま、、、、ございませんが、 あの、今、つまり私が意図的に間違えたわけではなくて、あの、ま、言い間違えでございますので・・・。
あ、すいません。
はい?
あ、校長。
校長と園長ということで今ちょっといきなり、あのご質問が、あーございましたので、それは間違いであったということ、でございまして、 えー会長職等の件数は、合計55件、ということでございまして、えーおそらく、校長とか園長ということについてはですね、えー他には、あーないのではないかと。
あの、後援会、そういう、うー、え・・・児童・・・児童養護施設等の、おー後援会長のようなものはございますが、えー校長と園長と
いうものは、他にはないんだろうと、このように思います。
いやこ、これはあの、時間稼ぎーではなくてですね、ま、このように、こう、た・・・すいません、たくさんあるものでございますから、
あのーその中で今、えー見ますとですね、 もう既に、えー現在はですね、えーそれを、あの、あと二つ、うーあったわけでございます
が、ま、既に辞めているということでございます。
えーこれは、あのーおー、えー学校としては御影、えー、、、御影インターナショナルとですね、瑞穂の國記念小學院ですか、はい」



これが、官僚から原稿(カンニングペーパー)を渡されていない時の安倍首相の5分間に及ぶ答弁の「国会現場風景」(文字起こし)の一部です。

では、質疑の5日前までに質問者に質問内容を事前に提出させる規則に基づき提出された質問内容に対し、その答弁書を官僚が作成し答弁者(首相等)に渡す、それを国会質疑応答の場で答弁者は読み上げる。そこで1ページ飛ばして読み上げたり、官僚が漢字にひらがなでルビを振っておかなかったために「云々=うんぬん」をデンデンと読んだり、「背後=はいご」をセイゴと読んだりする間違いが多発している。

今日は、次に、安倍首相の答弁で官僚が作成した「質問に対する回答書」を所持している場合の例を挙げておく。

<外国人労働者受け入れ(奴隷輸入制度)について>


先に野党の質問の背景を書いておく。
今、日本では非正規社員という使い捨て労働者(日雇い労働者)が4割を超え、正社員と違い「配偶者手当」「家族手当」「住宅手当」「有給休暇」等の保証もない低賃金労働を強いられ、正社員も「同一労働、同一賃金」の逆作用で給料を非正規社員に合わせられる(低賃金に抑えられる)傾向となっている。
ワーキングプアや人手不足については別タイトルで書くが、日本は新自由主義の導入により、企業が「蟹工船」や「女工哀史」の時代の様に「お前らの代わりは幾らでもいるぞ!」と賃金・諸手当を抑え、企業の内部留保507兆円(前年447兆円)に膨らむ結果を作り出している。

政府は「人手不足」を理由に外国人労働者を大量に受け入れようとしている。

▼「そもそも日本は人手不足なのか」田中康夫氏)

作家の田中康夫氏は「外国人労働者を受け入れる前に日本が為すべきこと」について語り、「そもそも日本は人手不足なのか」と問いかけた。

総務省の「労働力調査」によると、すぐに就業可能で、求職中にもかかわらず全く仕事に就けないでいる完全失業者が国内には162万人もいる。

さらに、若年無業者(*注)が71万人もいる。

(*注)若年無業者=OECDの定義によると、若年無業者とは、高校に進学せず、就職もせず、職業訓練も受けていない“取り残された若者”、あるいは、高校の修了資格は持つものの、安定した雇用を得るのが難しく、一時的に失業・無業状態を頻繁に繰り返す“社会に上手く入り込めない若者”とされています。

「人手不足だからと外国人労働者を5年間で最大34万5千人受け入れようとする事より、国がやるべきことは、彼ら(完全失業者・若年無業者)への対策ではないのか」

「国がやるべきことは、こうした仕事に就けないでいる人、または働く気のない人に働くことの喜びを与えること。それが職業訓練ではないのか」

外国人労働者の受け入れは、正規社員と非正規社員の低賃金競争に拍車をかけ、フランスやイギリスの様に「外国人労働者排斥運動(騒動)」が日本でも発生することは目に見えている。「外国人が我々の働く場を奪っている!」として。

(余談だが)
私の勤めた会社では、東南アジアの海外支店に派遣が決まると、通常の給料の他に、海外出張手当として月35万円位の上乗せがあった。赴任した人の話では、広い庭付き邸宅に住み、運転手や家政婦が各々月1万円で雇えるため優雅な生活が出来た、と話していた。
それほど、国によって、お金の価値が違うのである。
前にも話したことだが、私のかよっていた?クラブのフイリッピン女性は、数人の友達と日本に来ており、日本の家賃が高いので数人でホームシェアリングして生活費を削り、「お客同伴ならば定時出勤ではなく夜の9時までに店に入ればよい」という規則を利用して店のお客を誘い夜の食事代を出させて倹約し、毎月家族へ稼ぎのほとんど全額を仕送りしていた。

月1万5千円の給料が相場の外国の人が日本に来て日本で非正規社員の人が考える「低賃金」より安くても「働きます」と低賃金競争に拍車をかけるのは目に見えているのです。


さて、上に述べた2つの事を頭において下記の質疑応答を見てほしい。




この質問に対し、安倍首相は次の様に原稿を丸読みした。







と「深刻な人手不足」状況の原稿をひらがなが打ってあったのだろう。読み間違えずに立派に読みあげた。(この間、質問者を睨んだり、会場を見て自己主張をアピールする仕草は皆無で、下を向いたまま原稿を読み上げたのみ。)
「深刻な人手不足」の状況については、頭のいい官僚が書いた原稿なので、あなたもよく内容は分かったと思います。

さて問題はこの先です。
最初に書いた様に、この人手不足は「外国人労働者を大量に輸入しなければ、解消できないのでしょうか?」という点です。
日本には働きたくても働く場が無い「完全失業者」が162万人いて、今の日本全体が「ブラック化」して、その社会に上手く入り込めないでいる若者=若年無業者も71万人いる。
この人たち(健康で文化的な生活を営む権利のある日本人)を無視し切り捨てておいて、なお、外国人労働者でなければ人手不足は解消できない、とする政府の姿勢に対し、何故、外国人労働者なのか?の回答を得ようと、

として、




つまり、人手不足を外国人労働者で確保しなければならないとする「明確な根拠」を示してください。と再質問したわけだ。

それに対し、安倍総理は、


と全く同じ内容の原稿を前より早口で棒読みしただけ。(同じく原稿を見つめたまま)

あとは、一回目の回答の巻き戻し再生なので、映像は略す。

本当は、あなたにもこの映像を我慢して最後まで見てほしかったのだが・・・、

野党の質問者が「一つも質問に答えていない」という国会の実態をあなたにも分かってほしいのだ。

野党がだらしないのではない、安倍自民党政権に圧倒的多数を与えてしまったあなたが悪いのだ。

今の国会は議会制民主主義のかけらもない。先に書いたブログの人が「テレビが国会中継、特に安倍首相の答弁(?)を要約せずに淡々と全て最初から最後まで映し出していれば国民も気付くはずだ」と言った通りなのだ。

テレビが上の場面を「再質問します」の前まで編集して流したら国民は気が付かずに「だらしない野党」のイメージのままで終わってしまうだろう。

きょうはここまで、またね。