演劇をしていた頃-2

2019年07月27日 | 演劇
中野Kは、東京の中野区にあった劇団だった。
中野駅から歩いて15分ほどのアパートに事務所があった。
劇団員は、10人弱だったと思う。
劇団のリーダーは、K坂という男だった。
私は5月の頃に劇団に見学に行ったと思う。
劇団は秋に、喫茶店を一晩劇場に変えて芝居を公演するという計画だった。
テネシー・ウィリアムズの短い2つの芝居をやるという。
面白そうだったので私は入団することにした。
週の2日が練習日だった。
1ヶ月ほど発声練習やストレッチなどをした。
練習が終わると必ず事務所か居酒屋で酒を飲んだ。
これが楽しかった。
そのうちに公演する芝居が決まった。
「バーサよりよろしく」と「最後の金時計」という芝居だった。
そしてなんと!!芝居など一度もしたことない私が、
「最後の金時計」に出ることになった。
この芝居は、老営業マンと若い営業マンの芝居だった。
歳を取った営業マンが営業成績が良いときに、
会社から金時計をもらった話を若い営業マンにするという芝居だった。
男が6・7人いるのに、劇団に入ったばかりの私が若い営業マン役に選ばれた。
私はうれしかった。
しかしこれで私の毎日が、地獄へ落ちることになった。
                          -つづく-


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