今日、防衛医大病院に行った。
腎臓と膀胱のレントゲン写真を撮り、
状態を知るためためです。
自転車で行った。
先週車で行ったら駐車料金600円だった。
文庫本が1冊買える。
むかしは無料だった。
しかたがない、車が多いのだ。
7時50分に着いた。
受付の券の番号が87番だった。
私の前に86人もいる。
たしか病院の玄関は6時半から開いている。
むかし私も、6時半に来ていったん家に帰り、
また8時半受付開始までに病院に来ていた。
8時25分、自動受付機の前に券の番号順に並ぶ。
それにしてもすごい人だ。
みんな体のどこかが悪い人だ。
健康はいい、こんなところで並ぶことはないのだ。
泌尿器科のカウンターに書類を置き、
イスに坐り、文學界を開く。
10分ほどでレントゲンを撮ってくるようにいわれる。
気持ちがどんどん重くなる。
10何年前、足のレントゲンを撮るとき、
造影剤を注射でいれたときのことを思う。
私は、腎臓に造影剤を
どういうふうに入れるのかと考えた。
撮影は2人一緒だった。
着替え室で薄青い撮影着に着替えた。
レントゲンの台に横たわった。
「まず1枚とり、造影剤を入れてから、
5分間隔で撮ります。簡単です」
レントゲン技師の説明があった。
同じことをカーテン越しのひとにもいっていた。
1枚撮ってから、医師が来て注射をした。
これまでに経験はあるか、
ということを訊いてきた。
そして腕に針を刺した。
私は、血液でも採っているのかと思った。
それにしては長く痛かった。
そのあと技師が5分おきに撮影した。
ああ…、あれが造影剤だったのか、
と分かり、なんかほっとした。
何枚か後に10分おいて撮影し、
そのあとトイレに行ってから撮影した。
それでお終いだった。
1番の診察室に呼ばれ、医師の前に坐る。
医師の前には、
さっき撮ったばかりのレントゲン写真がある。
「おかしなところは何もないね」
と彼がいう。私と同じぐらいの歳だ。
「それじゃ、あの血尿と排尿時の痛みは
なんだったのでしょうね」
それには彼は答えないで、
「薬をあげますから、飲んで下さい。
尿に血がなくなるまで来て下さい。
こんどは7月4日です」
薬をあげます、っていったって、
買うんじゃないか、それも病院外でだ。
まあそんなことはどうでもいい。
私は刑務所から仮釈放されたような気分だった。
死刑でも無期懲役でもなかった。
執行猶予つきっていうところです。
病院の建物を出て、外のベンチで煙草を吸った。
こころの底から喜びが広がった。
雨が降っていた。
関東地方も梅雨に入ったか。
私はそれほど暗い気持ちではなく、
雨に濡れ自転車をこいで、
すぐ近くの図書館に行った。
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