起立性調節障害

2006年09月10日 | 健康・病気
「朝起きられず不登校も 「起立性調節障害」に診断指針」
という記事が、asahi.com にあった(2006年09月11日00時25分)。
 私はこのことが、息子が中学生のときに分かっていればと思った。

Kは、中学1年の3学期から2年生までの1年ちょっと、
学校にほとんど行っていなかった。
朝起きて、身体の具合がよくなくて登校出来なかった。
私は、“不登校”かと疑いつつも見守っていて、
しばらくして近くの防衛医大の小児科に診てもらった。
すると医師は、
「成長期にホルモンのバランスが崩れてこうなることがある。
 これは大人になって治ることもあるが、治らないこともある」
というふうなことをいわれた。
治療方法として、水風呂に入ること、早朝散歩をすること、
などといわれ、私はKと一緒に朝早く起きてウォーキングをした。
しかし、今思えばこれは変な治療方法だ。
起立性調節障害は、朝が特に体調が悪いのだ。

私はKを、清瀬の都立小児科病院にも連れて行った。
MRIで脳の写真を撮って調べてもらった。
するとその医師は、
「おたくのお子さんは、たんなる“登校拒否”でしょう。
 脳にはなんの異常もありません」
といいやがった。あの藪医者の野郎。

「息子が学校に行かない」というと、
会社の上司や同僚は「怠けてんじゃないの」と無神経に私にいった。
私は、顔で笑っていたが、
「バカ野郎、うちの息子はそんなんじゃねェよ」と心では叫んでいた。

 Kは学校に行けないときでも、家では勉強していた。
一度も授業を受けなかった国語のテストをして
100点を取ったこともあった。
そのことを国語の教師が学年の終わりに、
「私の存在ってなんなのでしょうね」と圭の担任の先生にいったそうだ。
そのことを2学年の終了式が終わった後に、担任の教師からいわれた。

しかし、あの頃私はKの将来を心配した。
高校も大学も行けず、一生このままだったらどうしょう、と。
それが、中学3年になったら毎日登校出来るようになった。
そして、県立高校に入り、大学を出て、社会人になり、
結婚式は挙げなかったが所帯を持ち、今月子どもの親になる。

高校2年生のとき、長野の新聞で「起立性調節障害」という病名を初めて知った。
Kはこの病気だったとそのとき思った。
現在、この病気の子を持って悩む親に私は話してあげたい。
「“不登校”と決めつけないで子どもを信じて、
 静かに見守ってあげて下さい」と。


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