作業所の昼食

2006年03月13日 | 健康・病気
午前中の作業の確認、整理をして食堂に入ると、
わいわいガヤガヤ通所者たちが食事をしている。
通所者たちの一番楽しみにしている時間だ。

Kくんは、何か思い出して笑いながら弁当を食べている。
I さんは、「今日、水戸黄門スペシャルやるよ」と、
誰も聞いてないのに自慢そうにいい、
「明日はホワイトデーですね」とご飯を頬張る。
「I さんには関係ないだろ」と私がいうと、
「ワタシ、バスの運転手さんにチョコあげたもん」と胸を張る。
Oくんは、「マイウー」と嬉しそうに叫ぶ。
たしかにOくんの弁当は、お母さんが毎日愛情込めて作っていて、
私が見ても実においしそうな弁当だ。

弁当を持ってこない通所者もいる。
お母さんが忙しくて作れないのだろう。
そういう通所者には、作業所で仕出し弁当を取っている。

一人、いつも同じカップ麺を食べているのがいる。
ロッカーに沢山在庫していて、それを毎日食べている。
本人はどう思っているか知らないが、私は辛い気持ちになる。
なにしろ毎日まいにち同じカップ麺なのだ。
彼の親は、どう思っているのか。可哀想だと思わないのかな?
自分の子が毎日、同じカップ麺を食べているのだ。
せめて、カップ麺だとしても、
醤油味とか味噌味とか塩味だとか買ってあげればいいのに。

九想話でお馴染みのダウン症のAくんの弁当は、
お母さんのAくんへの思いが伝わるものです。
実に丁寧に作られていておいしそうな弁当だ。
今日のは、胡麻のふってある大きなお稲荷さん2つと、
サラダ菜で仕切りをした隣に唐揚げとお新香があった。
弁当を彼は必ず電子レンジで温める。
こんな姿をうちの息子に見せてあげたい。
息子は、横着な性格で温めればおいしいものを
冷たいまま食べる。「Aくんを見習え」といいたい。

電子レンジから弁当を取り出したAくんは、
その前にカップヌードル(カレー味)に
お湯を入れていたものを手に持ち食べ始めた。
「Aくん、ちょっと食べ過ぎじゃない」私がいう。
彼はかなり太っている。いつも「足が痛い」といっている。
あの体重を支えている足に私は同情する。
「だって、朝・ご飯、食べてないんだもン。
 お腹ペコペコなんです」
「そうか、朝ご飯食べてこなかったのか、
 何も食べてなかったら腹減るよな」
「はい、パンと牛乳だけなんです」
「それじゃ、“朝メシ”は食べてきたんじゃないか」
「でも…、お昼に味噌汁持ってきてないんです。
 これは味噌汁の代わりなんです」
「………」

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