単騎、千里を走る。

2006年02月05日 | 健康・病気
2月1日に映画「単騎、千里を走る。」を観た。
観たいと思って行ったくらいだから、
私はかなり期待して映画館に入った。

チャン・イーモウ監督の映画を観るのはこれが初めてだ。
かなり中国では有能な監督らしい。
高倉健に昔から憧れていて、今回その夢を実現させて
この映画を作ったらしい。

ストーリーは、
静かな漁村に暮らす高田剛一(高倉健)のもとにある日、
東京にいる息子の健一(中井貴一、声だけの出演)が
重病だとの知らせが息子の妻(寺島しのぶ)から届く。
剛一が入院している病室に行くと、
健一は「会いたくない」と拒絶する。
剛一、健一父子の間には長年の確執があった。

民俗学を研究する息子の健一が撮影しようとしていた
古典文学「三国志」の関羽にまつわる仮面劇「単騎、千里を走る。」
をビデオに撮ろうと剛一が中国に渡る。
そこでの物語が映画の主なところなのだが、
これから観る人のために、詳しいことは書きません。

父と子の確執があいまいでよく分からなかった。
高倉健は、やっぱり高倉健なんだよな。
これまでのどの映画でもみんな同じだ。
この人に演技力を求めるのはいけないんだな。
そもそも演技などする必要もない
“高倉健”というキャラクターのシナリオになっている。
“高倉健”以外の人物にして彼に演技させる監督はいないのか。
たとえば「寅さん」のような人物を彼に演じさせるとか。
これは極端な例えですが…。

高倉健は楽だよな、“高倉健”を演じてればいいんだから。
しかし、今回彼にしては不似合いなことがあった。
おそらく70歳前後の男が、
携帯電話、ビデオ、デジカメを駆使するんです。
この映画ではこのデジタル機器がかなり重要な役割を演じる。
高倉健には、長ドスが似合うと思うが、
デジタル機器がなんとも“板に付いてない”のです。

でもこのことはまったく映画のマイナスにはなっていません。
息子のために、必死になってそれらの機器を
使っているという父親の気持ちが伝わる。

中国の人々、特に子役がよかった。
このあたりのシーンにはかなり満足出来ました。
私は、映画を観ていて何度も泣きました。
だけど、やっぱり“物足りなさ”は心に残っているな。
悪い映画ではなかったが、
観終わって、少々消化不良な気持ちで席を立ちました。

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