月と雷

2020年01月30日 | 小説 エッセイ

「月と雷」(角田光代著 中公文庫)を読んだ。
2週間ほど前にこの人の書いた「空中庭園」(文春文庫)を読んだばかりです。
(この小説もすごかった)
角田光代の小説はこの他のは読んでいない。
小説を読んでいないが、テレビドラマの「八日目の蝉」を観ている。

「どうやら自分は女にもてるらしい」と、
東原智(ひがしばらさとる)は小学生のころから思っていた。
「中学に上がってそれは確信になり、高校に上がってごくふつうのことになった。」
「二十代になっても相変わらず智はもて続けており」しかし、
「二十代も後半にさしかかったとき、智はふと不安を覚えるようになった。」
「どうやら自分には関係を持続させる力が欠如しているらしいと、三十四の智は気づいたのである。」
智の母親「直子は男がいないと精神的にも経済的にも生きられないような女だった。」
「直子に定職はなく、智がものごころついてからは、パチンコ屋やスナックで
アルバイトをしていたが、最初の給料をもらうより先にそこで恋人ができた。」
「直子にはある能力ーたぶん生活能力というものだろうと大人になった智は思うー
が徹底的に欠落していたが、べつの能力は異様に発達していた。
人に好かれる能力、もしくは運を引き寄せる能力である。」
直子は智と二人で、何人もの男と暮らした。
泰子は、智が小学校に上がったばかりのころ、いっときいっしょに暮らした女の子だ。
泰子の父親と直子の暮らしは一年ぐらい続いた。
そのあと直子と智は熊本、新潟、千葉と移り住んだ。
そして直子は福井、智は東京と離れて暮らすようになった。
三十代の半ばになった智は、結婚していっしょに暮らそうと思った野崎史恵に、
「別れたい」といわれる。
いろいろ考えているうちに智は泰子に会いたいと思うようになった。
現在母親が暮らしている男の家に電話して、昔泰子と暮らしていた家のことを訊く。
何日かたって直子から智に電話がくる。
そして茨城にある泰子の家の住所を教えてくれた。

この調子で書いていくと夜が明けてしまいますね。
私は明日仕事があるので寝ないといけません。

智が茨城に行って泰子と会ってからがこの小説の本筋ですね。
泰子には婚約者がいた。
さてそのあとどうなりますか?
角田光代という作家は、それぞれの登場人物を突き放して書いている。
そのせいか私は、どの人物も好きになれないで小説を読みすすめた。
でも著者はどこかでその人たちを愛しているんですね。
こういう人間たちは現実にいそうです。
でも私はあまりつきあいたくない。
私はこういう人を見たらすぐ離れると思う。
「月と雷」は、読みごたえのある小説でした。

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