唐茄子はカボチャ

映画と音楽と・・・

テルマエ・ロマエ

2012年06月01日 | 映画 た行
テルマエ・ロマエ - goo 映画

現代の日本に来たときのやり取りはとても面白かったのですが、古代ローマになると流れが無くなって、ちょっと退屈しました。日本のシーンも、阿部寛さんが出ないと同じように退屈なんですけどね。

行き来しないでずっと日本にいたほうが面白かったです。
最初の方は上戸さんとの絡みも少なく、もうちょっと前にすすめてほしいと思うところでいつも消えちゃうので欲求不満でした。

阿部寛さんはマジメにおかしいことをするのが本当に似合う人です。
上戸さんは、大画面で見てもとてもきれいな人だったけど、首が据わらないキャラ設定はもうちょっと何とかしてほしかったな。ローマに行ったら人が変わっちゃうし。

ありえない面白さを日本では感じて、面白くないリアルさ追求をローマでは感じてしまいました。だから、最後のまとめがローマだったことも不満です。

移動してしまう理由もなんかなあ・・・あのお父さんたち、そうだったっけ?って感じです。
その他のキャラのコミカルな演技が、結果的にただわざとらしいだけの演技になっていたのも残念です。

コーマ

2012年06月01日 | 好きな映画・良かった映画
コーマ [DVD]
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古い映画です。その映像のべったり感が怖さを増幅させます。
恋人さえも信じてくれない状況の中で、ひとりで命がけで巨悪に立ち向かう姿がすばらしい。見所もたくさんあって、曇りガラスの向うの裸体とか、エアロビシーンとか、窓から顔を出すところとか、はしごのパンチラとか、でも、いちばん美しいと思ったのは、手術室に向かう前の意識がもうろうとしながらも、真実を伝えようとする姿です。

マイケルダグラスさんは本とこの女の人を馬鹿にしているのかと思うくらい理解を示そうとしない。最後の最後で一生懸命走りましたが、それまでは本当にいらいらする男でした。しかし、もう体制側に組み込まれていると思っていたので、最後の行動は驚きでした。

たくさんの人間が釣られて保管(?)されているシーンはとても印象的でした。床ずれの心配がないといってましたが、支えてるところは相当後が付き添うな気がしました。
みんな裸なのも見所ですかね。

子どものころに映画館に行くと、入り口の階段のところとかに映画の写真が張ってあって、上映する前までその写真を見てどきどきした感覚を思い出させてくれました。

殺し屋に襲われそうになったとき、講義室に隠れていて、見つかりそうになったらあっさり顔を出すところが良かったです。あのまま見つかるよりもたしかに割り切って逃げた方がいいですもんね。

車への八つ当たりも面白かった。あれだけ激しくたたくとは。

理由

2012年06月01日 | 映画 ま・や・ら・わ行
理由 [DVD]
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ワーナー・ホーム・ビデオ


自白を強要された冤罪事件。真相にぐんぐん近づいて行き見事釈放!と思いきや、そのあとの急展開にドキドキしました。
教養ある黒人、意志の強い祖母という設定にまず同情し、警察や街の雰囲気にさらにそれが増幅し、奥さんの過去の過ちで決定的になり、釈放されたときはちょっと涙が出ました。

警察の人が最初の印象よりも案外協力的なところも見せられていたし、釈放の時の軽さが何か次の展開を予感させて・・・なにより、それまでの流れがあまりにとんとん拍子に進んでいったのがちょっと気になっていましたが、そのとんとん拍子に進んでいったものがそう仕向けられていたこがわかってなるほどって感じで。

犯人にだまされたというよりは映画の展開、音楽にだまされたとも言えるかもしれませんが、それでも、この展開の仕方はおもしろかったです。

ショーンコネリーがやっぱり凄い。最後の連続殺人犯の死刑囚とのやり取りでのセリフと表情が素晴らしい。かっこよすぎです。

奥さんが椅子に縛りつけられているときの背中がとってもセクシーでした。

疑わしきは罰せずというのは基本だと思います。その基本的な精神によって、凶悪犯罪が罰せられないとしたらそれはそれで残念な気もしますが、それでも、冤罪をつくらないということもとても大事なことです。

一方は犯罪のシナリオを納得させるために材料を集め、もう一方は無罪のシナリオを描いて材料を集め、どっちのシナリオがより納得できるのかを判断するというのが正しいやり方なのかな…と思っちゃいます。

必ずしも真実を追求するために裁判がおこなわれるわけではないということなのでしょうね。

でも、真実だけがすべてのものを縛っていると思うのです。それ以外の縛りがかかって真実がゆがめられるとしたら、人が人を裁くなんてことはしてはいけないのではないのか…と思うのですが…

主人公は客観的に物事を見て真実を探そうと思っているように見えますし、実際そう思っていたと思いますが、結局最初の印象がその客観性をくるわせる作用もすると思いました。
自分に都合のいい情報をつないでいくと一つのシナリオができて、それで自分の思うような結果が出る。それが真実と思いこむわけです。それでその落とし穴に見事にはめられてしまいました。
人間は自分が自覚している以上に客観的に物事がみれてないんだろうなと最近感じることがあります。自分が都合のいいように、真実をねじ曲げる・・・それは故意にウソをつくというだけでなく、本当にそれが事実と思いこんでしまうこともあるんでしょう。
客観的に物事を見るって大変です。自分は客観的にものごとをみることができると思い込んでいる時点で、そうできない人間であることの告白をしているような気もするし…
「…」が多いです。

こういう映画だからこそ、BGMは抑えてほしかったです。

ファミリー・ツリー

2012年06月01日 | 映画 は行
ファミリー・ツリー(ジョージ・クルーニー主演、第69回ゴールデングローブ賞受賞) [Blu-ray]
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いきなり音楽で驚きました。ギャビーパヒヌイさんの歌に動揺してしまって、聴き入ってしまって、ジョージクルーニーのナレーションが雑音に聞こえて邪魔でした。
音楽は、汗をかいて風呂に入った後の生ビールの一口目のような、山を歩いて渓流で足を入れて川のせせらぎを聞いているような、初めてデコポンを食べたときの感動のような、そんなさわやかで曇りもなく透き通った音でした。そのままハワイの景色を見ながらギャビーさんの音楽だけを聴いていた方が感動してすっきりして帰れるかもしれません。
ガラスの仮面で主人公をくっちゃう役者みたいなエピソードがあったけど、それですね。映画が音楽にくわれちゃってます。そうでないBGMがとてもにごって聞こえてしまい・・いい音楽を使うのも良し悪しだなと思いました。
ただ、これはにごってる!と思って聴いていたらギャビーさんの歌声が入ってきたので、まあ、自分の耳もその程度の耳でしかないんですけど。

映画のストーリーとしては、期待しちゃったんだけど、まあ、裏切らない程度にまとめてはいるのかなも思いましたが、音楽のようなすっきりした気持ちにはなりませんでした。20代後半から30代後半ぐらいの女性がひとりで観に来るような(勝手な思い込みですが)空気感は、それっぽい映画にはよくある空気感だし、今まで見てきたそういった映画と比べるとなんとなく中途半端な気がしました。

でも、妹の方が泣いたときの表情はやばいです。それまでの演技はそれっぽい演技で、無難な感じでこなしてましたが、あの泣き顔はやばいです。リアルでもらい泣きしてしまいました。リアルといえば、奥さんの延命装置を取ってからの表情がリアルすぎてひいてしまいました。その後に子どもの寝顔が写されたときは、これが生きているものと死に行くものの違いなんだなあ・・・って思いました。

最後の3人のソファーのシーンは予告でも見ちゃったので、あれが家族の絆なんだよなあ・・・ああなんだよなあ・・・と思わせたい気満々な感じが逆に鼻についていやでした。

そう。こうなんだよなあ・・・と思わせたいんだろうなあ・・・と思うところが結構あって、自然にそういうのを描こうという努力が逆に不自然さになってしまって、鼻に付いたところが結構あったような気がします。

いい作品になりえたのにちょっと残念という感じでしょうか。

判決前夜 / ビフォア・アンド・アフター

2012年06月01日 | 映画 は行
判決前夜 / ビフォア・アンド・アフター [DVD]
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ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント



お父さんは息子をかばおうとして殺人の証拠を消し、嘘のシナリオを描き…
冷静に見ている自分の目からは、その愚かしさが見えますが、それは、他人だからそう思えるということなんでしょうね。
息子を愛するがゆえにそういう行動をしてしまったというのはわからなくもないというか、実際ありえる行動です。
同時に母親が真実を自分の意思で語ったのも息子を愛するが故です。

ばれなければ今までどおり普通の生活ができるかもしれない…自分はともかく、息子には犯罪者という烙印を背負って生きていくような人生を歩んでほしくないと思うのは当然です。でも、嘘を背負った人生も歩んでほしくないと思うのもやはり親心です。

事件の前と後では生活は一変し、逆風もあるでしょうが、真実を語ったことで後ろめたい気持ちで生きていかなくて済んだという意味で気持ちは軽くなったはずだし、家族の絆はいっそう強まったとおもいます。

嘘は結局その人の人生を縛っちゃうんですよね。