男はつらいよ 柴又より愛をこめて松竹このアイテムの詳細を見る |
第36作 1985年
今回はあけみちゃんが家出してそれを連れて帰るという話ですが、いろいろ話したかったのに寅さん聞いてくれないんだもん・・・っていうところがなんか良かったな。それで寅さんも寄り添うわけですけど、だからってあれこれ聞くわけじゃないんですね。それで、自分の島に残りたい気持ちを抑えて一緒に帰ってくるわけですが・・・
今回は、タコ社長との関係が面白かったです。
それで、まちこ先生です。上の口が動かないような雰囲気が上品で・・・柴又で楽しい夜を過ごしたところが和んでていいですね。
式根島きれいですね。真っ青な空に真知子先生と寅さんのツーショット。真知子先生のまなざしが美しい・・大自然に若い女性の裸(しかも後ろ向き!)。絵になるなあ・・・
「ハッピーエンド?」って聞いた満男に「ばか」って言うさくらさんがとてもいいですね。あんなに愛情を感じる「ばか」というセリフはなかなか出せるもんじゃありません。
正月にとらやじゃないのがなんか寂しいとかどこかで書いたことありましたが、結構すわ家のお茶の間も多かったんですね。知らなかった・・・あけみちゃんがお年玉を満男に上げるところがなんかよかった。
真知子先生と結婚する人が、「無様だなあ・・・」と、頭をくしゃくしゃに(してないか?)するところがありますが、「ぶざまな男の恋」は、寅さんシリーズの一番のテーマなんでしょうね。まだ1/4ぐらいしかみてないけど・・・
女性はぶざまでも言ってほしいものなのか・・・うーむ・・・
じつは、旅館の若者だって無様なんです。人妻を好きになって盛り上がって・・・・でも、正直で素直な気持ちを打ち明けたのだから、笑えないのです。だからあけみちゃんは真剣に受け止めて、楽しいからってここにいちゃいけない!と帰る決心をしたのだ。お互い傷になりましたが・・・この場合、傷つかない終わり方はないのです。
寅さんだって、深い傷を追いました。真知子先生も結婚を選びましたが、熱く身を焦がすような恋をしないまま一生を終えるかもしれないことに不安になります。もしかしたら、寅さんに、「行くんじゃないよ」といってほしかったのかもしれませんね。寅さんと恋愛したらたしかにそういう恋ができたかもしれないけれど、それはすぐに終わってしまう危うさをもっています。
その相談の時、寅さんは多くを語りません。あけみさんのときもそうですが・・・たぶん、もう答えはその人の中にあるということなのかもしれませんね。だから、真剣な悩みの時はあえて、ああしろこうしろといわないのです。(たぶん)
恋愛は誠実であればあるほど傷つくし傷つけるけるものなのだ!傷を避けてはいけないのだ!なんてね。