唐茄子はカボチャ

映画と音楽と・・・

三文役者

2007年12月03日 | 好きな映画・良かった映画
三文役者 特別編

パイオニアLDC

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殿山泰司さんの役者人生。

まずは、竹中直人さんの演技がすごい。何の予備知識もないまま見てたんで、何でいきなり裸の島のオープニングが流れるのかわからなかったし、いきなりの竹中直人さんのぎらぎらした演技にちょっと戸惑ってしまったのですが、途中で殿山さんの役なことがわかってからは、どんどん竹中さんがその人にしか見えなくなってきて・・・実際こんな人だったんだろうなあと、しみじみしてしまいました。

いろんな女の人に手を出して、酒びたりになって・・・一般的に見てダメダメな人生です。でも、全然ダメダメな人に感じないのは、一生懸命生きているからなんでしょう。もちろん役者として一生懸命だけど、人を愛するのも一生懸命。自分はダメなやつだ!と酒に逃げるのも(そんなだったか?)あがいているから。向上心があるからです。この人の弱さもひっくるめて、みんなに好かれたんだろうと思いました。で、女性にも愛されててうらやましい。優柔不断さがまた魅力なのかも知れない。

荻野目慶子さんは、きのう見た大竹しのぶさんと同じくらいすごい役者だと思いました。なりきれるというか、割り切れるというか・・・裸もきれいです。

新藤監督は若い女の人・・・・だけじゃないか。女の人には、平気で裸になることをもとめてますね。役者としてその辺の踏ん切りがつかないと、新藤監督の映画には出られませんね。ヌードになるというのは、見るほうもみせるほうも、サア、脱ぎますよ。見えるかな?もうちょっとじらそうかな・・・ちょっと見えたかな?と、どんどん盛り上がっていくのが多いけど、新藤さんの映画は、あ、出ちゃいましたね。そりゃそうでしょう。服の下は何もないんだから。って感じだし、ぜんぶ脱いだシーンも、みえて恥ずかしいという演技は絶対にさせない。服を着ているときのように演技させている気がします。

そう、服をどんどん脱いでいって裸にたどり着くというのでなくて、元々人間裸じゃんって感じですかね。

人間の根源は「性」である。でしたか。それをこの映画でも感じることができます。

最後の方は泣いてばっかりでした。