華語り

心に華を!!

コノハナサクヤヒメ

2008-09-18 23:45:08 | 造園日記2008

コノハナサクヤヒメは、「日本書紀」や「古事記」に登場する女神です。
それはそれは美しい姫で、天孫のニニギノミコトは一目見て恋に落ちました。
ニニギは早速彼女に求婚します。コノハナサクヤヒメの父オオヤマツミ神は大変喜んで、サクヤヒメと姉のイワナガヒメの二人をニニギに差し出しました。
ところが姉のイワナガヒメは妹と違って器量が悪い。
「僕は美しいサクヤちゃんとだけ、一緒に仲良く暮らしたかったのに・・・」
ニ二ギがはたしてそう言ったかどうかは定かではありませんが、イワナガヒメは気に入らなかったのでしょう。彼はイワナガヒメをオオヤマツミの元に返してしまいました。
父のオオヤマツミはそれを恥じて、イワナガ姫とサクヤ姫二人をニニギに差し出したわけを語ります。

「あんた、よくも儂の可愛い娘を一人、つき返してくれたね。
儂が何で大事な娘を二人もあんたに差し出したか、そのわけを教えてやろう。
イワナガ姫を差し出したのは、あんた方天つ神の命がいついつまでも末永く続くようにと、そして木の花が美しく咲き誇るように、あんた方が栄えてくれることを願ってサクヤ姫を差し出したのだ。それなのに、あんたはイワナガ姫を突き返してきた。
儂の気持ちを踏みにじったからには、あんた方天つ神の命が、木の花のようにもろく儚いものになってもしらんからな。」

こうしてその子孫である天皇は、神々のように長く生きながらえることはできなくなったということです。
とはいえ、古事記に登場する初期の帝たちはどなたも長生きで、100歳を越える方はザラにいらっしゃいます。それでも神々の寿命に比べたら、短いということなのでしょう。

その話を聞いてニニギが何を感じたか、わかりません。サクヤちゃんといっしょなら、命なんて短くたって、とでも思ったのでしょうか。イワナガ姫を突き返したことをちょっぴり悔やんだりしたでしょうか・・・

その後、サクヤ姫は身籠ります。「天つ神の御子をこっそり産んではならないから」といって身籠ったことをニニギに告げました。
ところがニニギは「僕の子ではないかも」と疑います。
「一夜の契りで子ができるはずがないもん。まさか国つ神の子では・・・」

それを聞いたサクヤ姫はきっぱりと言い放ちました。

「おなかの子があなたの子でなかったとしたら、この子は無事には生まれないでしょう!」

そういって出入り口のない産屋を作り、中に入ったサクヤ姫は、いよいよ出産という時になると産屋に火をかけたのでした・・・

こうして生まれたのがホデリ命、ホスセリ命、ホヲリ命の三柱の神々でした。
ホデリ、ホヲリはそれぞれ海幸彦、山幸彦。彼らのその後のお話は、割愛いたします。

 

写真はなでしこですが、コノハナサクヤヒメというネーミング。
ただ美しいだけではない、凛とした筋の通ったサクヤ姫もまた、大和撫子の理想的な姿という気がします。

 

ああ、そして明日はいよいよ・・・(謎の独り言)