華語り

心に華を!!

かの人の故郷へ~その2

2008-10-27 11:04:06 | 道々之記

10月19日 天気快晴

旅館をチェックアウトしたあと、東京組は駅へ、長野・金沢組は私の思惑と母の希望もあって、兼続・景勝ゆかりの地めぐりへ。

来た道を再び戻り、南魚沼の龍澤寺へ。

龍澤寺の門前は、車が一台通れるくらいの道ですが、「樺沢城跡」の碑が建ち、一角が駐車スペースになっています。樺沢城は上杉景勝が生まれたとされるお城です。城跡めぐりは今回は割愛。
こじんまりとしたお寺ですが、どっしりとした山門からは歴史の深さが感じられます。
入口には「仙桃院お花畑跡」の碑が建っています。かつて、色とりどりの花で飾られていたのでしょう。

臨済宗のこのお寺には、上杉家ゆかりの品々が残されています。
このお寺のご本尊は智慧の仏である文殊菩薩。文殊菩薩は卯年生まれの守護仏ということで、卯年生まれの景勝のために、母仙桃院が奉納したという文殊菩薩(あやの文殊)が安置されています。小型の厨子に入った菩薩様ですが、母の温かい愛情が伝わってくるような仏様でした。
(これ、『風林火山』で紹介されたらしいですが、ちょっと覚えていません。来年再登場するでしょうか・・・)

このほかにも、謙信がこのお寺に送った朱印状(朱印が使われていることから、このお寺が重要な拠点であったということでしょうね)や、景勝の正室菊姫の薙刀、長尾政景夫妻の画像など、ちょっと嬉しいお宝を拝見することができました。

庭の片隅に「上杉景勝公生誕の地」の碑が建っています。

 

 さて、再び六日町方面へ向かう。
景勝・兼続が幼少期を過ごしたとされる雲洞庵へ。

駐車場も結構広く、大型バスも何台か止まっていました。

杉木立に囲まれた境内は、禅寺らしい荘厳な雰囲気が漂っています。
赤門(下の中央の写真)は、勅許で建てられたもので、かつては特別な時以外は開けられなかったそうですが、ありがたいことに現在は普通に通ることができます。
この赤門から本堂へ続く参道に敷き詰められた石畳には法華経が一石一字ずつ刻まれていて、それを踏んで歩くことで法華経のご利益があるといわれています。昔から越後では「雲洞庵の土踏んだか」といわれ、大変信仰されたそうです。

ここの宝物殿はかなり見ごたえがありました。
兼続関係はそう多くはありませんが、兼続が「山城守」を叙任した後にこの寺の門前に掲げられられたという禁制の制札が残されています。本物は、字が消えてしまってかすかにその字の跡を辿ることができるくらいですが、写しが展示されていました。筆跡はもちろん兼続のものではありませんが、彼の息吹きを感じるに十分でした。

本堂の裏手に宇佐美定満のお墓があるらしいのですが、そちらへは行かれないようになっていました。

途中のお土産やさんで、こんな自販機も↓

雲洞庵を出たあと、近くのお食事処で昼食。田んぼの中の一軒家というロケーションのお食事処で岩魚定食をいただきました。岩魚を焼くのに時間がかかったらしく、ずいぶん待たされましたが、いいお味でした。
特にご飯は絶品。さすが南魚沼ですね。

お昼を食べたあと、山道を十日町へ向かう。
十日町で長野組はR117へ、私たちはR253で上越へ。
途中山中に「天地人」の旗を発見。兼続の父樋口兼豊がいた直峰城でした。
こちらも車の窓から見ただけで素通り。かつて上杉軍道が通っていたのはあのあたりだったのでしょうか。

時間がもう少し早かったら、春日山城によりたかったのですが、日没も近く、今回はあきらめ、おとなしく上越ICから高速に乗り帰路につきました。

 


かの人の故郷を訪ねて~坂戸城登頂記

2008-10-25 00:37:39 | 道々之記

1週間たってしまいましたが・・・

10月18日 天気快晴

越後湯沢へ行く機会ができたので、この機会を逃す手はない、と史跡巡りを決行。

先ずは坂戸城址へ。

六日町に近づいてくると、眼前に迫ってくる山があります。それが坂戸山。わが心の恋人である直江兼続と上杉景勝が幼少期を過ごした場所であります。
魚野川にかかる橋を渡り、坂戸山の麓へ。

この時期、熊が出る、というので、サイトの掲示板でも「よした方がいいですよ」という書き込みをいただいていたので、躊躇したのですが、連れも結構はりきってくれていたので、頂上を目指すことにしました。
駐車場を降りて目に留まったのが「熊が出ます」(「熊に注意」だったかな?)の立て札。念のため、熊よけの鈴だけは持参していました。

しばらく舗装された道を行くと、急に眼前が開け、秋の陽射しがまばゆく草地を照らしていました。かつて城主の館があった辺りの空間は、ひどく張り詰めた空気で満たされており、別世界に足を踏み入れたような感覚にとらわれました。
上杉家最強と言われた上田衆を率いていた上田長尾氏。その主の居住空間に漂う凛とした気配は、最強軍団を生み出した当時の面影を、今もなお伝えているようでした。

その草地には写真でよく目にする「坂戸城址」「上杉景勝・直江兼続生誕の碑」と刻まれた碑が建っています。その横を通ってしばらく行くと道は舗装が途切れ、山道へと入って行きます。
「城坂コース」で頂上を目指しました。

途中小学生の団体や、数人のグループ、夫婦で登っていらっしゃる方など、何人かお会いしました。皆さん、結構ちゃんとした山歩きのスタイルでいらっしゃいましたが、私たちは本当に軽装。トレッキングシューズくらいはいてきたらよかったかも、と思いましたが、あとの祭りで・・・

実は数日前から風邪気味(今もまだよくなっていないのですが)で、この日も喉の調子がおかしく、最初はなんだかんだとしゃべりながら歩いていたのですが、だんだん寡黙になってきて・・・
息も上がり、心臓もバクバク、ちょっとやばいかなあと、途中で弱音を吐きそうになる。けれどもすでに行くも戻るも同じところに来てしまっているので、もうここは先を目指すしかないと思って、ひたすら頂上を目指しました。
次第に山のいただきが近くになりはするのですが、なかなかたどり着かないもどかしさ。連れに励まされ、心で景勝・兼続のご加護を念じながら、がむしゃらに歩いたという感じです。

ようやく視界が開け、頂上に到着。
実城跡に建つ富士権現に無事にたどり着いたことへの感謝の祈りを捧げる。
坂戸山は標高634m。眼下を流れる魚野川は、陽光を受けてきらきら輝いています。実に穏やかな秋のひと時です。
魚野川はかつては水路として、また坂戸城の天然の堀としての役割を担っていたのでしょうか。
いまでこそ、穏やかな秋の日を満喫できる城山ですが、かつてこの頂からは、緊迫した風景を眺めていたのでしょうか。穏やかな日を楽しむ時もあったのでしょうか。
そしてかの人たちも、この大地を見ていたのでしょうか。心は一足飛びにかの人たちの下へ・・・

帰りは尾根伝いのコースを下っていきました。
頂上からちょっと下ると、ちょっとした岩場があって、プチロッククライミング。本格的なのは怖いですが、ちょっとしたロッククライミング、好きなんです。童心に帰れるといいますか・・・

尾根コースはさえぎるものがなくて、陽射しが直接降り注いできましたが、眼前の風景を眺めながら下ることができました。次第に近づいてくる魚野川の流れ。
木々は紅葉が始まっていて、名の知れぬ木の実が優しく色づいていました。

麓に近づくと、道端に石仏が並んでいました。
往復約1時間半。時空を越えて過去の人と同じ空気を感じられるというのは、史跡巡りの醍醐味でもあります。


こちらの写真は麓に残る内堀の跡。カルガモが気持ちよさそうに泳いでいました。

そこから近くにある長尾政景(景勝の父君)のお墓を目指します。
六日町のあちこちに「天地人」ののぼり旗が立っていましたが、こと史跡にはたくさん掲げられていて、それとわかりやすい。政景さんの墓所も難なく見つけることができました。
プチ登山を終え、おなかもいい具合にすいていて、見ると政景さんのお墓の入口に一軒のお蕎麦屋さんが。(まるで墓守のよう?)
その名も「兼続庵」。
迷うことなく入ったのは言うまでもありません。
私は普通のざるそばを注文しましたが、連れは天ぷらそばを注文しました。
なんと青苧(からむし)の天ぷらいり。繊維をとって布地を作り、かつては上杉家の財源の一つともなっていたあの青苧ですが、食用にもなるとは驚きでした。ウコギといい、青苧といい、さすがといわざるを得ません。
お味のほどは、残念ながら食していないのでわかりませんが、おそばはおいしかったです。つなぎに山芋やヤマゴボウなどが使われているということで、普通のおそばよりもっちりした歯ごたえがありました。

腹ごしらえを終え、政景さんの墓所へ。
墓石自体は最近立てられたものか、彫られた文字もはっきりとして、真新しいものでした。近くに長尾家代々の五輪塔もあり、こちらも最近作ったものか、やはり新しい五輪塔でした。

背後の林は木漏れ日がまぶしく、ひどく神々しく、墓域を包み込んでいました。

 (つづく)

 


越後湯沢の記

2008-10-20 22:55:20 | 道々之記

今年実家の母が喜寿を迎えました。
夏、妹から連絡があって、何かお祝いしない?では、みんなで温泉にいってお祝いしようという話がまとまり、姉が旅館を手配してくれました。
長野、金沢、東京方面からそれぞれやってくるので、みんなの集まりやすい場所ということで、越後湯沢に決定。
越後湯沢・・・これは願ってもない場所!なんなら、もう少し北よりでもよかったんですけど(笑)
私にとっては、久しぶりに母や姉妹と温泉に泊まれるということのほかに、嬉しいおまけつきの旅でもありました。

2、3日前になって、姉の子が熱を出し、肺炎の気があるなどと診断されて、(実際には肺炎ではなかったようですが)姉一家は急遽、旅行をキャンセル。結果、母と妹、よーぜん一家の六人でのささやかな御祝い旅行となりました。

土曜日、私たちは途中寄り道をして2時過ぎに、旅館に到着。
長野組は長男が母のアッシーとなってやってきました。妹は新幹線、次男は各駅停車を乗り継いで、千葉から5時間近くかかってやってきました。

旅館は越後湯沢の駅に程近い白銀閣華の宵という旅館。越後湯沢では、老舗にあたる旅館のようです。

玄関先は趣のある和風庭園で、大文字草が可憐に咲いていました。

お風呂は3時から営業というので、やや時間があったので、外をぶらぶら。
駅構内のお土産コーナーの一角に、利き酒やさんがあるというので、試飲をしてみることに。ワンコインでお猪口5杯まで試飲することができます。
「謙信」「景虎」「景勝」「天地人」・・・ネーミングで選んでいる私。あいにく「兼続」がなかったので、試飲できませんでしたが、ビール派の私でも、「景虎」「景勝」はすっきりした飲み口で、飲みやすかったです。(「景虎」は謙信ではなく、三郎をイメージしたものなのでしょうか。)「謙信」は長男曰く「泥の味」。まずくはないですが、こくがありすぎるというか、少々くせのある感じ。「酒豪謙信」に相応しい感じののみ心地でした。

で、こちらをお買い上げ↓
ボトルデザインもすっきりしています。文字は火坂雅志氏の揮毫。

温泉は、お湯がとてもやわらかく、プチ登山で少々(かなり?)疲れ気味の足腰も癒されました。

母もものすごく喜んでくれて、企画してよかったと今更ながら思います。(これは、提案してくれた妹にも感謝です。)
母は結構毎日忙しくしていて、所用で東京へも月に数回出かけたりしています。
遠くに暮らしているので、元気でいてくれることは何よりありがたいこと。
これからもどうか息災でありますように。

さて、越後湯沢よりやや北、南魚沼方面訪ねて・・・それはまた後日。
 

 


きのこづくし

2008-10-14 11:04:19 | 日々の風景

 

土曜日、夫がゴルフの参加賞でもらってきたきのこセット。
残念ながらマツタケはありませんでしたが、週末はきのこづくしの夕食になりました。
(これだけあったら、平日私一人きりになったらとても消費しきれないので^^;)

小松の吉岡園芸さんからDMをもらっていたので、日曜日はバラの土を買いに行きました。
秋のバラまつりが開催されていて、半額になっているバラ苗も。
そのままアーチに仕立てられるくらいの大きさの、つるバラの苗を買ってしまいました。ちょっと黒点病が目立っていましたが、半額でしたので。
家に帰って早速鉢を植え替え、つるブルームーンと一緒のアーチに絡ませることに。
蕾が数個ついているので、花が咲いたらアップしたいと思います。


九月十三夜

2008-10-11 21:31:45 | 日々の風景
今日は九月十三夜。八月十五夜とセットで月を愛でる日。
現在では仲秋の名月の方がメインになってしまっていて九月十三夜は一般には知られていない感があります。
私にとって九月十三夜といえば、謙信が作ったと伝えられているこの詩ですね。


霜は軍営に満ちて秋気清し
數行の過雁月三更
越山併せ得たり能州の景
遮莫家郷の遠征を憶うを


第一句は、上杉軍の、清々しいまでの規律正しさが想起されるようです。
深まる秋と相まって・・・


さて、心配していたお天気ですが、夕べから降り出した雨は朝にはやんでいました。が、午前中再び雨。これは夜になっても期待できないかな、と思っていたところ、先ほど空を見たら中空に明るいお月様が。
400年余り昔、謙信やかの人も、同じ中天の月を眺めていたかと思うと、一人でニンマリしてしまいます。


がんばれ新芽

2008-10-08 11:46:10 | 造園日記2008

 

今日は朝から青空が広がっています。
中庭の芝が伸び放題になっていたので、久しぶりに芝刈りをしました。
今年はおそらくこれが最後の芝刈りでしょう。

一月ほど前まで、黒点病にやられ、その上虫にも食われ、見るも無慚な状態で、毎朝顔を合わせるのが辛かった涼とラバグルート。
涼くんの方は、伸びてきそうな芽を持ってはいるのですが、まだ動き出してはいません。が、ラバグルートはいくつか新芽を伸ばし始めました。
毎日少しずつ大きくなっているので、顔を見るのが楽しみになりました。
涼くんも、一日も早く芽が出てきますように・・・


一雨ごとに

2008-10-06 11:57:27 | 造園日記2008

一昨日まではお天気だったのに、昨日の夕方から再び雨。
一雨ごとに秋の気配が静かに浸透していく今日この頃。

先日近所のフラワーショップで、とても安くシュウメイギクが売られていたので買って来ました。例の名無しのバラと同じお店なのですが、他の店だったら1000円以上するような大苗のシュウメイギクが半値以下。
ピンクと白と二鉢買い求めました。

ピンクの方は蕾がたくさんついていたので、早く開かないものかと心待ちにしていたところ、2,3日前から開花を始めました。

シュウメイギクは「菊」の名称がついていますが、キク科ではなくキンポウゲ科の花だそう。同じキンポウゲ科のアネモネと、そういえばよく花姿が似ています。
少々うつむき加減に咲く様子が、愛らしい。

さて、今週もあまり天気がよさそうにありません。
今週土曜日(11日)は九月十三夜。中秋の日は冴え渡ったお月様を拝むことができましたが、さて今週の土曜日はどうでしょうか・・・

 

話は変わって、もう一つのブログを久しぶりに更新。といいますか、以前下書き状態で保存して書きさしていた記事をアップしただけなのですが・・・(日付を見たら2年前でした(汗))
お墓の写真もたまってきたし、第三のブログもそろそろ更新しないと・・・


秋風に誘われて

2008-10-03 10:41:13 | 造園日記2008

早いものでもう十月。
今年も残り2ヶ月になりました。

秋の風に誘われるように、秋の花たちも少しずつ開花始めました。

 

ハッピートレイルズは濃いピンクの花を咲かせるミニバラ。光沢のある葉の緑とのコントラストがきれいです。

アイスバーグも清楚に花を開きました。
これは昨日写したものですが、今朝はすっかり花が開いていました。
隣に植えてある藤袴も薄紫の花弁を開き始め、アイスバーグとツーショットを試みました。

右下の梅鉢草は、大文字草と一緒に寄せうえしました。小さな山野草の寄せ植えです。
大文字草の方は花芽がついていないので、今年は期待できそうにありませんが、梅鉢草は花のついた苗を購入しました。
本当に「梅鉢紋」の形をしています。