能登を襲った地震から早くも一月が経とうとしています。
一昨日の土曜日、輪島の温泉へ行ってきました。
こんな時期に、あるいは不謹慎かも?という気がしないではなかったですが、夫の知り合いの人を通じて「ねぶた温泉 能登の庄」という旅館に予約を入れてもらいました。(というか、あちらから、泊まりにきて欲しいというオファーがあったようです)
実は今年で結婚20周年を迎えるのですが、そのお祝いという名目で・・・(理由は何でもよかったんですけど)
前日に能登有料道路が穴水の少し手前まで開通した、ということだったので、道路も悪路なんかではありませんでした。
ところどころ道路の陥没した跡がブルーシートを覆った状態で、惨事の様子を生々しく伝えていましたが、通行する部分は綺麗に補修されており、通行には何ら影響はありませんでした。
泊まった旅館は、輪島の市街地から3,4キロ珠洲に向かう海岸線の途上にあります。目の前は能登の海が広がり、やや風が強くて波も少々立っていましたが、見渡す限りの雄大な風景を見ていると、1ヶ月前の天災が、嘘のように感じられてしまいます。
さて、この旅館、お値段もそこそこ(かなり)いいのですが、本当に素敵な旅館でした。チェックインすると、入り口横のラウンジで、お茶のサービス。そしてこれは女性客へだけのサービスなんですが、何十種類もある浴衣の中から、自分の好きな柄を選ぶことが出来るのです。
で、私が選んだのはこんな柄↓
ちょっと紅いかしら?と思いはしましたが、まあ、気にしないことにしておきましょう(笑)
「ねぶた温泉」というのは、東北のねぶたとは全然関係なく、その昔、傷を負った猪豚が、温泉に寝転がって傷を癒していたというところからきているそうです。
温泉のお湯もアルカリ性泉質で、お湯あたりも優しく、肌がツルツルして、とても気持ちのよいものでした。
館内の廊下には畳が敷き詰められていて、裸足のまま、歩くことができます。
お風呂上りとか、スリッパのぺたぺた感を味わわずにすむというのは心地良いですね。
さて、お楽しみのお夕食。
器は上品な輪島塗の本格的なもの。お料理ももちろん美味しいのですが、器を眺めながら食するというのは、また格別な美味しさがあります。
ほんの一部だけ、ご紹介です。
一番上は先付けと前菜の盛り合わせ。
時計回りに「能登春の彩り」と銘打った三種の海老の盛り合わせ。
お吸い物は子持ち白魚と海そうめん(海草です)。盛られているお椀は「雪月花」という名がついていて、蓋の上の部分には「雪」という字が書かれています。
左は能登牛の香草焼き。これはもちろん夫のおなかの中へ(笑)。
こちらは朝の食卓から。
白くS字を描いたものは、「すいぜん」という食べ物で、輪島ではイカの刺身に見立てて精進料理として使われるものだそう。海草(天草?)を煮とかして、米の粉を入れて固めたもので、ゴマだれをつけていただきます。
葛きりのような食感で、これがまた美味しい^^
というわけで、温泉につかり、美味しい食事をいただき、待ったりすごした休日でした。
輪島の市街地はそれほどの被害は受けなかったようですが、風評被害を被っている、という旅館の社長さんのお言葉でした。
声を大にしていいます。輪島の市内は元気です。道路もきちんと確保されています。
こういうことをきちんと伝えることも、大切なのかな、と思います。
ただ、翌日行った門前町は悲しいことになっていました。
そのお話は、また後日。