菊は秋日に逢ふて露奇なり
白々紅々華枝に満つ
好し西施が旧脂粉を把って
淡粧濃抹して東籬に上さん
(「菊花」 by 直江兼続)
10月のはじめ頃から蕾がつき始め、固い固い蕾でしたが、先週あたりから蕾の先がほのかに紅を帯び始め、2,3日前からようやく花が開き始めました。
この菊、昨年鉢で購入したのですが、草丈も15センチくらいで、こじんまりとして可愛らしい様子でした。
春になって地植えしたところ、すくすく成長し、今では1メートルくらいの大株に。
もともとが小さかったので、どーんと花壇の真ん中に植えたところ、予想に反して大きく成長したために、夏の間は他の花たちが菊によってさえぎられえてしまっている状態でした。
夫とも、「なんか邪魔だね~」と話していたのですが・・・
これからはこの子が主役。かなり自己主張が強いですが・・・
菊といって真っ先に思い出すのは、なんと言っても冒頭の兼続の詩。
うちにあるのは紅色の菊だけですが、「秋日に逢」って、その色香が増してくる、という1,2句を本当にそのとおりと実感しています。
中国の美女を織り交ぜて、とても艶な雰囲気を醸し出している詩ですが、兼続にとっての「菊花」はやはり・・・
漢詩の解説はコチラ(よーぜんのサイトにリンクします)
さて、こちらは花の形が菊に似ていますが、ツワブキです。
1昨年植えて、去年は花をつけませんでしたが、今年ようやく花をつけました。
茎がぐんぐん伸びて蕾が出てくる様子は、お世辞にも可愛らしいと呼べるような様子ではなく、どちらかというと気持ちの悪い様子でした・・・ところが花が咲くとぱっとそこだけ照り輝いているようで、まるで芋虫が美しい蝶にでもなったというような雰囲気。
こちらも秋日に逢って輝いています。
今日から霜月。