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音楽・小説・その他、思いついたことをだらだらと綴る
アールグレイの気まぐれ日記

贖罪

2006-07-09 | 
●天使のナイフ● 薬丸岳
講談社  2005.8

桧山がオーナーを勤めるコーヒーショップの近くの公園で殺人事件が起きた。
被害者は4年前に桧山の妻を殺した少年グループの一人だった。
当時13歳だった少年は刑事責任を問われなかった。
なぜ加害者少年が殺されたのか…
桧山は抑えていた事件の記憶に直面するとともに、少年たちのその後の軌跡を辿っていく…


第51回江戸川乱歩賞受賞作。
少年犯罪、少年法の問題点、被害者側のやりきれない思いが切ない。
そんな社会派な作品だが、謎が満載でミステリーとして読み応え充分。

「ごめんなさい」が言えない子ども。
「ごめんなさい」の言葉の裏で舌を出している子ども。
本当の更正とはなんだろうか。
これが正解とは一概に言えない気もするが、ひとつの答えが提示されている。
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