写真は、戸建の内覧会で、屋根裏の断熱材の様子を撮ったものです。屋根裏には、関東地域では、厚さ100㎜のグラスウールやロックウールの断熱材が、一般的に敷き並べられます。戸建の屋根裏は、夏の間には60度以上になることもあるので、ここの断熱は極めて重要となります。
断熱材の施工と言っても、断熱材のマットを敷き並べるだけの簡単なものです。しかしながら、断熱材がしっかりと隙間なく並べられている、これが重要となります。断熱材が浮いていたり、隙間があったりしていれば、当然のことながら、断熱材の意味を成しません。家の中を断熱材で、布団のように、すっぽりと包み込んでしまう、これが断熱工事の基本です。
写真は、屋根裏にある点検口から、屋根裏内部を撮ったものです。断熱材の状態が極めて悪く、ばらけてしまっていて、2階の天井の裏が見えてしまっているのがお分かりになるでしょう。これでは何の為の断熱材かとなってしまいます。屋根裏は、まず開けないところですので、内覧会でチェックして直させなければ、ずーとこのままになるわけです。戸建をお買いになって、内覧会で家をチェックをされる際には、是非、屋根裏の断熱材の施工状態もご覧になって下さい。点検口があれば、業者に開けさせれば良いです。お住まいになられたら、まず、見るところではありませんので、要注意となります。(9627)
住まいの中で汚れやすいところをきれいに保つのは面倒なものです。そういう方に「ついで掃除」はいかがでしょうか。
洗顔やシャワーのついでに、1分ほどささっと手を動かして、掃除をしてしまうわけです。例えば洗面ボウルであれば、手洗いや歯磨きのついでに、スポンジでクルッと気になる部分をこする、時間は1分です。付いてすぐの汚れは、簡単に落ちるのがミソです。 ついで掃除は、短時間でこまめに行なうのがポイントで、毎日使う洗面所、浴室、トイレなどが適しています。 掃除は、欲張ってあれこれやろうとすると、時間がかかって続きにくくなります。
ついで掃除は、洗面所なら蛇口まわりを拭く、鏡を拭く、1回の掃除は一つに絞ります。また、家族であれば、鏡はお父さん、洗面ボウルは子供などと分担すれば手軽になります。 ついで掃除で大事なのは、用具を近くに置いておくことです。洗面所であれば、せっけんケースにスポンジを入れておく、という具合です。見た目が気になる場合には、可愛いデザインのフックやホルダーを選んで、そこに掛けることも出来ます。ついで掃除の効果は、普段つかうところがいつもキレイであること、そして、掃除の頻度や手間が減ることです。
写真はマンションの確認会で、キッチンのカウンターを撮りました。ここのお宅は、キッチンカウンター天板に天然大理石を使っています。天然のものには自然の趣があります。紛らわしいのですが、キッチンカウンターに人工大理石というものもあります。人工大理石とは、砂を樹脂に混ぜ、成型したものです。人工大理石にも、主にアクリル系とポリエステル系とがあります
天然石キッチンカウンターに話を戻しますが、写真の赤の矢印部分を見て下さい。ここに「角を取って丸みをつけた」と書いてあります。確認会よりも前に行われた内覧会では、このカウンターの隅が角ばっていました。角ばっているので、見た目も硬い感じだし、子供が頭をぶつけても、と気になって、角を削って丸みを出すようにお願いしました。
それで、確認会に来てみたら、このようになっていたわけです。本来なら、もう少し、丸みを付けたいところですが、現場で削るしかないので、このぐらいが関の山ということです。これぐらいでも、角ばった状態を考えると、随分と見た目が変わりますし、触った感触も違います。キッチンカウンターや他の箇所にもカウンターに天然石をお使いの場合は、このような加工も可能ですので、気になるようであれば、内覧会で指摘して下さい。(811)
写真は、私が住んでいるマンションのエレベーターです。40年近く使用しているエレベーターをリニューアルしました。既存の部分で残したものはレール、おもり、かご本体だけでした。巻上機、制御盤、かご室などほとんどの部品は更新しました。乗り場の扉、かご室内のデザインは、住民のアンケートで決めました。リニューアルの工事期間は2基で1.5ヶ月でした。
リニューアル工事が終わるまで、エレベーターの維持管理はマンション管理会社に任せておりました。リニューアル工事の完成と共に、エレベーターの維持管理契約も、管理会社の業務から切り離し、エレベーター会社と直接契約をすることにしました。なぜなら、その方が維持管理費が安くなるし、事故などの際には対応が早まる、と思ったからです。 その結果、維持管理費は、それまでの金額の約3割減となりました。直接契約できるものは切り離す、そうすれば、管理会社の管理費分はなくなります。エレベーターの維持管理費は、管理費の中でも大きな割合を占めますので削減効果があります。管理費が削減されますが、管理の質が落ちるわけではありません。管理費削減の第一歩として行動してみる価値はあると思います。(0514)
写真はマンションの内覧会で撮りました。ご覧頂きたいのは、引戸の受けの部分です。上下に二つの受け(これを戸当たりと呼びます)が付いてます。下の戸当たりは白いゴム、上は7㎝程の金属の棒が付いた戸当たりとなっています。なぜ、二つ付いているのでしょうか?二つ付いているのには訳があります。
上の戸当たりの金属棒は取り外しが出来ます。取り外しますと、引戸はその分広く開くようになり、引戸は全て戸袋の中に収まるようになります。その際は、引戸は下の戸当たりゴムで受けます。
一方、写真のように金属棒を取り付けますと、その分、引戸の引き残しが出ます。引戸には、引き手、という金具が付いてます。引き手に指を入れて、引戸は開けられます。引き残しを作るということは、引戸を開けた時に、引き手と枠の間に指を挟みこまないようにしているわけです。
従い、上下に二つの受けが付いている訳は、引き戸の引き残しを作るか、いっぱいに開けるようにするか、どちらでも出来るようにするためです。細かいところに気をつかっています。モデルルームに行った際には、このような細かい点も見ておいて下さい。(86)
写真は戸建ての内覧会で撮ったものです。ご覧頂きたいのは、幅木を切って貼った、というところです。幅木を両側に貼って、真ん中は貼らずに溝になっています。なぜ、こんなことをしたかと言いますと、左側の吊り戸を閉めた際に、吊り戸をここの溝部分に入れ込むためです。そうすると、閉めた際に、吊り戸がグラグラしなくなります。
吊り戸とは、文字通り、上の枠にレールを取り付けて、そこから吊って戸を支えています。良い点は、下にレールが不要となるので、歩きやすくなることです。でも、扉を上で吊っているわけですから、ブラブラして不安定と言えます。特に、大きな地震が来た場合には、相当に揺れることになります。簡単に外れて倒れて来ることはありませんが、吊り戸を開けていても、閉めていても、なるべく揺れないようにしておくことは大事です。
写真の場合では、吊り戸を開けている場合には、壁があって揺れにくいのですが、閉めた場合には、揺れやすくなるので、その揺れを止めるために、幅木を切って溝を作ったわけです。吊り戸を閉める時には、ここの溝に入れておけば、地震が来ても揺れません。(419)
写真は、完成後3ヶ月のマンションの地下部分です。ご覧頂くと、壁が部分的に変色しているのが分かります。これは、壁の外側の地下水が滲みだしてきているのです。原因は、この壁に外側へ貫通しているひび割れが入っていて、外の地下水が壁を伝わって中に入り込んできているからです。壁と言っても、厚さが60㎝もある地中梁と呼ばれるものですが、このようにコンクリートの収縮によるひび割れが発生してしまっています。
コンクリートは乾燥収縮するものですが、このようなひび割れを発生させてはいけないし、発生させてしまったら、補修をしなければなりません。なぜなら、中の鉄筋を錆びさせてしまうからです。建物はコンクリートと鉄筋の強さで保持されているので、どちらが傷ついても構造的に問題となります。
マンションを購入すると、専有部分(部屋の中)のチェックは、買主が内覧会などで行いますし、アフターサービスもありますので、不具合は指摘しやすいです。でも、このような共用部分、特に、地下のピットなどはチェックは困難となります。共用部分は住民全体の資産ですから、住民全体で管理しなければなりません。しかしながら、実態は管理会社任せになっているのが現状でしょう。問題が出て困るのは住民、管理会社任せでは良くありません。
新築マンションでは、引き渡しから理事会が機能するまでに半年程はかかるでしょうが、理事会が組織されたら、建物の上から下まで、隅々、見てみることが大事となります。自分達で自信がなければ、第三者の建築士に一緒に回ってもらうのも価値あるアドバイスが得られることと思います。写真の漏水は、私の友人がこのマンションの初代理事長となり、勉強の為、建物を見て回っていたら、見つけて、びっくり仰天!すぐに、私に相談してきたものです。早急に売主に言って、無償で補修するようになりました。(6411)
マンション管理会社が倒産した場合、お先真っ暗になってしまうのでしょうか?特に、大きな問題となるのは、管理組合の管理費、修繕積立金等管理費等の預金名義が管理会社となっており、その管理会社が倒産した場合です。このようなケースで裁判になった例が過去に3件あり、その判例があります。平成8年及び10年の東京地裁は、管理費の所属を倒産した管理会社としました。しかし、平成11年の東京高裁では預金名義が管理会社でも預金は住民に属するという、判決を出しています。
要するに、判例の3件のうち2件は、管理費等は管理会社の財産としました。これではおかしい、という事で平成13年8月にマンション管理適正化法が施行されました。
この法律では、
①管理費等口座の名義は原則として管理組合または管理者とすること。
②管理業者が管理費等の預金通帳と印鑑を同時に管理することの原則禁止。
③管理費等が有価証券の場合は、管理業者は有価証券の預かり証を保管してはいけない。
と定めています。
従いまして、本来の姿が法律に反映され、紛争は減ってきています。この管理費の管理については、管理会社の倒産も困りますが、管理組合の理事長に横領されたなどの事例もあります。毎月の管理組合費及び修繕費を支払っているマンション管理組合員の一人として、通帳の名義と保管者、印鑑の保管者、これらがどうなっているのかも知っておくのは大事なことと思います。(71.24)