写真は、新築マンションへ入居後、数ヶ月したら、畳が縮んできてしまったものです。原因は、夏の気温や湿度が高い時に畳の施工が行われ、冬になって、気温も湿度も下がり、畳床(畳の芯)に含まれていた水分が乾燥し収縮したものです。写真の場合には、入居後でも、畳は交換となりました。
新築のマンションや戸建で使われる畳は、ほとんどが美草やスタイロと呼ばれる化学畳となっています。畳には、昔からの本畳(自然畳)と化学畳があります。本畳とは畳床(畳の芯)も畳表もい草で作ったものです。また、化学畳とは、畳床は発砲スチロールとファイバーボードを張り合わせたもので、畳表はい草もしくは樹脂、最近は和紙を使ったものもあります。厚さは15㎜~60㎜まであります。化学畳の畳床にもいくつかの種類があって、この畳は乾燥収縮しやすいものだったわけです。
化学畳の特徴は、工業製品なので、品質が安定している、耐久性がある、断熱性に優れる、軽い、水を吸収しない、ダニが発生しにくいことです。でも、目に汚れが溜まったり、食品や醤油・ビールなどこぼした時は、カビが発生したり、変色する事があるので、ふきとっておいた方が良いでしょう。
写真の畳も化学畳です。この収縮により、全部交換となりました。内覧会で異常がなくても、お住まいになってから写真のように縮まってくるなどの不具合が出てくれば、なるべく早く売主に言うべきです。
内覧会の時には、畳床の水分の状態まで確認できませんが、畳をチェックする場合には、
➀畳表の色が一様に青くてきれいか、浮きやシワがないか、表面のささくれがないか。
➁敷いてある畳は一様に隙間なく平らに敷かれているか、敷居との取り合いに段差はないか。
➂全ての畳の上を歩いてみて、変な感じはないか等です。(6)
写真はマンションの内覧会で撮りました。リビングから窓の方を写しています。ここでご覧頂きたいのは、上の大梁と書いてある部分です。柱は上部をつなぐ梁がないと倒れてしまうので、必ず梁でつなぎます。柱と柱の上部をつなぐ梁を大梁(おおばり)と呼び、大梁と大梁とをつなぐ梁を小梁(こばり)と呼びます。これは、大梁ですので、向こうに柱があります。一般には、柱と大梁とは、建物の外側に出る場合が多いのですが、このように、大梁が部屋の中に入って来る場合もあります。このような構造をカーテンウォール、外から見ると、柱や壁がなく、カーテンのように見えるので、そのように呼びます。
カーテンウォールの場合、大梁が部屋の中で下がってきますので、眺望上、また、使い勝手上、気になるところです。写真の大梁では、内装材として、石膏ボードを梁の表面に張り付けていますので、余計に梁が大きくなってしまいます。石膏ボードの下地と合わせ、7㎝程梁が膨らみますので、幅は14㎝、高さも7㎝大きくなってしまいます。
間取り図を見て、柱が部屋の隅ではなく、内側に入って来ている場合には、大梁も部屋の中に入ってきますので、注意が必要となります。その注意とは、天井が、その部分だけ、相当に下がってくるという点です。一般に、天井高は2.4~2.5mですが、その部分だけ2m前後の、下り(さがり)天井になってしまいます。このような部屋を購入する場合には、ここの部分の天井高がどのくらいになるのか、確認した方が良いでしょう。特に、背が高い人が家族にいる場合には、注意が必要です。梁は建物の構造上なくてはならないものですので、欠いたり、削ることはできません。(1226)
写真はマンションの内覧会で撮りました。写したところはリビングと洋室とを間仕切るための吊り戸の最下部です。ここには吊り戸が4枚あって、使用しない時には、収納できるようになっています。写真は、その4枚を収納に入れた状態です。ここでご覧になって頂きたいのは、白い↑で指したフランス落しと呼ばれるフックです。フランス落しとは、吊り戸側に棒状の金具、床側にはその金具を受けるものがあって、それで吊り戸等を固定しておくものです。
吊り戸は、上から吊っているだけですから、地震時には揺れてしまいます。大きな揺れで、吊り戸が外れたりしたら大変です。ですので、吊り戸を閉めている時も、開けている時も、フランスを落しを使って、固定されていると安心です。写真のケースでは、収納している時でも、フックを掛けて固定出来るようになっているので、良い例としてご紹介させて頂きました。一般には、閉めている時はフックを掛けられるようになっている、でも、収納する時には、フックが無い場合が多いです。購入されたお部屋に吊り戸がある場合、この部分がどうなっているかも確認して下さい。(426)
写真は、一戸建ての内覧会で、階段部分を撮りました。オプションで階段にカーペットを張っています。カーペットを張ると、階段を下から眺めて、暖かく、柔らかくなるように感じます。そして、実際に階段を踏んでも、滑りにくいし、音は静かになるし、足の裏は冷たくないし、良い点があります。強いて難点を挙げれば、掃除が面倒になる、ぐらいでしょうか。
仕事柄、戸建の内覧会に行きますが、意外に写真のように階段全てにカーペットを張ってしまうケースは少ないです。でも、見た感じ、歩いた感じ、良いな!と思いました。家の中で、一番大きな事故になるのが、階段のすべりによる落下です。事故を防ぐ為にも、階段にカーペットはいかがでしょう。(09)
写真は、一戸建ての内覧会で、2階の洋室からバルコニーへ出るドアを撮ったものです。ご覧頂きたいのは、赤い矢印の部分です。2階の洋室からバルコニーに出る際に、このドアを開きます。このドアをいっぱいに開けようとすると、ドアの取っ手が壁にぶつかってしまいます。取っ手が壁にぶつかれば、取っ手も壁も傷付いてしまいます。これでは問題です。それでは、こういう場合はどうしたら良いのでしょう?
解決方法は、ドアが壁にぶつかる前に止めてしまうか、壁にぶつかった時の為に緩衝材(例えばゴムの受け等)を壁に付けるか、この2通りです。壁にぶつかる前にドアを止めようとすると、床や壁にストッパーを付けることになります。ただ、この方法は条件が難しくなります。写真の場合には、壁とドアの取っ手、両方にゴムの緩衝材を付けることにしました。(911)
写真はマンションの内覧会で撮りました。写した場所は、ベランダの壁に設置されているガス給湯器を下から見上げたところです。ここでガスを焚いて水をお湯に変え、お風呂などに供給します。水とガスは、玄関横に置かれたメーターボックスから、床下を通って、外壁を立ち上がり、壁に空けた穴から運ばれてきます。ここで作られたお湯は、また、外壁の穴から、床下を通って、お風呂などに運ばれて行きます。
ですので、写真で示したように、ガス管、給水管そして給湯管、3種類のパイプの入る穴が壁に空けられます。パイプが入った穴の周りは、しっかりと隙間がないようにコーキングされなければなりません。給湯器が上にありますので、雨は入りにくいところではありますが、パイプの表面の結露水、外気、虫などが入る可能性があります。従いまして、内覧会では、ベランダに出て、給湯器の下から覗いてみて、パイプの周りにしっかりとコーキングがされているかも確認下さい。(224)
写真は一戸建ての内覧会で撮りました。写した場所は玄関前です。この家は大規模開発で分譲された建売り住宅の一つです。このような開発された場合、先ず、全体の整地がなされ、道路が作られ、その時に道路脇の雨水の側溝も設置されます。側溝には、間隔をおいて、このような雨水枡が置かれます。この家の場合、たまたま、雨水枡が玄関前に来てしまったわけです。家の細かい平面図を決める前に、道路が整備されるので、このようなケースも生じてしまいます。これではイヤだから、移して下さい、と言いたいところですが、ここは市の管理となりますので、無理な話となります。
この配置は仕方ないことなのですが、工夫が必要となるのは、この雨水枡にカギやお金が転がり込んだ場合の対策です。玄関ですから、カギを出します。出したカギが、すべって、階段をころころ転がって、この中に落ち込んでしまうことも考えられます。ここの中に落ち込んでしまったら、蓋は重いし、枡の底は泥が堆積しまうので、取り出すのは大変です。このようなことを防ぐためには、この枡の蓋の内側に、ネットを置いたら良いでしょう。ある程度目の粗いネットであれば、雨は中に落ちるし、カギやお金はネットの上に載ります。ここの家の場合も、売主に言って、目の粗いネットを蓋の下に敷いてもらいました。(131)
写真は戸建ての内覧会で撮りました。ご覧になって頂きたいのは、赤い矢印で示した部分です。お分かりにくいと思いますが、ここは外からの電力の引込線となっています。気になったのは、この引込線の一部が隣の敷地に僅か越境していることです。
上空であっても、電柱から引き込む配線は隣地に出ることはできません。 土地を所有することは地上権及び地下権も持ちます。地上権と言っても、飛行機や高圧線などは除外となりますから、常識的には高圧線の高さぐらいと考えれば良いでしょう。また地下権につきましては地下鉄を通すなとも言えませんので、そのあたりまでとなるでしょう。
戸建ての内覧会では、上の方なので分かりにくいですが、このような部分も確認して下さい。同じようなものとして植栽の枝などがあります。尚、越境してるどうかの基準点は土地の境界線となります。(528)
明るくて、気持ち良く入れるバスルームというのは、どのようなものでしょうか? まず、広さですが、これは、パンフレットに、「13・17」とか「14・18」とか「16・20」と書かれます。建築の寸法は、壁の芯と芯との距離を表しますが、バスルームだけ例外で、この数字は内法寸法となります。
例えば、「14・18」と書かれていれば、バスルームの中の内法寸法が1.4m×1.8mということです。最近では、「14・18」で照明2箇所が主流となってきています。「14・18」あれば、よほど大柄な人以外は、座って脚が伸ばせるサイズになります。これよりワンランク大きい「16・20」となりますと、家庭用のお風呂としては最大で、相当にゆったり感があります。ただ、照明も4箇所になりますし、お湯の量も増え、ランニングコストも上がります。
また、バスルームに付くシャワーホースも金属性が良いし、シャワーフックも、シャワーヘッドを好きな位置にスライドできるバー式の方が、子供の成長などを考えますと、使い勝手が良いでしょう。それから、照明の数も2箇所以上ある方が明るく暖かな感じになります。そして、お風呂の「ふた」ですが、クルクルと巻いていくタイプと、板状のパネルタイプのものがあります。クルクルタイプは、継ぎ目に汚れが出てきて、そこから切れ始めてしまいます。それに比べて、パネルタイプのものは、汚れにくい上、長持ちします。写真のバスルームのサイズは「16・20」でタマゴ型です。(710)