写真はマンションの内覧会の時に、キッチン背後の壁を撮ったものです。ご覧頂きたいのは、壁の真ん中辺りにある黒く見える小さな四角いものです。これは、お風呂のリモートコントローラーです。キッチンにいながら、お風呂の給湯もボタン一つで出来るわけです。
と、ここまでは、良いのですが、問題は、このコントローラーの位置です。なんで、こんな位置に付けたのでしょう?ここはキッチン背後の壁で、壁の左側は冷蔵庫置き場、右側は食器棚が来ます。そんなところに、そんなものがあっては、邪魔になるだけです。また、子供が遊んでボタンを押してしまうことも考えられます。
基本的には、スイッチ類は1箇所にまとめた方が、使いやすいです。1箇所にまとめる際にも、キッチンやリビングの壁は収納スペースとなりますので、使いやすく、邪魔にならないところにまとめるのが良いと思います。また位置が低いと子供が遊んでしまいます。マンションのモデルルームに行った際には、部屋の間取りや広さだけでなく、このようなスイッチ類等の小物の位置もよく確認されることをお奨め致します。どうしても位置が悪ければ、売主に相談して移動してもらうように依頼して下さい。(86)
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幅木を設けるか設けないか、どちらが正しいということはないのですが、私は、ここにも幅木があった方が良いと思っています。なぜなら、納まりがきれいだし、掃除機も壁にぶつけるでしょう。内覧会に行って、この部分に幅木がない場合は、「幅木を付けて頂くことは可能ですか?」と聞いてみて下さい。売主の返事が、「付けられません」であれば、それで仕方ありません。その場合には、自分で取り付けることも出来ます。この部分は引戸がありますので、厚い木製幅木はこすれてしまうこともあります。そんな時は、薄いソフト幅木であれば、接着剤で付けられますので、簡単です。壁の最下部に幅木があった方が、壁が傷つきにくくなります。真っ白い幅木はキズが目立ちやすいので、少し色が付いているのが良いでしょう。
幅木の種類は、大きく分けて2種類あります。一つは厚みのある木製幅木(厚さは7㎜程度、木製でなく樹脂製もある)、もう一つは薄いソフト幅木(厚さは2㎜程度、材質はビニール系)です。上の写真で、赤い矢印はソフト幅木、緑の矢印は木製幅木です。木製幅木は釘で、ソフト幅木は接着材で壁に取り付けられます。ソフト幅木は戸袋、トイレ、洗面所などに使われます。(81)
写真は、マンションの内覧会で撮ったものです。このパイプはマンションの外壁に設置されている塩化ビニール製の雨樋です。雨樋をよくご覧頂くと、表面に細いひび割れが入っているのが分かります。この樋は共用廊下に降った雨水を排出するものですが、建物の壁の外側にありますので、マンションの共用部になります。
内覧会では、どうしても、自分の部屋の中だけに集中しがちですが、共用部もマンション全住民の共有財産です。部屋の外に、このような不具合を見つけた場合には、当然、売主に直すように指摘すべきです。共用部であっても、傷がある状態で引き渡されたら、困るのは住民です。各部屋のバルコニーやアルコーブなども共用部ですが、ここには、専用使用権、というのが与えられています。ですので、不具合は専有部と同じように指摘して、補修してもらうべきです。(611)
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一般の買主が地盤報告書を見ても、地盤の状況を判断することは困難かもしれません。でも、地盤報告書の所見は必ず目を通して下さい。所見の結論は何を言ってるか、また、その結論に従って、実際の基礎工法が定められているかがポイントです。具体的には、➀所見の結論は何か、また、実際の基礎はその通りになっているか ➁丁寧に分かりやすく書いてあるか ➂そこの地盤だけでなく、周辺も検討しているか ➃異常値が出ていた場合、その原因究明をしているか、このような項目です。
東日本大震災では、地域によっては液状化が激しく、地盤の沈下が見られました。地盤調査報告書を見れば、液状化の可能性も分かります。液状化の可能性が高ければ地盤改良や杭が必要となります。従い、地盤調査報告書は極めて大事なものですので、売買契約の前に確認しておくこと、そして売主からコピーを入手しておくことも重要です。
写真はマンションの内覧会で撮りました。写したところは、バスルームの天井の点検口を開けて、天井裏です。LGSランナーとは、壁を取り付けるための軽量鉄骨の骨組みです。
ここでご覧になって頂きたいのは、矢印で示した黒色の電気ケーブルカバーです。ここにケーブルカバーを取り付けた理由は、ケーブルとLGSランナーとが接してしまうからです。それぞれが接していると、建物は地震などで揺れますから、長い間には、支障が出る可能があります。それを防ぐために、カバーをしています。気をつかっているな、と思いました。(11)
写真は、建売住宅のグルニエ(屋根裏収納)を写しました。グルニエとは、フランス語で屋根裏部屋のことです。ロフトと似ていますが、ロフトとは天井高を高くして、部屋の一部を2層式にした上部スペースのことを指します。グルニエとは屋根裏を利用した収納スペースになります。
グルニエは、建築基準法上、小屋裏物置等という扱いになります。面積は下の階の2分の1以下、天井高は1.4m以下、小屋裏に出入りするためのハシゴは固定式でないこと、などの規制があります。そのため取り外し可能なはしごをかけたり、折り畳んで収納できるタイプのはしごを取り付けたものがよく見られます。
このグルニエで気に入ったのは、手前の手すりです。一般には、ここに手すりが無い場合が多いです。元々、ここにも手すりは付いていなかったのですが、ここの買主が安全性を考慮してオプションで付けました。ホームセンターで手すりを購入して自分で付けることもできます。この手すりの役目は、グルニエに上がる時、そして降りる時、役に立ちます。特に、グルニエから降りる際は、危険ですので、この手すりが有効です。そして、この手すりの更なる役目は、グルニエに置いた荷物などが下に落ちるのも防いでくれます。(0322)