写真は戸建ての内覧会で撮りました。この建物は3階建てで、写したところは、1階の駐車場です。ご覧になって頂きたいのは、基礎の立ち上がりで、少し黒く湿っている部分です。ここは上から水が漏れてきた跡です。この駐車場の2階部分は台所となっています。内覧会なので、台所の水を出したら、排水管に穴が開いていて、そこから水が滝のように漏れ出したわけです。
幸いに、排水管の穴の位置が壁側だったこと、また、台所の下は駐車場だったので、水が漏れても被害は少なかったと言えましょう。なんで、排水管に穴が開いていたのか?理由は、駐車場の天井を取り付けるための下から打った釘が排水管に届いてしまい、穴を開けてしまったことでした。排水管ですから、住む前に気が付いて良かったことになります。
内覧会に行きましたら、売主に確認をして、水道も全て出してみることが大事です。水を出して、見られる範囲で、排水経路に沿って、漏水がないかを確認すべきです。キッチンや洗面台なら、下の扉を開けて見る、トイレなら便器周りを見る、お風呂なら床下点検口を開けて見る、このような点です。(38)
一戸建ての売買契約時に、買主として入手すべき建築図書(図面や書類)が揃っているかを確認します。売買契約書や重要事項、平面図や立面図、これらは一般的に売主が買主に渡しています。しかしながら、家の地盤の状態や骨組みは見えないので、これらが分かる資料も買主は保管しておくべきです。内覧会で家を検査する以前に、買主が入手している建築図書の内容を確認し、以下の図書が無いようであれば、売主に対し、提出するように要望すべきです。以下に、その内容を記します。
1.一般的に配布される建築図書
・売買契約書関連(需要事項説明書等)
・確認申請及び確認済証
・地積測量図、配置図、各階平面図、立面図、設備図(電気、給排水)
・仕様書(外装、内装、設備にどういう材料を使ったかを書いたもの)
2.一般的に配布されていないケースが多い建築図書
・地盤調査報告書:地盤についての調査結果です。中に、考察があることも確認要。
・地盤改良報告書:地盤を改良した場合、その内容について書いたもの。
・矩計図(かなばかりず):家の断面詳細図。
・構造図:各階別に家の骨組みの状態を示したもの。
・壁量計算書:建物の風及び地震に対する強さを示したもの。
・構造計算書:建築基準法では3階以上は構造計算することになっている。
・外構図:庭の状態を示したもの。
2に示した建築図書は、少し専門的になりますが、外からは見えないところを表していたり、家の強さ等を証明する重要なものとなりますので、売主から入手して保管しておくべきものです。(32)
写真は、注文戸建の内覧会で撮りました。ご覧頂きたいのは、壁に設置されている手すりです。感心したのは、上下2重に手すりを取り付けたことです。上は大人用、下は子供用ですが、安心感があります。子供の目線にも合わせた気遣いと思います。このような上下の手すりは駅の階段などでも見受けられます。
「なるほど、これはいい!」と思いますが、意外とこのようにしている家は少ないです。やはり、どうしても、大人の目線になってしまうからでしょうか?家の中で、最も事故が多いのが階段とお風呂です。特に、階段の場合は、大きな事故につながりやすいです。こうしたところには、家族全員の安全を考える、大事なことだと気付かされました。(22)
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バスタオルを掛けるには、ハンガーパイプが便利です。ただ、パイプを取り付けるためには、壁に下地が入っていないとしっかりと支持金物を取り付けることが出来ません。後から下地を入れることは大変なので、既にある柱や間柱に取り付けることになります。柱や間柱の位置を知るのが分からない場合には、施工業者に取付けお願いするのが良いでしょう。施工業者はどこに柱や間柱が入っているのか知っているからです。
洗面所内にパイプを取り付けますと、バスタオルだけでなく、洗濯物も干せます。洗濯機に近いので、干すのも楽です。内覧会に行きまして、バスタオル掛けがない場合、このような要望を売主に言えば、付けてくれるかもしれません。また、自分でパイプを買ってきて、付けてもらうことも出来ます。パイプはホームセンターで2000円程です。壁と壁との内法を測って、その長さマイナス1㎝でパイプを切ってもらえば良いでしょう。マンションの場合には、まず、バスタオル掛けは付いていますが、通常、1本分だけです。家族が多い時はこれでは足りません。その場合、洗面所にこのようなパイプを後から付けると便利です。但し、長めのビスで、下地のあるところに付けて下さい。(10.3)
(約24.24坪:坪数を出すには0.303を掛ける)
ポーチ面積(アルコーブ) 4.00平方メートル
バルコニー面積・・・・・・・・ 20.00平方メートル
MB(メーターボックス)面積 1.00平方メートル
室外機置場面積・・・・・・・・ 1.00平方メートル
まず、住居専有面積ですが、部屋の壁の中心線で囲まれた面積となります。壁の中心線ですから、壁の厚みも半分入っています。これを壁芯面積(かべしん)と呼びます。もう一つ内法面積と呼ばれるものがあります。これは壁の内側部分だけを床面積とする計算方法です。この場合、壁の面積は入りませんので、「壁芯面積」より数平方メートル少なくなります。建築基準法に基づくのは「壁芯面積」、不動産登記法では「内法面積」で登記されます。一般的に部屋の広さを言う場合は、建築基準法上に基づきますので、壁芯間の面積となります。
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一戸建て住宅の契約をしますと、売買契約書、重要事項説明書、平面図、立面図、断面図、仕様書などいろいろな図書を売主から渡されます。今回は、一般に売主が買主に渡さない図面で、買主として入手しておくべき図面を紹介します。
それは、矩計図(かなばかりず)で、家の断面詳細図です。そのサンプルが左の図面です。矩計図とは、家を縦方向に切って、横から眺めたものです。屋根の構造、断熱材の仕様、家の1階や2階そして全体の高さ、床の組み立て方、基礎の仕様、大事なポイントが全て描かれています。この図面は家の基本的な構造を1枚に収めていますので、構造が分かりやすいこと、そして将来のリフォームを行う時などにも役に立ちます。
注文でも建売でも、一戸建て住宅などを購入される際には、「矩計図」を見たいのですがと言ってみて下さい。そして、それを見ながら家の構造を売主に説明してもらう、説明が終わったらその図面をもらっておく、こうしても良いでしょう。すぐに矩計図が出てくるか、矩計図をしっかりと説明できるか、売主の実力も分かります。そして、家が完成して、内覧会に行かれる際には、この矩計図もご持参下さい。
写真は注文戸建住宅の内覧会で撮りました。構造や断熱仕様は非常に立派ですが、写真のレンジフードだけは、気になる点がありました。それは、レンジフードの高さです。写真に記載したように、レンジフードの高さが、床から165㎝となっています。これでは、身長が165㎝以上ある人の場合には、頭がぶつかってしまいます。このレンジフードは空気を引き込む本体が大きくフラットなので、余計に邪魔になってしまいます。
売主に、「これでは、背の高い人には、頭がぶつかって、使い勝手が悪いでしょう」と言ったら、「この高さが当社の標準です」との返事でした。名のある会社とは思えないものでした。標準的なキッチンの高さは床から85㎝です。消防法では、ガスレンジからレンジフードまでの高さは80㎝以上と取り決めています。このキッチンでも、ガスレンジからレンジフードまでは80㎝で、その点はクリアしています。そうなると85+80で165㎝となるわけです。法律的には問題はないのですが、このような吸い込み口が大きなレンジフードでは問題が出てくるわけです。
ガスレンジを使うたびに、頭をかがめて使わねばならないのでは、我慢できるものではありません。売主に対しては、「これでは問題なので、レンジフードを10cm以上、上げるように」と指示しました。マイホームを購入する際には、レンジフードの高さまで気にしないと思いますが、確認しておいた方が良い点と思います。(159)
写真は、マンション室内のトイレの壁をはがしたところを撮りました。手前がトイレで、管(青いテープ部分)の先の手前に便器が来ます。便器からの排水は先端に青いテープを貼った管から、奥の茶色の縦管、そして地下の処理槽にいきます。トイレの壁がはがされているので、中の構造が良く分かります。
実はこのトイレは、汚水が漏れ出す、という欠陥があって、そのために、張った壁を全てはがしてみた所です。汚水が漏れ出した原因は、汚水管のエルボ(写真で90°に曲がっているつなぎの部分)の接合部に、施工業者が接着剤を入れ忘れたのです。ただ、汚水管を突っ込んだ状態になっていたわけですから、当然、そこから、汚水が滲み出てきます。トイレの周りの床や壁は、取り外し、クリーニング、消毒、再度、新品でやり直しとなりました。この家の住人は、住み始めて1週間で、「なんで私の家がこんなことに!」と言ってました。
内覧会の時には、このような水漏れというのは発見しにくいのですが、水を流して様子を見て下さい。漏水していても壁の向こう側では分からないかもしれません。でも、トイレの水も流してみて、汚水管の周りを触ってみる、周りの壁にも触れてみて、湿気てないか、このようにしてみると分る場合もあります。そして、お住まいになっても、壁が湿気てる、臭うなど異常を感じたら売主にすぐ言って下さい。(64)
写真はマンションの内覧会で撮りました。写したところは、バルコニーに設置されているシンクの水道の外壁から出てきているところの継ぎ目部分です。継ぎ目の下の方に、小さい水滴が見えます。内覧会に行き、ベランダに出てみたら、壁に水滴があるので、気が付きました。すぐに水道を出してみると、水漏れしているので、売主を呼んで、その場で修理をさせました。バルコニーの水道についてはそれほど注意を払いませんが、このようなこともありますので、やはり、水を出して様子を見て、確認が要ります。マンションでの水漏れ事故は大惨事になることもあるので、特に注意が必要です。
内覧会では、一般的には、水道は出ますので、全て出してみてチェックするのが良いでしょう。水道の栓をひねっても水が出ない場合には、一応、売主に元栓を開けて良いかを確認してから、それぞれの水道栓を開けた方が良いでしょう。(726)
写真はマンションの内覧会で撮りました。ご覧頂きたいのは、白い矢印のところです。この引き出しがスムーズに引き出せないのです。引き出そうとすると、矢印の部分で枠とこすれてしまうのです。3枚の引き出し全部がこすれてしまうので、3枚とも青い付箋を貼ってます。
一般的に、キッチンの左端は、写真のような引き出しで右端はスパイスラックの場合が多いです。内覧会に行きましたら、キッチンや洗面台等、付いている引き出しがちゃんといっぱいまでスムーズに引き出せるか、全て確認して下さい。(109)
写真は、都内のマンションの屋上に設置されている給排気ファンを撮ったものです。このマンションは、15階建てで、内廊下タイプとなっており、このファンで廊下等共用部分の給排気を行っています。この給排気ファンが設置されている直下の部屋を購入された方の内覧会を1年ほど前に同行させて頂きました。
この方から、最近、このファンの騒音が気になる、という相談がありましたので、お部屋にお伺いしました。部屋に入ってみると、グングンとファンが回転している音が伝わってきます。夜中になれば、気になる騒音と思いました。これでは問題だ、ということで、売主に対し、対策を取るように書面を提出しました。具体的には、機器の下に防振ゴムを設置する、そしてファンの稼働時間を少なくさせる、こういう内容でした。
この方も上から騒音が来ないからという理由で最上階を購入しましたが、こういうことが起きるとは考えてもみませんでした。マンションで、最上階を購入される方は、自分の住む部屋の上に何があるのかも確認された方が良いと思います。