写真は戸建ての内覧会で撮りました。写したところはリビングの窓枠のサッシ部分です。ご覧頂きたいのは、青い矢印部分で、ビスの締めが甘いと書いてあるところです。
窓のサッシは周りの木の枠(額縁と呼びます)にビスでしっかりと固定されねばなりません。ビスが緩んでいれば、サッシもしっかりと額縁に取り付けれていないということになります。また、ビスが十分に締めてなくて、ビスの頭が出ていると、サッシを閉めた時に、窓枠がビスの頭に当たることもあります。サッシがビスに当たりますと、サッシは傷つきます。
内覧会に行きましたら、ビスがちゃんと全てのビス穴に入っているか、ビスが十分に締められているか、ビスが曲がって締められていないか、こういう点をチェックして下さい。ビスの数は多いので大変ですが、大事な点です。(4511)
写真は、戸建の内覧会の時に、キッチンの水道の水栓をひねって、思いっきり水を出してみたところです。マンションでも戸建でも、内覧会の時には、全ての水道の栓を開けて、水を出してみましょう。シャワー水栓があれば、切り替えもします。そして、暫くの間、水を出しっぱなしにしてみて下さい。
水を出しっぱなしにしながら、水が勢いよくきれいに出るか、水栓がどこの位置でも安定して止まっているか、蛇口以外の所から水が落ちていないか、このような点もチェックして下さい。シャワーにした方が水圧がかかるので、チェックしやすくなります。そして、水を出しながら、キッチンシンクの下の扉を開いて、給水栓、配水管、この周りを漏水がないかを確かめておきましょう。見方は、水滴が落ちていないか、それから手で触って、濡れていないかを確かめます。
水を出して、全体の確認が終わりましたら、シンク内の濡れはふき取っておくと良いでしょう。濡らしたままにしておくと、水の塩素分がシンクに残り、水アカとなって汚くなります。いずれはそうなりますが、引越して来る時は、全てがピカピカの方が気分も良いでしょうから。基本的には、鍵の引渡しまでは、水道代も電気代も売主負担ですから、内覧会では、遠慮なくチェックして下さい。(71013)
写真は都内のタワーマンションの内覧会で撮りました。ご覧頂きたいのは、水栓の蛇口から出ている水の角度です。このマンションは1年程前から売り出され、既に住んでいる人もいますが、住民からのクレームの一つにシャワーにすると水が撥ね過ぎるというものがあります。
これは、食器洗いをしていると、シンクの底で撥ねた水が、自分の方に飛び散ってくるというものです。水栓は外国製でシャレたデザインなのですが、水の出口である蛇口の向きが、もう少し下向きであれば良かったと思います。これを直すには、蛇口の手前に向きを変えるものなどを入れるしかないでしょう。
マンションのモデルルームに行きましたら、キッチンの水栓の水も出してみましょう。シャワーにしても撥ね過ぎないか、シンク内だけでスムーズに流れていくか、確認した方が良いと思います。(09)
内覧会で洗面所に入りましたら、まず、床を見てみましょう。床の仕上げ材はいろいろありますが、CFシート(クッションフロアー・長尺ビニールシート)張りが一般的です。このシートは、台所、トイレなど、主に「水まわり」の床に使われています。CFシートとは、厚さ2㎜ほどのビニール製で、水をこぼしたり、汚したりしても、滲みにくく、サッと拭け、水まわりの床に適しています。また、クッションフロアーという名称から、柔軟性、保温性、防音効果にも優れています。ただ、難点は表面が柔らかいので、何かを落とした時などには弱いことです。
写真は、内覧会で、洗面所の床に貼られているCFシートにキズがありましたので、その箇所を撮りました(指先の箇所です)。このCFシートは床の下地が出来たら張られます。そして、洗面台や収納などは、このシートが張られてから、その上で取付工事を行います。ですので、工事によるキズが付きやすいわけです。
このようにキズが付きやすいものなのですが、更に難点なのはキズの補修が困難なことです。ですので、少しでも切れてしまえば、張り直す以外にありません。張り直すと言っても、洗面台などの下にありますので、もう一度、全てをどかして、張り直さなければなりません。
それでは、写真のようなCFシートのキズを内覧会で見つけた場合にはどう対応すれば良いのでしょうか?対応の仕方は、傷の程度にもよりますが、写真のように下まで切れてしまっている場合には、シートを新しいものに張り替えてもらうべきでしょう。切れてなくて、多少のへこみぐらいなら問題ないでしょう。(7103)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/93/59c28e9523ff6f56fb455497cc061256.jpg)
例えば、写真のように収納の上部に棚があって、その棚板の下にハンガーパイプが取り付けられている場合を考えてみましょう。天井から棚板は直接見えますので、棚板は実線、その下にあるハンガーパイプは点線となります。但し、複数の棚板がある場合には、全部を描き表せないので、枚数が表示されます。また、天井から見たことにしますと、梁があって、壁の厚さが分からなくなりますので、壁は実線、梁や下り天井(さがりてんじょう)は点線で表されます。
間取り図では、以上のように、実線と点線とが入り乱れて描き込まれます。大体、人の目の高さで切って、下を見て、見えるものは実線、隠れているものは点線、と考えれば宜しいでしょう。その位置で見上げると、梁や下り天井は見えますが、ここは壁を優先しますので、壁は実線、梁や下り天井は点線となるわけです。
写真は、戸建の内覧会でレンジフード上部のカバー(幕板:まくいた)を外した状態です。レンジフードの排気ダクトの断熱材の状況を確認するために、幕板を外させました。中を確認しますと、断熱材は隅から隅まで巻かれているし、壁との取り合いも気密テープが貼られていますので、これでOKとなりました。
通常、レンジフードのダクトは、亜鉛鉄板製で直径15㎝のスパイラルの丸ダクトが使われます。アルミのダクトは高温になるため使用されません。消防法では、熱源がガスであれば、排気ダクトを周りから10㎝以上離すか、金属以外の特定不燃材料(例えばロックウール)で50㎜(認定工法の場合は50㎜以下でも可)以上で巻くことと定めています。
戸建の内覧会では、レンジフードの上部の幕板も外して、中の排気ダクトの断熱材の状況も確認した方が良いでしょう。写真のように、しっかりと断熱材そして気密テープが貼られていれば良いでしょう。そして、売主に、断熱材の仕様と厚さも聞いてみて下さい。断熱材の巻き方が不十分だったり、気密テープが貼られていない場合には、その旨指示すれば良いです。また、熱源がIHの場合には、消防法では規定はありませんが、熱を使うこと、将来ガスに変える可能性もあることなどから同じように断熱しておいた方が安全と思います。(12.9)
写真は、マンションの2年目点検で、クロスの不具合を指摘し、補修しているところです。マンションでも一戸建てでも、アフターサービス期間は、通常、引き渡しから2年間です。マンションの場合、管理組合から、3ヶ月目(半年目もある)、1年目、2年目にアンケートが各住戸に配布され、不具合を書き出すように依頼されます。
アフターサービス期間中に多く出る不具合は、床鳴り、クロスの浮きや開きやよじれ、建具などが多いです。アフターサービスでは、一般的に、室内のクロスや床のキズや汚れは対応しませんが、気になる不具合は、アンケートに記載し、売主と相談するのが良いでしょう。アフターサービスは、2年が過ぎますと、適用されなくなりますので、なるべく、2年目点検時に言うことが大事となります。お住まいになって、不具合に気が付いたら、付箋を貼っておくと、アンケートに記載しやすくなります。(810)
写真はマンションのベランダから部屋の外壁側を撮ったものです。壁の内側には洋室1と洋室2があります。洋室1にも洋室2にもエアコンは設置するようになっているのですが、エアコンのスリーブ(エアコンのパイプ類を室外機と結ぶ壁の貫通孔)が1箇所(赤い矢印部分)しかありません。
なんで、1箇所しかないのでしょう?これは、単純に売主が設置するのを忘れたのです。ここでは、外壁に、洋室1用及び洋室2用と、スリーブが2箇所設置されなければなりません。こういうウッカリミスもあるのですね。勿論、もう1箇所スリーブを設置することになりました。
これらの部屋のエアコンの室外機はマルチタイプとして写真の壁際に設置されるように計画されています。マルチタイプとは1台の室外機に対して複数の室内機が接続できるエアコンです。写真の部屋の場合には、1台のマルチタイプの室外機に対して、洋室1及び2用として、2台の室内機が接続されます。マルチタイプであっても、スリーブは2箇所必要となります。
マンションの内覧会に行きましたら、エアコンのパイプがちゃんと室外機に接続されているようになっているかも確認下さい。特に、写真のような部屋、また、中和室のように、他の部屋を通って、パイプが室外機に接続されている場合には、注意が必要となります。(8919)