写真は、戸建の内覧会でレンジフード上部のカバー(幕板:まくいた)を外した状態です。レンジフードの排気ダクトの断熱材の状況を確認するために、幕板を外させました。中を確認しますと、断熱材は隅から隅まで巻かれているし、壁との取り合いも気密テープが貼られていますので、これでOKとなりました。
通常、レンジフードのダクトは、亜鉛鉄板製で直径15㎝のスパイラルの丸ダクトが使われます。アルミのダクトは高温になるため使用されません。消防法では、熱源がガスであれば、排気ダクトを周りから10㎝以上離すか、金属以外の特定不燃材料(例えばロックウール)で50㎜(認定工法の場合は50㎜以下でも可)以上で巻くことと定めています。
戸建の内覧会では、レンジフードの上部の幕板も外して、中の排気ダクトの断熱材の状況も確認した方が良いでしょう。写真のように、しっかりと断熱材そして気密テープが貼られていれば良いです。そして、売主に、断熱材の仕様と厚さも聞いてみて下さい。断熱材の巻き方が不十分だったり、気密テープが貼られていない場合には、その旨指示すれば良いです。また、熱源がIHの場合には、消防法では規定はありませんが、熱を使うこと、将来ガスに変える可能性もあることなどから同じように断熱しておいた方が安全と思います。(29)
写真は一戸建ての確認会で撮りました。確認会とは、内覧会で指摘した不具合が補修されて、その完成具合を確認する日です。この家の場合、内覧会が2週間ほど前に行われ、その際に、樋の延長と雪止め金具を設置するように指示しました。
樋の延長につきましては、屋根から鉛直に降りてきている樋の矢印部分をご覧下さい。ここで茶色の樋は後から付け足した部分です。内覧会の時点では、樋は白色部分だけでした。白色部分だけですと、屋根に相当量の雨が降った場合には、そのまま樋を落ちて来るので、雨の勢いが強く、樋の先端から雨が噴き出すようになります。そうしますと音もしますし、隣の家の庭にも、雨が撥ね飛ぶ可能性があります。それを防ぐために、茶色の樋の部分を延長し、軒樋につなぐようにしました。
また、もう一つの矢印で示した雪止め金具につきましては、内覧会の時点では、ここの屋根には雪止め金具は付いていませんでした。雪止め金具とは、屋根に降った雪が、融けて落ちる際に、大きな塊で落ちて、人の上に落ちたり、樋を壊したりしないようにするためのものです。屋根に雪止め金具を付けるかどうかは、屋根の種類、向き、勾配などによって決まります。この屋根は北側に向いてますので、安全のため、雪止め金具を設置するように、内覧会で指示しました。
以上のような指摘事項は、一般の方には、ちょっと難しいかもしれません。でも、家の周りを見回して、疑問に思った事項があったら、売主に確認してみることが必要となります。(3826)
写真は、戸建の確認会で撮りました。写したところは、2階のバルコニーです。ご覧頂きたいのは、バルコニーの手すり壁で、矢印で示している戸当たりゴムです。確認会に先立って行われた内覧会では、この戸当たりゴムは付いていませんでした。
この戸当たりゴムを付けた理由は、ドアを開けた際に、ドアの取っ手が壁にぶつかるからです。ぶつかれば、ドアの取っ手も壁も傷みます。ぶつかるところにゴムを付ければ、緩衝材になりますので、当たっても問題はありません。一戸建ての場合、写真のような状況は、稀にあります。内覧会で、状態を見て、気になる場合には、売主に対し、上記のような対策をしてもらうことをお勧めします。(12.4)
写真は戸建ての内覧会で撮りました。写したのは、玄関のドアをいっぱいに開けた状態です。玄関ポーチの周りには手すりがあります。わかりにくいのですが、ポーチの床には、玄関ドアが手すりに当たらないように、戸当たりが付いています。黄色の字で、「ドアが戸当たりに当たらない」と書いてある↑の先です。
本来なら、玄関ドアは、手すりに当たらないように、戸当たりに先に当たらなければなりません。写真のケースでは、手すりに先に当たってしまうので、勢いよくドアを開けると、手すりに当たってしまって、ドアも手すりも傷つく、ということになります。これでは、何のために床に戸当たりを付けたのか、分からなくなってしまいます。
内覧会に行きましたら、このような箇所も確認してみて下さい。玄関ドアは、スムーズに開くか、万が一、開き過ぎた場合に支障はないか、このような点です。(312)
写真はマンションの内覧会で撮りました。この部屋を購入された方はIT関連でした。神経を使うお仕事です。その方が、「是非、バスルームを見て下さい!」と言って、案内されたのが、このバスタブです。中に入って、一瞬、ウーム、これはなんとも・・・となりました。
バスルームで、天井の照明を消すと、バスタブ内にセットされた照明器具から、きれいな青白い光がバスタブ内に広がります。これがヒーリングライト、癒やしの灯り、です。音楽も聴けるようになっています。写真ではお湯は入っていませんが、仕事から帰って、バスタブにお湯を入れて、天井の照明を消して、好きな音楽をかけて、バスタブでゆっくりと手足を伸ばしてみる。そうすると、心と身体の疲れは癒され、明日への活力が生まれて来るのでしょう。
「少し値段が張ったけど、これで疲れが癒されれば安いもんだと思って、ささやかな贅沢です」と買主さんは言ってました。ささやかな贅沢、これがないと人生つまらないですよね。マイホームのオプションも実用的なものだけでなく、自分だけのささやかな楽しみを持つのも、大事なことだと思えてきます。(8.11)
写真は戸建の内覧会で撮りました。写した場所は、1階から階段を上がって、2階に着いた廊下の部分です。この廊下の手前右側には洗面台とトイレがあり、左側も右奥も洋室になっています。ここの廊下の部分にオプションで、廊下の幅を広くして、カウンターを設置しました。カウンターの向こうは1階にあるリビングの吹き抜けとなっています。
このカウンターの設置、グッドアイデアでと思います。子供の勉強にはもってこいの場所となります。リビングやキッチンは1階ですので、吹き抜け越しにお母さんと話が出来ます。ここに本を並べておけば、家庭内図書館という感じになります。廊下だけですと、殺風景ですが、カウンターがあって、そこにオシャレな椅子などを並べたら、随分と暖かな空間となるでしょう。ただ、子供の空間となりますので、万が一でも、遊んでいて落下しない様にしておかなければなりません。(18)
写真は戸建の内覧会で撮りました。ご覧頂きたいのは、部屋の天井に取り付けた白いピクチャーレールです。このピクチャーレールは、壁から約10㎝離して付けてあります。ピクチャーレールですから、何かを吊るすわけです。これでは、吊るすものが壁から離れてブラブラして安定しないし、邪魔でもあります。なんで、こういうことになるのか、どう考えても不思議です。
そこで、付けた業者に聞いてみました。イヤー、これは間違いました。付けた作業員が訳が分からず、壁に沿って付けろ言われていたので、こうなってしまったのでしょう。誠に申し訳ありません、とのこと。この家の買主も、ここの部屋の壁に沿って、ピクチャーレールを依頼しましたが、これではちょっとね…と苦笑いでした。
オプションでピクチャーレールを付ける人は結構います。写真の例は極めて稀なケースですが、ピクチャーレールを付ける際に、確認すべき点をいくつか書き出してみます。
・どこの部屋に何mのピクチャーレールを付けるのか。
・天井に付けるのか、壁に付けるのか、またどちらにしても、真ん中、左側など、どの位置に付けるのか。
・後付なのか、先付けなのか。先付けとは、天井を少し欠いてレールを天井内入れ込んでしまうものです。
私としては、天井の隅から隅まで先付けをお勧めします。これが最も見栄えが良いし、壁のどの位置にも吊るせます。通常、ピクチャーレールを取り付きる専門業者が付けるので、写真のようなことは起こりにくいですが、やはり、付ける際には、上記の点などを確認した方が安全と言えます。(32)
写真は、戸建の内覧会の後の確認会で撮ったものです。確認会とは、内覧会で指摘した不具合の補修の出来具合を確認するものです。ここでご覧頂きたいのは、矢印で指した手すりです。この手すりは内覧会の時は、付いていなかったのですが、ロフトへの上り下りの際の安全のために付けてもらいました。ロフトとは天井を高くして、部屋の一部を2層式にした上部スペースのことを指します。建築基準法上、物置という扱いになりますので、面積は下の階の2分の1以下、天井高は1.4m以下、小屋裏に出入りするためのハシゴは固定式でないこと、などの規制があります。
このロフトへの上り下りにはハシゴを使いますが、安全上、気を使う点があります。それは、手すりが不十分であることです。上っていく際には両側にハシゴの手すりがありますが、上りきってロフトの床の乗ろうとする際に、持つべき手すりがないというケースがほとんどです。また、ロフトから下りる際も、つかまるところがありません。これでは、荷物を持って上り下りする際は、恐いと感じるでしょう。
こんな理由から、矢印で指した手すりを設置しました。ここに手すりがあれば、高い位置で、つかまるものがあるので、安心となります。ロフト付きの家を購入する際には、この手すりの設置もお考え下さい。下地の位置が分かれば、自分でも設置することは出来ます。(419)
写真はマンションの内覧会で撮りました。写したところは、ウォークインクローゼットです。ここでご覧頂きたいのは、「この空間が使えない!」と書き込んだ部分です。この状態では、ハンガーパイプの上の空間が使いようがありません。
奥の方にもハンガーパイプがありますが、このパイプの上には棚があります。棚があれば、この上に収納できます。でも、右側のハンガーパイプの上に、棚はありませんので、この空間が無駄になってしまっているわけです。収納スペースはいくらでも欲しいので、ハンガーパイプの上に、棚を付けてくれれば良いのに、と思います。
収納の中の構造については、関心も少ないし、分かりにくいので、状態を充分に把握していない場合が多いです。間取り図やモデルルームで、収納の中の状態、ハンガーパイプの位置、棚板の有無と位置、固定棚板か可動棚板か、棚板の枚数、これらを確認しておくことが大事となります。(18)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/f7/8b392a06149775f1b6361ccfda9e241b.jpg)
内覧会に行って、この部分に幅木がない場合には、「付けて頂くことは可能ですか?」と聞いてみることです。それで、売主の返事が、「設計上付けていないので付けられません」ということであれば、それで仕方ありません。幅木の取り付けを売主に聞いてもダメだった場合には、自分で取り付けることも出来ます。この部分は引き戸がありますので、厚い木製幅木はこすれてしまうこともあります。そんな時は、薄いソフト幅木であれば、接着剤付のを売ってますので、貼り付けは簡単です。壁の最下部に幅木があった方が、壁が傷つきにくくなります。真っ白い幅木はキズが目立ちやすいので、少し色が付いているのが良いでしょう。(81)