まい・ふーりっしゅ・はーと

京都発。演奏会や展覧会、読書の感想などを綴っています。ブログタイトルは、ビル・エヴァンス・トリオの名演奏から採りました。

群ようこ 「かもめ食堂」を読んで

2009-12-12 19:14:53 | book

私は、大ヒットした映画の方が先。 「これは、ぜひ原作も読むべし!」と選んだ一冊です。
というわけで、以下、映画では描かれていなかった部分を中心に、ブログに書いてみました。

            *  *  *  *  *

● サチエさんは、なぜフィンランドを選んだのか?
サチエさんのお父さんの道場に、フィンランド人の青年が修行に来ていたのがご縁です。
お母さんが亡くなる前にも、家族三人でフィンランドを訪れたことがあったそうです。

● サチエさんの資金源は?
サチエさんは、大学卒業後、大手食品メーカーに就職。 その後、せっせと貯金に励みます。
そして、天性のくじ運をほこる彼女は、年末ジャンボ宝くじで1億円を当ててしまうのです!

● サチエさんはこども店長?!
ヘルシンキの「偵察隊」のおばさん連には、小柄なサチエさんはこどもに見えるようです。
開店したての「かもめ食堂」のことを「こども食堂」と呼んで、じろじろと観察しています。

● トンミ・ヒルトネンの失恋?!
「かもめ食堂」の第1号のお客さんの青年。 実は彼、サチエさんに好意を抱いていました。
ところが、サチエさんの実年齢(38歳)を聞いて、大ショックを受けてしまうのです。

● フィンランドに来る前のミドリさん
天下り役人の温床のような会社に、親の薦めで就職。 ふと気が付けば、独身42歳。
ところが、ある日突然、会社は解散。 老後の世話を懸念する兄弟の手前、つい口に出たのが…

● マサコさんのおにぎり論
おにぎりのように、人の手で直接にぎるものは、その家の味があり、その人(柄)が出る。
だから、サチエさんのおにぎりは、とってもおいしい。 私も、お母さんのが一番好きです!

● きのこ中毒になったマサコさん
森で見つけたきのこをカップ麺に入れて、いっしょに食べてしまったマサコさん。
「らいりょうぶ(大丈夫)らと思います」とは言うものの、ろれつが回っていません?!

● サチエさん強盗に襲われる!?
閉店後、後ろから羽交い絞めにされたサチエさん。 けれど、彼女には武道の心得が。
一瞬のうちに相手をねじ伏せ、退治してしまったのです。  一躍、地元のヒロインに!!

            *  *  *  *  *

こういう下地を踏まえた上で、もう一度、映画を見直すのも面白いかもしれません。
それにしても、現地調達のエキストラさんも含めて、キャスティングが実に見事だと思います。

Kamome

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6 コメント

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ああ、『かもめ食堂』いいですよね~。 (ふゆ。)
2009-12-13 01:35:34
ああ、『かもめ食堂』いいですよね~。
私は映画しか観ていないんですけど、原作もあるんですね。
活字で読んでもおいしそうなんでしょうね。
 
ayachinさんは『すいか』というドラマはご覧になったことはありますか。
『かもめ食堂』と雰囲気が似てますよ(キャストも)。
 
返信する
視覚的な効果は映画にはかないませんが、確かに「... (ayachin)
2009-12-13 09:34:16
視覚的な効果は映画にはかないませんが、確かに「おいしい」お話でした♪
サチエさんお手製のシナモンロールに、生クリームをたっぷりつけて食べるのです!


おにぎりは、やはり、フィンランドの人たちには「ウケ」が、よろしくないようです。
海苔は「黒い紙」で、おかかは「木くず」に見えるみたいです。


ふゆ。さんお薦めの「すいか」は、残念ながら見ていません。
頭の中に、しっかりとインプットしておきます。 機会があれば是非!
返信する
映画というのは、時間的な事情もあるのでしょうが、 (マリンカ)
2009-12-13 20:03:33
映画というのは、時間的な事情もあるのでしょうが、
原作のすべてのエピソードを盛り込むのは難しそうですよね。

「かもめ食堂」の登場人物たちは
みなそれまでの人生が気になる人ばかりでなので
原作を読んでみたくなりました。
←映画はDVDまで購入している人
お正月休みにでものんびり読もうかな。
返信する
たぶん、「映画はみたけれど原作はまだ」という人... (ayachin)
2009-12-13 22:36:24
たぶん、「映画はみたけれど原作はまだ」という人が多いんじゃないかなぁー
そう思って、こういうブログの書き方をしてみました。


私が、だいぶ「ネタばらし」をしてしまったようですが、
映画でのキャストを思い浮かべて読んでみるのも、また楽しいかと思います。


美味しいコーヒーの入れ方を教えてくれた前店主の話は、映画独自の演出です。
監督・脚本を担当された荻上直子さんの「腕」も、たいしたものだなぁーと再認識させられます。
返信する
「かもめ食堂」好きよ。 (sawako)
2009-12-26 21:48:34
「かもめ食堂」好きよ。
あの空気感が心地いい。
本の装丁も好き*
群ようこさんは一時期ものすごくハマって読みまくってました。
でもこの原作は読んでないの。。。
あやちんには教えてもらうことたくさんあるなー♪
ありがとう♪
読んでみます♪
返信する
ついでに、もうひとつ、さわちゃんに面白いこと教... (ayachin)
2009-12-27 09:56:14
ついでに、もうひとつ、さわちゃんに面白いこと教えてあげるね。
実はね、日本人とフィンランド人は、遠い、遠い、遠~い親戚にあたるのです。


昔々、ずうっと昔、ユーラシア大陸の森の奥に、同じ言葉を話す人たちが暮らしていました。
大きな天変地異でも起こったのでしょうか? 民族の大移動が始まります。


いくつかに枝分かれしながら、東へ向うグループと西に向うグループ。
その後、気の遠くなるような年月が過ぎ、それぞれ気に入った土地を見つけます。


東の方が日本人・朝鮮人の祖先となり、西の方がハンガリー人・フィンランド人の祖先。 
彼らは、「ウラル・アルタイ語族」という同じ言葉を話すグループに属しています。
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