まい・ふーりっしゅ・はーと

京都発。演奏会や展覧会、読書の感想などを綴っています。ブログタイトルは、ビル・エヴァンス・トリオの名演奏から採りました。

第21回 京都の秋 音楽祭 開会記念コンサート

2017-09-18 14:41:51 | kyokyo
2017年9月17日(日)14:00 開演 @京都コンサートホール・大ホール
指揮 : 広上 淳一 / ピアノ : ルーカス・ゲニューシャス / 管弦楽 : 京都市交響楽団


            *  *  *  *  *

● すぎやまこういち : 序奏 MIYAKO(2016)
昨年の第20回目の音楽祭を記念しての委嘱作品。 その時は、もちろん世界初演。 これで2年連続のステージ。
ドラクエのことはよく知りませんが、祝祭にふさわしく明るく華やか。 明日のアンコール曲かも?(大胆予言!)

● ショパン : ピアノ協奏曲第2番 へ短調 作品. 21
第2番とされていますが出版順の名称で、実際は最初の協奏曲。 いかにも、ショパンらしい魅惑的な旋律の数々。
祖国・ポーランドを離れる直前に書かれた第1番と比べると、情感という部分で若干劣るかもしれませんが…。

京響の、協奏曲における「伴奏力」の充実ぶりと相まって、とりわけ第2楽章の静謐な美しさが印象に残りました。
ゲニューシャスさんのピアノは、清冽な清水がこんこんと湧き上がり、しぶきを上げてほとばしるようなイメージ。

第3楽章の、弦楽器が「シャカシャカ」と音を立てる(叩く)奏法のところは、もう少し際立たせて欲しかったが。
ホルンによる高らかなファンファーレもカッコよし。 アンコール曲は、コンテンポラリー風な響きが楽しい作品。

● ラフマニノフ : 交響曲第2番 ホ短調 作品.27
数年前の名古屋公演の際にも、メインとして演奏された作品。 聴き逃していたので、今回、念願がかないました。
明日のサントリーホールでの公演でも演奏されるとの事。 ちょっとした「壮行演奏会」の気分で聴いてみました。

ロシア風の甘ったるいお菓子のように、次々と現れてくるロマンティックな旋律。 何度もとろけそうになります。
それでも、食傷気味になりそうな一歩手前のところで、きちんと締めてくるあたりは、シェフの腕とセンスの良さ。

数年前までは、広上さんの過剰気味なアクションと、野放図とも言える開放的なサウンドが「売り」だった京響。
ここ最近は、抑制の効いた指揮であってもすこぶる反応がよく、完全に掌中に収められたような安定感があります。

終了後、まずは、クラリネットの小谷口さんを称える広上さん。 この選曲に応えた気持ちのこもった立派な演奏。
クラリネット以外の各パートの聴かせどころも好演。 栄誉ある「サントリー音楽賞」に恥ずかしくない力量を披露。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 京都市交響楽団 第616回定... | トップ | 広上淳一指揮 × 京都市交響楽... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。