まい・ふーりっしゅ・はーと

京都発。演奏会や展覧会、読書の感想などを綴っています。ブログタイトルは、ビル・エヴァンス・トリオの名演奏から採りました。

京都市交響楽団 第638回定期演奏会

2019-09-24 18:34:48 | kyokyo
2019年9月22日(日)14:30開演 @京都コンサートホール・大ホール
指揮 : 下野 竜也 / 独奏 : ヤン・リシエツキ(ピアノ) / 管弦楽 : 京都市交響楽団


            *  *  *  *  *

● ブルックナー : 弦楽五重奏曲ヘ長調 WAB112から「アダージョ」
この曲をオーケストラによる弦楽合奏用に編曲された方は、日本でも人気の名指揮者のスクロヴァチェフスキさん。
是非とも京響の客演指揮を!と、個人的にも熱望していましたが、結局、氏の他界により実現は叶いませんでした。

そして今日、こういう形(編曲)での京響定期への登場に対して、感慨深いものを感じます。 美しい静謐な調べ。
ブルックナー作品のなかで、最も美しいアダージョのひとつと評される音楽。 ホルンの響きが欲しいのは贅沢か?

● モーツァルト : ピアノ協奏曲第24番ハ短調 K.491
ピアノに向うリシエツキさんは、長い手足を持て余すかのような立派な体躯。 しかしながら、タッチは軽快流麗。
それでいて、しっかりと芯のある音色。 下野さんとは過去に何度かの協演経験があるとのことで、安定した演奏。

第1楽章のカデンツァの自由奔放さ。アンコール曲の「バッハ」における現代的な感性など、聴きどころも随所に。
個人的な好みを言うなら、第2楽章のロンドはもう少しテンポを抑え気味にして、愛らしさを強調して欲しかった。

● ベートーヴェン : 交響曲第6番ヘ長調「田園」 op.68
これまで幾度となく聴いてきた名曲中の名曲ですが、結論から言うと、今日の下野=京響の演奏は出色の出来映え!
普段なら睡魔に襲われる第2楽章でも、複雑に絡み合いながら流れて行くせせらぎの様子が目に浮かぶようでした。

第3楽章から終楽章へと連続して演奏される、ドラマチックな情景描写は、もう見事としか言いようがありません。
終楽章「牧歌。嵐の後の喜びと感謝」は、ベートーヴェンが「オー、ゴッド」との思いを託した幸福感に包まれて。

            *  *  *  *  *

今回の定期を最後に、京響の現職を退かれる下野さん。 下野さんのおかげで聴くようになったブルックナーの作品。
下野=京響のベストを選ぶならば、個人的には11年4月の大阪公演でのマーラーの第5番を推したいと思います。



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 第23回 京都の秋 音楽祭 開... | トップ | 京都市交響楽団 第639回定... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。