
エッセイ+小説で綴る瀬尾まいこの書店へのラブレター。読んでいて、あまりにあからさまで恥ずかしくなる。これを本にするのか、と思うくらいにストレート。だけど今の彼女はこういう形でしか書店員たちへの愛を語れない。だから仕方ない。
僕は瀬尾まいこの小説が大好きで欠かさず読んでいる。いささか幼い作品もあるけど、誠実に自分の気持ちを伝えてくるから胸に沁みる。
ただ今回はさすがに気恥ずかしく、読みながら何度も赤面する。『幸福な食卓』の6年後を描く短編『そんなときは書店にどうぞ』は大丈夫だけど、エッセイ部分には参った。
大好きな映画である『夜明けのすべて』を巡る部分は興味深かったけど、三宅唱監督とのところはやはり気恥ずかしくてここでも参った。わざとこういう文体で統一しているのだろうが、キツい。
それから映画への無知を晒すエピソードとして、山田洋次監督の『釣りバカ日誌』という記述があるが、誤解を招くからあれはよくない。