
『県庁の星』の、というよりも、僕にとっては『ボーイズ・ビー』の桂望実さんの新作。内容的にはこの2作品を足して2で割った感じだ。
友人を自殺に追い込んでしまった男が、売れっ子コーピーライターの仕事を投げ出して、田舎で隠居生活をする。まだ30代なのに。世間から離れ、人知れず、田舎の村で、ひっそりひとりで生きるつもりだったのに、村の人たちに巻き込まれ、村おこしのお先棒を担がされる。最初はいいかげんな気分で、「輪投げ大会」でもどうか、なんていったのだが、それが現実となり、村をあげての騒動になり、案の定失敗する。そこまでが第1章。そこから、再び輪投げ大会によるリベンジが始まる。2度目は自分ひとりは蚊帳の外ではなく、みんなの中心になっていく。
「過疎、高齢化、外国人労働者」といったいかにもな設定をちりばめ、てんこ盛りにしてある。しげジイと主人公との交流部分なんて、なんとなく『ボーイズ・ビー』の頑固な靴職人の老人と、少年のやり取りを思い出させていい感じなのだが、あまりに話を詰め込みすぎて、どっちつかずの印象を残すのが惜しい。
描きたいことはよくわかるのだが、これでは中途半端だ。話を詰め込みすぎたためありきたりになったのだ。もっと話の焦点を定めておいて、そこから周縁を描くほうがよかったのではないか。
友人を自殺に追い込んでしまった男が、売れっ子コーピーライターの仕事を投げ出して、田舎で隠居生活をする。まだ30代なのに。世間から離れ、人知れず、田舎の村で、ひっそりひとりで生きるつもりだったのに、村の人たちに巻き込まれ、村おこしのお先棒を担がされる。最初はいいかげんな気分で、「輪投げ大会」でもどうか、なんていったのだが、それが現実となり、村をあげての騒動になり、案の定失敗する。そこまでが第1章。そこから、再び輪投げ大会によるリベンジが始まる。2度目は自分ひとりは蚊帳の外ではなく、みんなの中心になっていく。
「過疎、高齢化、外国人労働者」といったいかにもな設定をちりばめ、てんこ盛りにしてある。しげジイと主人公との交流部分なんて、なんとなく『ボーイズ・ビー』の頑固な靴職人の老人と、少年のやり取りを思い出させていい感じなのだが、あまりに話を詰め込みすぎて、どっちつかずの印象を残すのが惜しい。
描きたいことはよくわかるのだが、これでは中途半端だ。話を詰め込みすぎたためありきたりになったのだ。もっと話の焦点を定めておいて、そこから周縁を描くほうがよかったのではないか。