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映画・演劇のレビュー

『フライト・ゲーム』

2014-09-03 21:41:40 | 映画
 あまり期待しないで見た。だって、また、リーアム・ニーソンのアクション映画なのだ。そこには『96時間』シリーズのあの感じが、まず浮かんでくる。それはリック・ベッソン製作による安易なアクション映画だ。つまらないわけではないけど、それがどうした、としか、いいようのない映画の数々。先日も『フル・スロットル』という映画を見た。昔なら新世界国際で3本立で見ただろうようなB級アクションだ。この映画もまた、きっとまたそういうものだろうと、バカにしていた。

 しかし、そうではない。(まぁ、それでもいいけど)これはかなり硬派なアクション映画で、ストーリーでしっかり見せる。台本がなかなかよく出来ているのだ。しかも、なかなかアクションにはならないのもいい。気を持たせるのではなく、ちゃんと話で持たせるからだ。安直なストーリーである。パターンから一歩も出ない。

 主人公が追い詰められて、驚異の力を発揮する。でも、それはただのマッチョではない。結構、頭脳戦になるのだ。ハラハラドキドキさせれれる。先が読めるけど、読めない。ひねりがよく効いているからだ。

 全体的には予定調和である。そこは定型を踏まずにはいられない。娯楽映画の定則だ。そのうえで、いかに工夫を凝らすことができるのかが、成功と失敗の分かれ目となる。実に上手い。それは、観客を乗せるテクニックを持っているからだ。飽きさせない。退屈させない。先が読めない。

 予定通りの結末を迎えるのは娯楽映画の鉄則だ。そこはちゃんと踏まえた上での冒険がなされるのが心憎い。何も考えずにハラハラドキドキの100分間(正確には上映時間は107分だが)を過ごすにはぴったりの映画だ。

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