習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

浅倉秋成『家族解散まで千キロメートル』

2024-05-29 22:26:00 | その他
家族解散まで3日。最後の3日、不在の父の不始末をなんとかするために青森まで旅する家族。1,000キロメートルの旅の先には何があるのか。  これは、まさかの岡本喜八監督作品を思わせるそんな小説だ。生きていた頃の喜八さんに読んでもらい映画化してもらいたかった。そうして欲しかった。主役はともかく、ふざけた父さんは60代の頃の仲代達矢で。まぁ、今なら役所広司でお願いします。面白いし、テンポもい . . . 本文を読む
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『終末の探偵』

2024-05-29 16:32:00 | 映画
北村有起哉が主演する探偵ものである。懐かしい松田優作の『探偵物語』を想起させる設定だ。北村が主演する映画なんてもしかしたら初めてではないか。めでたい。都会のかたすみで生きる孤独な探偵を見事に演じた。当然だけど。上映時間が80分というその長さは劇場用劇映画としてかなり微妙だ。昔の添え物併映作でも90分というのが相場。なのに敢えてこの長さに収めたのは何故か、それとも安易に低予算映画だからこの尺にしたの . . . 本文を読む
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いとうみく『真実の口』

2024-05-29 13:28:00 | その他
なんだかなぁと思いつつ読み進めるが、ラストまで読んだ時、確かにな、と感心させられる。母親に言わず自宅に泊めて、勝手に父親のところに連れ出すのはあまりに無謀な行為である。これは高校1年の子どもたちが4歳の少女を助ける話だが、警察官に言わせると彼らの行為は誘拐になる。最初の出会いはコンビニの前。迷子になってそこに座っていた彼女を家まで送り届けるために警察まで連れて行った。 やがて彼女が母から . . . 本文を読む
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