『美しい星』の吉田大八監督最新作。前作に負けないくらいに変な映画だ。でも、この変さが面白い。普通にしているけど、ユーモアが漂う。過疎化の進む地方の役場で働くとある男(錦戸亮)が主人公。今回彼に与えられた仕事はこの小さな町に移住してくる6人の男女のお世話。彼らは殺人犯で、刑期を終えたばかり。町はそんな彼らを受け入れて人口減にテコ入れしようとする。だが、彼らはそれぞれ一癖も二癖もある奴ばかりで、 . . . 本文を読む
Bプロは3本立。期待の大岡淳『詩劇 空に墜ちた男』があまりのファンタジーで驚く。トークショーの大岡さんの理路整然とした話し振りと作品のほんわかしたタッチがまるで水と油のようで、おかしかった。それは坂本演出のせいなのかもしれないけど、バカバカしくて楽しい。大池容子『遊星からの少女X』はタイトルそのままのお話でショートショートならではの魅力に溢れた短編。なんでもないどこにでもあるような「初恋もの . . . 本文を読む
泉寛介演出の『おおきな声がうるさい』がおもしろい。豪華キャストが集結して、中編ではなく長編仕様の作品なのだが、それをこの尺で見せたとき、とてもシンプルで心地よいものに仕上がった。妻を失い失意の日々を送る父親と、彼を心配する子どもたちの群像劇。本当ならいろんな要素を放り込んで、2時間くらいに仕上げるところを、悠々たるタッチなのに、40分強にして見せる。子どもたちのそれぞれの事情をちゃんと描きな . . . 本文を読む
姉と妹。死んでしまった妹を待ち続ける姉のところへ妹は帰ってくる。『銀河鉄道の夜』のカンパネルラのように。そこから始まる、ポラーノの広場への果てしない旅。
行方不明になった姉を捜し求める妹と、彼女が引き連れてくる人たち。ツアコンの彼女はいなくなった姉をみんなと一緒に探すことになる。彼らが行こうとしていたのはどこなのか。みんながみんなそれぞれ別々の場所を探し求めている。人がそれぞれ違う人 . . . 本文を読む