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経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

むなしい「正論」・・・豊洲問題の本質は「厳しすぎる環境基準」による焼け太り

2017-03-21 03:29:00 | 時事/金融危機
 

■ 地下水の再検査で再び汚染が確認された ■

豊洲市場の9回目の水質検査は検査方法に問題があったとして29か所で再検査が行われましたが、最大値で環境基準の100倍を超えるベンゼンが検出されました。検査方法に問題があった前回の79倍を超える値で、専門家会議も当惑している様です。

9回目の検査方法がそれ以前と異なった事が判明した時は、検査値に異常はそれに起因すると私も確信しましたが、どうやら原因は違う所にあるらしい。


私は9回目の検査でイレギュラーな検査結果が出た時に下の記事を書いています。

豊洲の地下水調査の怪・・・あまりにイレギュラーな数値

■ 地下水の循環が起きたのか? ■

民間の測定会社と言えども、都の仕事を請け負うからにはそれなりに実績のある検査会社でしょう。単純なミスで測定値が上昇したとは考え難い。同様に前回までの調査がねつ造だったとも考え難い。

そうなると、前回までと今回で異なるのは、地下水の管理システムが稼働した点かと。

1) 排水システムが稼働して地下水位が低下した
2) 地下水に排水による循環が生まれた

この2点が前回調査との地下水の状態の相違点です。

地下水位は地下水管理システムが作動する前は、遮水槽を越えて浄化処理した土壌と接触していたと思われます。これは、建物地下の水たまりの存在から推測出来ます。(浄化後の盛土土壌を汚染地下水と接触させない為の遮水層が実際には機能せず、汚染地下水と盛土が接触している可能性がある事自体、ちょっと間抜けではありませすが・・・)

地下水管理システムの排水が稼働した事で地下水位が下がり、遮水層の上の土壌に接触していた水が地下水測定用のレベルまで降下して来たとも考えられます。仮に、盛土にベンゼンやヒ素が残留していた場合、これらが溶出した地下水を測定した可能性は否定できません。

もうひとつの可能性は、地下水の排水システムが稼働して地下水の循環が起きたというもの。ただ、地下水は地下の池の様に存在している訳では無く、含水層という土に水がしみ込んでいるZ応対で存在します。果たして、地下水の排水システムを稼働したからと言って、土にしみ込んだ水に循環は発生するとは容易には考えられません。


9回目の検査会社は、従来と違う検査方法を都から強制され、その為にイレギュラーな数値が検出されたと一時は私も確信しましたが、どうやら今回の再検査で、専門家会議も「地下水管理システムの稼働により地下水の環境に変化が生じた」可能性を指摘し始めました。

■ 追い詰められた小池知事がちゃぶ台を返した ■

都議選まで豊洲問題を引きずって、「悪の石原と戦う正義の小池」を演出するつもりだったであろう(妄想)小池知事ですが、地下水汚染が現実のものとなると予定が大幅に狂います。さらに築地残留も現実的に難しい事が判明し(最初から分かっていたから豊洲移転が持ち上がったのですが)、いよいよ振り上げた拳を下す場所が見つからなくなり始めています。

ただ、さすがわ小池知事、振り上げた拳で石原元知事を八つ当たり的にボコボコ叩き始めました。

百条委員会の喚問で石原元知事が「私が厳しい基準を課し過ぎたのかもしれない」と発言した様っですが、これを見逃す小池知事ではありません。

選挙戦以来、小池知事の発言は修正され続けています。


1)豊洲は危険

    ↓

2)都民の「安心」が第一

    ↓

3)「法的には問題が無い」が「安心」が確保されていない

    ↓

4)「石原都知事が高すぎる基準値を課した」事が問題だ・・・


さらに言うに事欠いて、「石原元都知事が豊洲に過剰な安全基準を課した為に、私はその安全基準を守る為に豊洲移転を遅らせている」的な発言までしちゃいましたよ・・・。

おいおい、どの口が言うんだよ!!

政治家として完全に終わっています。
普通に考えてこの人、人として終わっています。



■ 築地に安全も安心も無い・・・ ■

そもそも論として豊洲移転が決まった背景は、築地が老朽化し、さらには「衛生面」で安全性が可確保できないとの判断があった為です。

1) 施設が老朽化して、地震や火災などで市場機能がストップする危険性が高い
2) 建築にアスベストが使われている
3) ネズミやゴキブリが走り回っている・・・
4) 市場と外気が遮断できず、先進国の先進的な市場の衛生環境から遅れを取っている

さらに最近、新たな問題もクローズアップされています。

5) 敷地内にはかつての米軍のクリーニング施設が有り、土壌が汚染されている可能性は大

そして3月17日には洗浄水に使われる東京湾の海水ろ過施設の故障が発生しています。

6) 洗浄用の水は東京湾の海水をろ過して使っており、地中配管は1961年製。


これに対して、小池知事は「老朽化された施設の補修を怠った歴代都政が悪い」と発言しています。


政治家として完全に終わっています。
普通に考えてこの人、人として終わっています。



築地が使い物にならないから、高いコストを掛けて豊洲を整備し、その一方で廃止が決まっている築地市場の補修は最小限にするのは当然です。

よくよく考えると、こういう話って、皆さんの会社でも起きる可能性は低く無い。

1) 会社のコピー機が壊れそうだ
2) 新しいコピー機を発注しよう
3) 白黒コピーは時代にそぐわないから、少し高いけどカラーコピーにしよう
4) 設置スペースが狭くて安いコピー機の導入は無理だから、少し高いコピー機にしよう
5) やった、来週には新しいコピー機が納入されるぞ!!

ここまで計画が進んでいた所に、総務のお局様が来て文句を言い始めました・・・

6) 新しいカラーコピーを設置する床が何だか汚いわ
7) これでは「キレイなコピー」が取れなくて社員が安心出来ないわ
8) エ?床の掃除はしてある・・・じゃあ、この染みは何なの!!

9) そもそも何で古いコピー機ではダメなんですか
10) 古いコピー機の下の床はもっと汚いって・・・それは問題有りません!!

11) 新しいコピー機、性能が良すぎて値段が高過ぎませんか???
12) そもそもカラコピーを導入しようと決めた前任者に責任があるのよ!!

こいつ、グーで殴ってやろうか・・・そんなヤツの一人や二人、どこの会社にも居るものです。東京都民は自ら進んで、そんな人を首長にしてしまっただけ・・・・。

■ 「厳しすぎる環境基準」を課した事が問題の本質 ■

豊洲問題と福島の放射線問題は全く同じ問題です。

福島を苦しめているのは現実の放射線では無く、ICRPが定めた「厳しすぎる防護基準」が問題ですが、一方で、厳しすぎる基準は原発建設を一部の企業で独占する事に役立ちますし、「除染」や「廃炉」に莫大な費用が掛かる事で、これらの企業や、地元の企業に莫大な利益をもたらします。

豊洲市場も「厳しすぎる環境基準」を導入した事で、土壌対策費や建築コストが跳ね上がりましたが、土建業者は焼け太りしています。

石原元都知事が「課した」厳しすぎる基準ですが、それを望んだのは都民にほかなりません。

本来ならば、「安全」と「コスト」を秤に掛けて妥協点を見つけるのが議会の役目ですが、議会は「安全」と「安心」につぎ込むコストに無頓着でしが。都民も同様です。


今更ながら「厳しすぎる安全基準」なんて言葉が石原元都知事と小池都知事双方から出ていますが・・・・「正論」を吐く二人を見ていると、虚しさを感じます。「都民」は彼らには見えていないのですから。


絶対に失敗する「糖質制限ダイエット」

2017-03-12 12:45:00 | 分類なし
 

■ 科学的に見えて、短絡的? ■

最近はやっているダイエットに「糖質制限」というものがあります。食事中の炭水化物を極力減らしてて、タンパク質主体の食事にするダイエットです。

炭水化物はブドウ糖に分解され、細胞活動のエネルギーとなります。筋肉を動かしたり、脳を働かせるのがブドウ糖です。血中のブドウ糖濃度が上昇すると、インスリンが分泌され、ブドウ糖を細胞内に取り込む様に指示が出ます。さらに余ったブドウ糖を脂肪として脂肪細胞に貯蔵する様に指示が出ます。脂質やたんぱく質ではインシュリンは分泌されず、脂肪の貯蔵も起きません。それならば糖質を摂取しなければインスリンが分泌されず脂肪も増えないと「短絡的」に考えたのが「糖質制限ダイエット」です。


■ 「糖質制限」を止めた途端にリバウンドする ■


これ、絶対にリバウンドします。「糖質制限=飢餓状態」と体は判断しますから、入って来た栄養を体細胞に貯蔵しようとします(ホメオスタシス機能)。「糖質制限ダイエット」をずと続けられる人は良いですが、止めた途端にリバウンドが発生します。

一般的に肥満になる人は「自己抑制が低い」ので肥満になり易い。だから様々なダイエットに失敗して糖質制限にたどり着き、これもきっと途中で止めてしまう人が多い・・・。


■ インスリンの低下は「幸福感」を奪う ■

人はお腹一杯食事をすると幸せな気分になり、これはインスリンが幸福ホルモンと呼ばれるセロトニンの原料物質が脳に取り込まれるのを促進する為です。

一方、お腹が空くとイライラして攻撃的になります。これは「空腹」というストレスが欲求ホルモンのドーパミンの放出を促す為です。

セロトニンの分泌に異常をきたすと人は「鬱状態」(うつ病という病気は無いと私は考えています)になります。拒食症や過食症は、無理なダイエットでセロトニンとドーパミンの制御に異常を来してしまった人で、セロトニンの分泌の減少は拒食症を、逆にドーパミンの分泌過多は過食症を引き起こすと考えられます。

■ 運動しないで痩せる・・・いえいえ「等価交換」の原理は生きている ■

糖質制限ダイエットの最大の魅力は「空腹感が無い」「運動しないでも痩せられる」という従来のダイエットに付き物な「我慢」や「努力」が少ない点です。そして比較的短期間の体重が減って行くのが実感できるのも魅力の一つです。

しかし、自然界に「等価交換」の理から外れた事象は存在しません。糖質制限の代償は、食費の上昇だけではありません。

脳の燃料は「ブドウ糖」です。「糖質制限」をしていても脂肪やタンパク質などを分解して体はブドウ糖を作り出していますが、「糖質制限=飢餓状態」においては、脳は優先的にブドウ糖を確保する為に、体の他の部位がブドウ糖を吸収する事を抑制します。

具体的にはコルチゾルをを分泌して細胞のブドウ糖吸収を阻害し、さらに交感神経から指令を出してインスリン抵抗性を上げます。さらに摂取して脂肪の一部は遊離脂肪酸となり、これもインスリン抵抗性を高めます。この状態は糖尿病の初期の状態で、初期の糖尿病の方が間違った「糖質制限」をすると糖尿病の症状が進む恐れがありあります。

■ 「糖質制限」をすると死亡率が上がる ■

糖質制限をした人は、糖質制限しない人の20~30パーセント死亡率が上昇したとの統計データも発表されています。

原因は糖質制限にあるのか、それとも脂肪や動物性のタンパク質の過剰摂取にあるのか解明していませんが、別の統計では糖質制限をして、かつ植物性のタンパク質を多く取った場合、死亡率が20%減少したとの結果もある様です。

いずれにしても、「楽に痩せられる」と糖質制限ダイエットを実行している多くの人が、リバウンドを体験して、また新しいトレンドに踊らされるのでしょう。


ちなみに、痩せたい人は、お酒を控えるのが良いみたいですね。肝臓がアルコールを分解している時には食べ物は脂肪として蓄えられ易くなるとか。これ知り合いの医師の受け売り。確かにアルコールを止めるのはお財布に優しいけれど・・・・私にとっては最強の幸福物質だけに・・・無理。

コルステロール値が高い人は長生き・・・健康を奪っていた健康の基準値

2017-03-12 09:06:00 | 危険なワクチン
 

■ 血中のコルステロール値は食事に影響を受けない ■

私は「卵はコルステロールが高いから一日一個」と決めていました。ところが厚生労働省は2015年から血中コルステロール値の上限値が撤廃していたのです。

アメリカの研究で、血中のコルステロール値が食事に影響を受けない事が判明した事が原因です。実は臨床医や人間ドックの関係者からは「コルステロール値が高い人の方が長生きで健康だ」という疑問がかねてよりあったのです。

コルステロールは細胞壁の原料となり、肝臓で合成されます。実は食事から摂取されるコルステロールの量は、体内で消費されるコルステロール量の1/3~1/7に過ぎません。食事から摂取される量が減れば肝臓が不足分を生産するのです。

では血中のコルステロール値は何かと言えば、それはその人の肝臓が生成するコルステロールの量だと言えます。そして、これは人によって高い人も居れば、低い人も居る。

■ コルステロールが高い人は長生きで健康 ■

「コルステロールの高い人の方が健康で長生きだ」というベテランの医者の疑問は、統計的にも実証されています。

PRESIDENT on lineより

<引用開始>

フィンランドのヘルシンキ大学で、高脂血症1200人を対象にした調査が実施され、次のような結果が得られた。高脂血症を食事療法と薬で下げたグループAと、下げる手段を何も講じなかったグループBを比べたところ、10~15年後の心筋梗塞の発症率、死亡率ともに、Aグループのほうが高かった。

日本でも、1980年、厚生(現・厚生労働)省国民栄養調査対象者1万人に対する14年間の追跡調査で、「240~259mg/dl」が「健康長寿」にもっともよいコレステロール値であることが判明している。また、茨城県で40~79歳の男女10万人を5年間調査したところ「コレステロール値が低いほど、全死亡率、特にガンの死亡率が高かった」「240mg/dl以上の全死亡率が一番低かった」ことが明らかになっている。

<引用終わり>


■ 悪く無いのに「悪玉」と蔑視されたLDLコレステロール ■

ここまで読まれて、「いやいやコルステロールには「善玉」と「悪玉」があって、悪玉コルステロールが動脈硬化などの原因になるんだよ。と思われた方・・・あなたの情報も古いのです。

「悪玉コルステロール」などという不明用なあだ名を付けられてLDLコレステロールですが、実は体の隅々にコルステロールを運ぶ役割を持っています。逆に体の隅々から不要なコルステロを肝臓に運ぶ役割を担っているのが「善玉コルステロール」と呼ばれるHDLコレステロール。この両方が揃って体内のコルステロールの循環が正常に働きます。では何故「悪玉」と呼ばれるLDLコルステロールだけが悪者にされたのでしょうか?

動脈硬化の血管内部にはコルステロールの沈着が見られます。これにが注目され、コルステロールが過剰に運ばれると動脈硬化が起こると考えられたのです。

動脈硬化の患者を調べると「家族性高コルステロール血症」という遺伝を持った人が多い。これは遺伝的にコルステロールの値が高い人なのですが、動脈硬化を患うケースが多い。日本人には200人から500人に一人程度の割合で存在します。

1) 家族性高コルステロール血症の患者は動脈硬化になりやすい
2) 動脈硬化の患者に占める家族性高コルステロール血症の割合は44%
3) 動脈硬化の原因となるコルステロールの血管中の沈着は家族性高コルステロール血症が原因

とまあ、動脈硬化の原因は確かに血管中のコルステロールの沈着ではあるのですが、これは普通の家族性高コルステロール血症とおう遺伝疾患の結果であって、普通の人が過剰にコルステロールの値を気にする必要は無いのです。

■ 危険な植物オイル? ■

コルステロールの危険性が盛んに宣伝されていた頃、コルステロールを下げるとして注目されたのが「リノール酸」。植物性のオイルに多く含まれています。

国立栄養研究所がラードを与えたネズミと植物油を与えたネズミを45週間飼育して比較した所、ラードを与えたネズミの死亡率は18%、植物油を与えたネズミの死亡率は64%になりました。植物油を与えたネズミの死亡率は実に3.5倍にもなったのです。

この原因の考察として植物油によって免疫が活性化して白血球が増え、その白血球がネズミの血管を傷つけたのではないかと考察されています。

■ 不飽和脂肪酸の取りすぎは良くない ■

動物油は飽和脂肪酸が多く常温でバタの様に個体です。一方、植物油は不飽和脂肪酸を多く含み、常温で液体です。不飽和脂肪酸とは不飽和の炭素結合を持つ脂肪酸で、この結合は酸素と結びついて酸化され易い。

コルステロールを下げるとして体に良い油と言われていたリノール酸は不飽和の炭素結合を2つ持ち酸化され易く、オリーブオイルに多く含まれるオレイン酸はこれが一つで酸化され難い。

不飽和脂肪酸は体内で活性酸素によって酸化されます。これは一見、体内の活性酸素を除去している様に見えるのですが、酸化された脂肪酸は過酸化脂肪酸としてこりらもラジカルな物質として振舞います。これらのラジカルは細胞膜を構成する脂肪酸から水素を奪って細胞膜を傷つけます。

尤も、生物の体はラジカルの増加に速やかに対応して、活性酸素除去酵素を増産してこれに対応します。一般的には多少の活性化物質(ラジカル)の増加で病気やガンになる事はありません。しかし、過度に摂取すれ害が現れます。

生き物としての人間は元々、大量の植物油を摂取する様な生活はしていませんでした。油も高価でしたから揚物などを頻繁に食べる様になったのは戦後の事でしょう。ドレッシングを掛けたサラダなんてものも、戦前の庶民は食べていません。

戦後の栄養の改善で日本人は健康になりますが、最近は栄養の過剰摂取で健康を害しています。

■ 健康になろうとして不健康に成る人達 ■

コルステロールの問題は、西洋医学や西洋人の思考パターンが生み出した問題です。

彼らは何か問題が起きると、原因を突き止め、それを解決する方法を合理的に作ろうとします。

1) 動脈硬化の人は血中のコルステロール値が高い
2) コルステロールの値を下げる薬を処方すれば良い
3) コルステロールの血中濃度の上限値を決めて、高い人に薬を処方すれば良い

ところが、「薬」と呼ばれる物は「毒」と同じですから、コルステロールを下げる薬も副作用があります。肝機能障害や、末端神経障害や横紋筋融解症などを引き起こす恐れがあります。これらの薬は血中コルステロール値が極端に高い人に処方されるので、かつての正常値を少し超えた人には食事の指導がされていました。

尤も、食事中のコルステロールの量が減れば肝臓がその分を補って生産するので、食事指導の効果はほとんど無かったのです。

一方で、コルステロールを下げる為に、過剰にリノール酸を摂取する事で、新たな健康リスクを生み出してしまった・・。




「日本は国債を返し過ぎている」・・・安倍発言と財務省の思惑を妄想する

2017-03-09 09:25:00 | 時事/金融危機
 

■ 日本は国債を返し過ぎている・・・ ■

日経新聞が報じた国債を巡る安倍発言。シムズ教諭の影響を強く感じます。日経新聞や国債市場の関係者には評判の悪い発言ですが・・・私は「ガラガラポン教」の信者ですから、あえて否定しません。

■ 将来何も造れなくなる前にインフラの再整備をしておこう ■

日本の人口動態では画期的なイノベーションが起きて生産性が飛躍的に向上しない限り、財政赤字は拡大の一途をたどり、それを税金で返そうとすると将来世代の生活は破たんします。

「金融抑圧」も「シムズ説」もやっている事は同じで、「コントロールされたインフレ税を富裕層から徴収する」こと。ただ実体経済の成長率が低い状態で財政がいたずらに拡大してゆくと、どこかの時点で通貨の信用喪失が発生して、インフレ率をコントロールできなくなる事は財務省も日銀も当然予測している。

それでも尚、今財政を拡大する理由として唯一合理性を持つのは「造れるうちに造ってストックしておこう」という考え方。日

本のインフラの多くが高度成長期に建設されたもの。これらは将来的に耐久限度を迎えます。これらのインフラの整備を将来行うにも少子高齢化で財源は不足し、建築業界の人手も足りません。そこで、国債が無利子、或いはマイナス金利で発行できる今のうちに造ておいて、将来的なインフレで支払い負担を減らす事は、合理的な発想では?

■ お金はモノでは無くツール ■

「金兌換性の時代のお金の価値」と、現代の「情報化したお金の価値」は別モノで、どうやら現代においてはお金は「時間的な、或いは空間的は隔たりを超えて価値を創造するツール」と考えた方が良いかと思います。

金融スステムの発達した現代においては、お金は情報として高速でやり取りされ、地球の裏側の経済を刺激したり、金利という形で将来生み出されるであろう価値を現在に引き寄せたりします。お金事態の価値がある時代が終わり、時間と場所を超えるツールとして物々交換の時代にお金が生み出された本来の目的に回帰したとも言えます。

■ 日本において唯一公正な税 ■

国債市場や為替市場の参加者にとっては、商品価値を故意に既存する「インフレ税」は許しがたいものではありますが、「世代間格差の解消」の意味においては、公平性の高い税だとも言えます。

「お前が言っている事は三橋先生と同じじゃないか!!」とご指摘を受けると思いますが、バラ色の未来を語る三橋氏に対して、私はドブ色の未来を語ります。

三橋氏はインフレ率がコントロール出来る事を前提に語っており、私や池田信夫氏や、「牛さん熊さんブログ」の著者は、インフレ率のコントロールは難しいと考える。歴史的に見れば、政府が財政規律の維持を放棄すれば、いずれかの時点で通貨の価値が失われて来ました。

「生産力が余っている現在においてインフレは容易には起きない(デフレ時代)」というのは需給関係の話であって、「金融商品としての通貨や国債の価値」とは別問題です。一度市場がパニックを起こせば、それを抑える事は難しい。外為市場で円がパニック売りされ、一気に極端な円安が加速して、輸入物価が跳ね上がり、同時に通貨の価値が減る事を予測して国内金利が一気に跳ね上がります。これで、国内経済は一時的に機能停止に陥るはず。


■ インフレをコントロールする方法 ■


ではインフレをコントロールする方法が皆無かと言えば・・・無いわけでは無い。シムズ教授は「金利」と「準備率」でこれが可能だと考えている様ですが、パニック時には人々が我先に預金を引き出そうとするので、銀行は準備率をむしろ下げるでしょうし、金利も物価上昇に追いつきません。

私個人としては、電子マネーの導入でインフレ率がコントロールされるのでは無いかと私は妄想しています。電子マネーは個人情報とお金がくっついていると考える事も出来ます。そこで、緊急時には電子マネーの機能を利用して、個人の一か月の消費限度額を決める事も可能でしょう。

例えば、誰かがダイヤモンドや金や土地や外貨預金で資産を保全しようとしても、限度額を超えた場合は買い物や取引が出来ない様にすれば良い。これ、実際に戦後日本で預金封鎖と新円切り替え、引き出し限度額という方法で実行されています。それを、電子マネーを使えばスマートに実行出来、インフレ率をコントロールしながら規制額を決める事も可能です。

ただ、個人の財産権を大きく損なうので、「緊急事態」として「超法規的の措置」として実施されるのだと思います。

この方法で、インフレ率が発散してしまう事を防ぎ、200%とか500%を短期間に達成した後、規制を発動して物価上昇を抑え込み、その後ゆるやかに規制を解除して行く。

預金などの資産は実質的に1/2~1/5の価値になる訳ですが、一方政府の借金も実質的に1/2~1/5になります。これが「インフレ税」です。

■ 「魔法の対価」は安くは無い ■

一見、「資産家が損をして、若者はハッピー!!」に見えるインフレ税ですが、魔法には高い対価を払うのは世の習わし。

円が価値が棄損すれば、国内経済は大混乱に陥る訳で、企業の倒産が多発して失業する方も大勢出ます。年金制度は残るでしょうが、実質支給額は大幅に減額されれます。まさに「ソビエト崩壊後のロシア」、或いは「終戦直後の日本」の状況になる訳です。

ではどうすれば良いかと言えば、「自分の身は自分で守る」しか無い。

今安く買えて将来に役立つものは・・・多分、絶対に倒産する事の無い企業の株や、田舎の農地だったりするのでしょう。特に、将来の年金に不安を抱える私達の世代は、「自給自足」的な生活も覚悟した方が良いかも・・・。

■ 田舎と繋がる方法 ■

まあ、いつもの与太話になってしまいましたが、地方出身者でも長年離れた田舎に戻るのは難しい。まして、都会しか人の繋がりが無い人はなおさらです。

一つの方法として、在宅勤務が可能な仕事、或いはネットだけで仕事が成り立つ場合は、仕事場を田舎に移すという方法も可能でしょう。住民税を払えば、文句は言われませんし、田舎も若い人が増えれば活気が出ます。消費も増えます。

エーそんな作家みたいな人は居ないよ...って言われそうですが、10年後には私達の働き方は大きく変わっていると思います。「人と直接コミュニケートしなければ仕事にならない」なんて考えているのは私達の世代位まででしょう。時代が進めば、「直接会う=仕事」という概念は崩壊するはずです。


私は現在の日本の金融財政政策の先に「ドブ色の未来」を予測しつつも、実は結構「虹色の未来」を夢想して楽しんでいます。


<追記>

尤も、そんな遠くない未来に「世界的な金融緩和バブル」が大崩壊を起こすでしょう。これをどう乗り切るかが問題だ・・・。仕事が一瞬で蒸発するのはリーマンショックや311で経験してるし・・・。

静置時間1日は長すぎるのか?・・・現場の工程的な慣例だろう

2017-03-09 04:16:00 | 時事/金融危機
 

■ パージ直後の採水の方が汚染の状況を正確に反映するのでは? ■

前回の記事のコメント欄で、ハノイの塔さんが、「従来の測定法は、ベンゼンなどの揮発物の濃度を薄くして試験に通りやすくする為のものじゃないか」とのコメントを下さっています。

実は私も1日も静置する理由な何だろう?と不思議に感じていました。

■ 検査業界ではパージ後1日後に採水するのが慣例になっているのでは? ■

地下水の水質調査の環境省のガイドラインでは、「パージ後1時間以上の静置時間」が定められていますが、同時に「濁りが無くなる」事も要求しています。

1回目から8回目の業者も1日後に採水をしており、9回目を担当した業者も、都に1日後の採水のスケジュールを提示しています。

1) パージ後の観測井戸の復水時間は井戸によって差がある
2) パージ当日に採水の工程を組むと、復水の遅い井戸の採水が翌日にズレる可能性がある
3) 当日、濁りが取れない井戸があった場合、翌日に採水作業が持ち越される
4) パージと採水を同日工程とすると、同じ人手が使えないので人工代が2倍になる

この様な理由で、検査会社はパージ後1日置いて採水する事が慣例化しているのではないでしょうか?

■ 実際の廃棄物処理場の地下水調査でも1日後の採水が提示されている ■

ネットで、パージから採水までの実際の時間が無いか探してみました。

滋賀県の有害物質の最終処分場の地下水検査に関するPDF資料を見つけました。

http://www.pref.shiga.lg.jp/d/saisyu/jimotosetsumei/files/h230713shiryou02.pdf

この中で、パージ後の静置時間に関する質疑がされています。

<引用開始>

(質問事項)
パージは1日前に実施。(孔内水の3倍程度くみ上げについて)

ポンプ等で穴内水を強制的に入れ替え(パージ)した直後又は、その流れの中での採水は疑問に思います。採水の前日に穴内水を入れ替え、その後は静置したままの状態を保ち、できるだけあるがままの状態に近づけ、当日は採水のみに専念していただきたいと思います。特に当日にポンプ等で強制的にパージした直後でのVOCでの採水は適切とは思えません

<引用終わり>


これに対して各委員からは、「パージ直後の採水の方が汚染の実態を正確に反映しているのでは無いか?」との意見が当然の様に出されています。

しかし、梶山委員からは「地下水が定常状態に回復した後採水すべき」との意見が出されています。実際の「フローセルを用いて、地下水のPHなどが随時計測して、安定状態になった後採水するのが理想的」といった内容も資料中に見受けられます。

又、採水する高さに対してもベンゼンなど比重の軽いものと、金属などの比重の重いものを測るのでは高さが違う・・・などの意見も見られます。


いずれにしても、検査業者から提示された「パージ後1日静置した後に採水」というスケジュールに対して議論が交わされており、「1日静置」は業界では普通の工程であろう事が伺えます。



採水一つにしても、本来は静置時間や採水高さを揃える必要があり、8回目までの調査ではマニュアル化され、3社が同じ方法で採水したものを分析しています。これは科学的な妥当性が高い。


一方、9回目の検査では、業者にマニアルは渡されておらず、検査も1社にしか発注されていません。さらに、都の職員は当日採水を「強要」し、業者は正確性が確保できないとして「都の指示通りに計測した」と読み取れる異例の念書を都側と交わしています。

この業者は会社の信用に関わるので、「都が今回の測定方法を強制した」という態度で特別委員会に臨んでいます。これは会社として当然と言えます。


いずれにしても、すぐバレる方法を用いてまで、「豊洲が汚染されていなければ困る」人が居る事は確かな様で・・・・。


■ 小池知事のダブルスタンダードに呆れた世間 ■

飲むわけでもなく、再利用する訳でも無い地下水の水質を議論している間に、豊洲市場問題は新たな局面を迎えています。

築地市場の土壌も、かつて米軍のクリーニング工場で使用していたトリクロロエチレンで汚染されている可能性が発覚したのです。

これに対して小池都知事は「コンクリートやアスファルトで覆われており、土壌汚染対策法などの法令上の問題もない」と発言しています。


チューーート待った!!

豊洲はもっと厚いコンクリートに覆われているじゃないか!!


この小池発言は完全な「ダブルスタンダード」です。「築地のコンクリートは安全で豊洲は安全で無い」と言っているに等しい。

この発言から豊洲問題の「潮目」が完全に変化しています。もっともマスコミは「石原元知事の責任問題」を追及する事に余念が無く、ニュースやワイドショーも都議選までは「石原の不正を暴く正義の小池」を演出して行く事でしょう。

■ 問われるネットの力 ■

豊洲問題の安全性は初めから決着しています。ただ、既存メディアに踊らわれた都民が小池氏を知事に選出して、無駄な税金を垂れ流しています。

ネットでは小池氏を非難する声が高まっていますが、はたして既存メディアの小池支援を覆し、都議選で小池新党の躍進を阻む事が出来るのか・・・。

トランプを大統領に選出したアメリカ人を笑う日本人ですが、小池氏を首長に頂く東京都民も、世界から見れば同じレベルに見えている事でしょう。(まあ、世界は豊洲問題なんて知りませんが・・・軍国幼稚園には興味深々ですが)