■ 「バブルだ」「いや、バブルじゃない」 ■
先々週末からの世界中での株価下落も一段落して、今週のダウは上昇から始まっています。これで投資家の皆さんは一安心と思っている事でしょう。
直近の下落は、米国債の金利の急上昇が原因とされますが、そのまま世界の株価が「バブル崩壊」になると予想するアナリストはほとんど居ません。
年明けから一本調子に上昇し続けた米株価はどこかで調整されるだろうと誰もが予測していただけに、米国債金利が「良い切っ掛け」となったと考えている投資家も多いでしょう。
ところで、「バブル崩壊の法則」なるものが有る様で、「金融機関の貸し出し総額がGDPの1.6倍を超えるとバブルは崩壊する」傾向が有る様です。
現在は米国の金融機関の貸し出し総額はGDPの1.3倍、日本は1.4倍だそうで、これだけを見るとバブル崩壊までは猶予が有るとも言えます。
■ 市場がババで埋まる前にゲームを降りているヤツが居る ■
「バブルが崩壊する時、1割が逃げ延び9割が損をする」という事も良く言われます。この法則、1割の投資家が先読みが出来るのでは無く、1割がバブル崩壊を仕掛ける側と解釈するべきだと私は考えています。
市場で運用される資金には2種類の資金が存在すると私は考えます。一つは「利益を上げ続ける必要の無い資金」、そしてもう一つは「利益を上げ続ける必要の有る資金」。
「利益を上げ続ける必要の無い資金」とは、言い換えれば「自己資金」で、返済の必要の無い資金。だから、リスクが少し高くなったら利確して現金化しても問題が無い。
一方「利益を上げ続ける必要の有る資金」とは、ファンドなどの資金で、ある程度の派フォーマンス(金利獲得)を課せられている資金。これらの資金は、リスクが高まっても、市場を徘徊し続けます。そして最後はカモになる。
私個人としては、「利益を上げ続ける必要の無い資金」は既に市場から引き揚げられていると妄想しています。先々週からのボラティリティーの拡大は、ヘッジファンドなどが空売りを絡めて利益を拡大する動きだと妄想しています。そろそろバブルの維持が難しくなる頃合いと判断していると・・・。
既に市場はババで埋め尽くされており、そのババを上手く相手に押し付けたヤツが儲かるゲームに代わっている事に注意が必要なのです。
■ 人は損をすると取り返したくなり、他人の利益を憎む ■
「アメリカや世界の景気は順調に拡大しているから、まだまだ株価は上昇する」と多くのアナリストが予測し、個人投資家の皆さんもそう考えています。「まだまだイケる!」・・・と。これは「自己暗示」の一つであり、市場の大半がその暗示に掛かっている間はバブルは崩壊しません。
どうして自己暗示が必用かと言えば、人は損をすると取り返したくなり、他人が得をする事が許せない
生き物だからです。これはDNAに焼き付けられた生存本能で、それ故に多くの方がバブル崩壊に巻き込まれます。
バブルの末期にはボラティリティが拡大しますが、人間の本能が市場からの撤退の判断を遅らせるのです。
■ 既に「将来のリスク」が「将来の利益」に見合わなくなっている ■
私は臆病な人間なので、現在の市場は「将来の利益が将来のリスクに見合わなくなっている」と考えます。
確かに市場に踏みとどまれは、これからも利益を上げる事は難しくありません。しかし、同時にバブル崩壊に巻き込まれて大きな損失を被るリスクはどんどん拡大します。
冷静な方ならば、「十分稼いだから、ここらで利確しておこう」と考えます。この様な方は底値で買った方が多いハズ。
一方、バブルが拡大した頃に「儲かるらしい」と市場に参入した人達は、「未だちょっとしか稼いでいない」と考え、結局バブル崩壊に巻き込まれます。
特に平均株価に連動するETFなどに投資されている素人がカモになる。
■ 最期の安全な売り時がやって来る ■
ここから暫くは、株価は薄商いの中で洗い値動きを繰り返すでしょう。確かにダウは2万5千ドル台に、日経平均は2万3千円台になるかも知れませんが、一方でリスクは拡大し続けます。
どこを利確のポイントとするかは人それぞれですが、今が最後の「安全な売り時」では無いかと、臆病な私は妄想しています。
まあ、逆指標と言われる当ブログですから・・・あまりアテにはなりませんが・・・。
長期金利は高止まりしているので,まだ波乱がありそう
ですね.
「金融機関の貸し出し総額がGDPの1.6倍を超える
とバブルは崩壊する」というのは初めてみました.何か
ソースがあればお教えくださいませんか?
『一流の投資家だけが知っている「バブル崩壊のある法則」』と言う「現代ビジネスオンライン」の記事な書かれていまいした。
経験則ではありますが、一つの指標にはなるのでしょう。尤も、「いつ崩壊するか」のトリガーは金利が握っているのでしょう。
参照元読んでみましたが、面白いですね。
たしかに1.6倍に根拠はなく、経験則のようですが
ピッタリで恐ろしいです。
金融機関の貸し出しがGDPの1.6倍程度になると中央銀行が資産市場の過熱感を放置出来ずに金利を上げるという事なのだと判断できなくも無いですね。