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豊洲問題の本質・・・根本的にダメダメだった

2018-08-24 08:10:00 | 時事/金融危機
 

■ 駐車場棟の杭が500mm短い? ■

当ブログは豊洲移転には賛成の立場です。

1) 建物の1Fの厚いコンクリート床によって地下ピットのベンゼンは遮蔽される
2) 地下水に汚染物質が混入していても、場内で使用しないので問題ない
3) 実際にオープンな環境の築地は不衛生で現代の市場としての衛生条件を満たさない
4) 豊洲の建造物の耐震強度は問題が無い
5) 豊洲問題は小池知事が知事選のネタに利用しただけ


ただ、移転を直前に豊洲市場の建物で重大な疑惑が持ち上がりました。

1) 豊洲市場7街区(水産卸売場)通勤駐車場棟で48本の杭が予定より50cm浅く施工された
2) 原因はGL(グランドレベル)を誤って50cm高く設定してしまった
3) 現場は大騒ぎとなったが、杭の頭を50cmカットして辻褄を合わせた
4) 都には「軽微な変更」として届けた

5) 杭が基礎地盤に届いていない可能性が有る
6) データを計測しながら杭を打設しているので杭が基礎地盤まで到達しているか
   都はデータを持っている

7) 現場の地下がかつての谷の地形で基礎地盤の深さが複雑に変化する
8) 複雑な地形にも関わらず設計前のボーリング調査の個所が規定より極端に少ない
9) 薄い基礎地盤を打ちぬかない様に杭の施工誤差は小さく設定されていた

■ 施工ミスは単純ミス、ボーリング、設計段階の問題は意図的 ■

実は今回報じられている基礎が50cm短かったというミスは、施工業者の単純ミスです。建築工事のグランドレベルを間違えるなど、あり得ないミスなので、この時点で業者的にはアウトですが、少なくとも意図的なミスでは無い。

一方、設計段階の問題は意図的な物である。

A) 都は複雑な地下地形にも関わらずボーリング調査地点を極端に少なくしている
B) 地中深くくの厚い基礎地盤に到達する杭はコスト高となるので、
   その上の薄い層に基礎を打つように設計した
C) 複雑な傾斜地形で、ボーリング調査地点も少なく、誤差の少ない施工を計画
D) 結果的に、元々、杭が基礎にきちんと打設されるか、確実性に欠けていあ

憶測になりますが、設計の発注期間を短縮する為に事前のボーリング調査の地点を極端に少なく設定したのでしょう。原因は地盤改良(除染工事)と工事が同時進行だった為と思われます。

結果的に日建設計は不十分なボーリング調査の内容に基づいて基礎の深さを決定せざるを得なかったハズです。本来、「こんなデータでは設計出来ない」と入札を躊躇するケースです。

さらに都の指定かどうかは分かりませんが、基礎杭の長さを短くする為に、薄い地盤に基礎を打つ様に設計されています。だから、施工に当たり基礎が深く入り過ぎると基礎地盤を打ちぬき、無効な基礎となる可能性が有ります。基礎地盤のレベルが複雑なので、事前の調査を密にすべきを、極端に少ないボーリング調査の結果しか無いので、基礎層を打ちぬく可能性は低くは無いハズ。

■ はたして杭は基礎に届いているのか? ■

今回の問題の発覚は、杭の打設業者の方が告発して発覚しています。

1) 杭を規定の深さまで打っても何か異常が計測された
2) 現場で問題となり工事が中断された
3) GLが50cm高い事が判明する

最初に問題に気付いたのは作業員の方か、監督の方でしょう。杭の打設工事は杭が固い地盤に到達すると、打設音が変わったり、或いは圧力の増大によって杭の進行が遅くなります。杭の打設作業は計測を同時に行い確実に固い地盤に到達した事を確認します。

横浜のマンション現場で偽装が行われたケースでは、これらの計測データが固い地盤に到達していない事を示しているのに、発注した杭の長さが足りなくなったので、そこで杭打ちを止め、データを偽装しています。

今回のケースで杭は50cm残っていましたから、固い地盤に到達していないというデータが出た場合、杭をさらに打ち込めば良かったのですが、施工基準で杭の深止まりも制限されていたので、現場判断でそれ以上、杭を深く打ち込めなかったのでしょう。

杭が基礎に届いているかどうかは、東京都に提出されているハズの施工データを見れば一目瞭然でしょう。「軽微な変更」で都が許可を出したという事は、それなりの本数は基礎に到達していると思われます。ただ、現場で気いたという事は、何本かの杭は無効かも知れません。

■ 都はデータを公表し、改めて小池知事が移転判断をするべき ■

大勢のプロの目で判断して「大丈夫」としたならば、駐車場棟が沈下したり、傾いたりする心配は少ないと思います。

ただ、偽装が明らかになった以上、都は杭の打設データを公表し、安全性を立証すべきです。それが出来ないのであれば、小池知事の「安全安心」なんて、選挙用のパフォーマンスに過ぎないと言わざるを得ません。(実際にパフォーマンスですが)


「移転も間近だし、今更事を荒立てても・・・駐車場は重量制限もしているし・・・」というのが大人なのかも知れませんが・・・。


これだけ重大な問題を大手マスコミが取り上げ無いのは「空気を読んでいる」からでしょう。これを報道したら、豊洲移転が中断になり、築地移転も延期になり、オリンピック道路が間に合わなくなる。

そして、都の責任が逃れられなくなるから。当然、小池知事も責任を問われる。




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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ローレライ)
2018-08-26 19:33:50
欠陥マンションならぬ、欠陥市場を建てちゃった!
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Unknown (人力)
2018-08-27 00:07:11
ローレライ さん

横浜の欠陥マンションと似たケースですね。問題は二つあって、複雑な地下地形に大して事前のボーリング調査地点が少ない事と、GLを50cm間違えた事。

基礎杭は硬い地盤にある程度の深さ打ち込まれるハズなので、50cm短いからと言って全ての杭が硬い地盤に到達していないとは限りませんが、ただ、現場の作業員が問題に気付いたと言う事は、何等かの問題が発生していた可能性は否定出来ません。

この問題、あまりにもインパクトが大きいので大手メディアは一切報道していません。これが日本のメディアの体質なのでしょう。
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