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アメリカと中国は阿吽の呼吸・・・米国金利のフラット化を防ぐ中国

2018-01-11 09:55:00 | 時事/金融危機
 

アメリカと中国やロシアが敵対しているというのは「ポーズ」であって、裏ではズブズブの関係というのが陰謀論的世界観。

中国が米国債の買い入れを縮小、或いは停止すると発表していますが、「トランプの対中政策に対する嫌がらせ」と考えるのは短絡的で、実はこれはFRBの利上げ余地を確保する為の政策。

先日も記事にした様に、アメリカのイールドカーブはフラット化しており、長短金利が逆転すると景気後退の兆しとして、株式市場が反応する恐れがあります。

実際には米金利のフラット化は中長期までの米国債に世界の余剰資金が流入している為に長期側の金利が過剰に押し下げられた結果と私は妄想しています。その為にFRBは短期金利を押し上げる政策金利の引き上げ余地が減らされています。

そこで中国が助け船を出したというのが、今回の中国の米国債買い入れの縮小の発表でしょう。これで長期側の金利がポンと上がります。

中国が敵に塩を送った様にも見えますが、世界経済は一蓮托生ですから、長短金利の逆転によって現在の世界的バブルが崩壊する事を事前に防いだと私は見ています。


一方で、バブルがさらに温存される事で、バブル崩壊の威力はさらに強まります。最終的にはドル基軸体制の信用崩壊にも繋がりかねず、ドル後の世界を淡々を狙う中国には都合の良い結果を招く可能性が高まります。

アメリカの衰退と中国の台頭が、世界の経営者の描くシナリオならば、しばらくは現在のバブルはさらに膨らみ続け、最後に大爆発で現在の通貨システムや金融システムを破壊する事でしょう。


そのエネルギーが18年度中に溜まるのか、それとも、さらに来年以降までバブルが継続するのかが市場関係者の注目する所ですが、モルガンスタンレーがジャンク債を全て売り払うなど、米金融機関はバブル崩壊の臨戦態勢に入って来ている様です。



冬のオリンピック、天皇の退位、新天皇の即位、東京オリンピックのカウントダウンと、日本人の目は世界と別の所に注がれそうですが、米国債金利の動きには要注意です。


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4 コメント

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Unknown (ゆうこ)
2018-01-12 13:28:44
中国はアメリカ国債を買うゆとりはないと思います
取り敢えず手持ちのドルは大切に使うつもりですね

2020年には不動産税を導入案そのた税制のみなおしちゅう
地方政府は不動産転がしが出来なくて税収が苦しいと聞い
ています(地方政府に元は刷れないし)

取り敢えず今年の3回の利上げがどう世界に影響が出るか
?やってみないと解りませんが
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Unknown (人力)
2018-01-15 05:12:10
ゆうこ さん

だんだんと利上げに敏感になるのでしょうが・・・市場の痛覚は最早麻痺していますから・・・それが怖い。
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Unknown (人力)
2018-01-17 05:34:17
ア〇の人 さん

日本の体外資産のほとんどが米国債と円借款や政府開発援助の類だと思います。米国債は日本が売却すると言っただけで米国債が暴落するので現実的に売る事が出来ません。体外資産も直ぐに売却や返済される物は少ないでしょう。円借款の類は、円が暴落してから返済すれば、事実上チャラになりますし・・。

日本国債が暴落の兆しを見せたら日銀の全量買い取りになるでしょうから、金融機関などは手持ちの国債を日銀に売却して現金を手にします。この時点で円が膨大に発行されるので、結果的に円安が発生します。為替市場は過剰に反応する傾向が強いので、円は一時的に大幅に安くなるハズです。

ここで多くの国民が海外に資産を逃がそうとするでしょうが、財務省がそれを許すとは思えません。そもそもこの様な状況では預金封鎖が実施されているハズなので、銀行に預けているお金を一定額以上引き出せなくなるハズです。そうしなければ、全ての金融機関が破綻してしまいます。

要は、万が一日本国債が暴落する事があるならば、資産保全はその前に終わらせておく必要があり、日本の富裕の方の一部はシンガポールなどに住居を構え、既に資産も海外に持ち出しています。(課税逃れが主目的)

財務省も黙って見逃してはくれず、国外に資産を移動する時点でガッツリと税金を取る制度に変更しています。

危険なのは米国内の銀行などに口座を作るケースで、米国の金融機関は口座の開設は容易ですが、解約が難しい。要は一度国内入って来た資金は手放しません。これは他の国でも同様の傾向が有るでしょう。

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Unknown (人力)
2018-01-17 05:35:57
ア〇の人 さん

長くなったので下からの続きです

金による資産保全も富裕層が好みますが、「保全」とは売らずに済む資産を保全するのであって、経済の混乱で生活がひっ迫する様な家庭では、直ぐに金を現金化する必要に迫られます。その時に国家が金の自由な流通を認めているかが問題となります。価格統制をしたり、自由市場を制約するなどの処置をするハズです。闇市場は生まれると思いますが、素人がそれにアクセス出来るかは疑問です。

仮想通貨も候補の一つですが、仮想通貨自体の不安定さがリスクとなります。国債暴落の前の仮想通貨の暴落が起きるリスクの方が高いかと・・。そもそも既存通貨の価値を脅かすであろう民間の仮想通貨は、どこかの時点で規制されるハズです。

こう考えると資産保全って結構難しいですよね。私ならば農地を手に入れます。生活に困ったら自給自足も出来ますし、他人に貸して作物を貰うのも良いでしょう。

後は、金持ちはタンス預金ですかね。預金封鎖を想定したならば、封鎖直後は現金が不足するので、様々な資産叩き売りされます。これを手に入れるには・・現金が手元必要ですから。

日本国債暴落・・・確かに起こり得ますが、私はその前に現在の世界の通貨システムの大変革が起きると妄想しています。
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