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新一万円発行は「新券切り替え」?・・・アナウンスが早かった事が気になる

2023-02-28 03:59:37 | 時事/金融危機

 

■ 24年上期に予定される新1万円札の発行 ■

24年に予定されている「新1万円札の発行」と「預金封鎖」を絡める妄想がネット界隈で広がっています。新券発行に必然性が無い事と、日銀創設者の渋沢栄一が絵柄として採用されいる事、戦後の預金封鎖を渋沢栄一の孫が実施した事などが妄想の燃料になっている様です。私自身は「新券発行のアナウンスが非常に早かった」事が気になります。「計画」が裏に存在していると妄想してしまう・・・。

■ 50兆円のタンス預金を炙り出せる「新券切り替え」 ■

預金封鎖は無いとしても、「新券切り替え」なら十分に有り得ると私は考えています。現在、日本のタンス預金は50兆円程と言われています。現金は現在の世界ではマネーロンダリングの道具とも言えます。政治献金などもそうですが、現金の動きを当局は把握できない。

タンス預金は田舎のお婆ちゃんもしていますから、50兆円全てが闇のお金という訳ではありませんが、多くの資産を持つ人も、現金によって資産を隠し持っているハズです。相続性の非課税枠を越える資産を現金で保持する様な方法です。これをやられると、国税局と言えども把握が難しい。

そこで、新一万円札発行と同時に、旧一万円札を使えなくする。旧一万円札を銀行窓口で交換するのでは無く、一度、預金に預けるルールにすれば、タンス預金の額を把握する事が出来ます。戦後の新券切り替えはこの方法が使われました。尤も、新券の印刷が間に合わなかったので、旧券にシールの様な物を張り付けて対応した様です。

■ 新券発行のアナウンスが早かった事が気になる ■

今回の新券発行で非常に気になるのが「アナウンスが早かった」こと。

1)新券切り替えの為の「大量の新券」を印刷する時間を稼ぐ

2)一部資産家が現金資産を別の隠し資産にする時間を与える

仮に「新券切り替え」が行われるならば、タンス預金を新券で再びする人も多いでしょう。この場合、大量の新券が必要になります。これを想定して大量の新券を印刷するならば、準備期間がそれなりに必要でしょう。ただ、その為に新券発行のアナウンスを早める必要は無い様に思えます。

一方、「新券切り替え」が行われるとして、その情報を早期に入手したり、その可能性を予想した一部の資産家は、新券発行までの期間に現金を別の隠し資産に置き換える行動を取ると思われます。例えば金の仏具だとか、高価な美術品だとか、その他私の予想もしない方法があるでしょう。

海外預金は日本の銀行を通して行うと額が把握されますし、大量の現金の持ち出しは空港でチェックされるので難しい。現物金は国税庁が所有者を把握していますし、海外での購入も情報が共有されるので資産隠しには使えません。何等かの方法で、アメリカの預金口座に現金を振り込んだ場合、それを海外で引き出すのは至難の業です。アメリカの銀行は預金受け入れはウェルカムですが、それを海外で引き出そうとするハードルが激高だそうです。ダミー会社を作って支払いの形を取ったりする様です。

まあ、お金持ちはそこら辺の裏情報にも通じているでしょうから、既に資産隠しは終わっていると私は妄想しています。

 

■ 預金封鎖は有り得るか? ■

冒頭に書いて「預金封鎖」の可能性ですが、ゼロでは無い。

1)金融緩和バブル(コロナバブル)がアメリカで崩壊

2)農林中金やゆうちょ銀行、地方銀行の多くが債務超過に陥る

3)多くの人が銀行の窓口に殺到

4)全ての銀行がバンクホリデー(シャッターを開けない)を実施

5)預金引き出しを「新券でのみ」対応

6)旧券は預金に預けてから新券に交換

7)預金引き出し限度額を設定する

 

4)~7)は実際に戦後の日本で実施されました。インフレ率がうなぎ上りになる中で、預金封鎖と新券発行が実施され、預金の引き出し上限を設定する事で、市中の通貨量を抑制してインフレを抑え込みました。(尤も高インフレによる戦時国債の紙屑化には成功しています)

 

■ 庶民は「金融緩和バブルの崩壊」だけ気にすれば良い ■

隠し資産など無い庶民は「新券発行」に神経質になる必要は有りません。むしろ「新券発行がバブル崩壊時期となる」可能性に留意すべきでしょう。24年前半に「預金封鎖」が仮に発生するならば、23年後半に金融緩和バブルが崩壊する可能性が有ります。(オオカミ少年と言われそうですが)

「バブルの崩壊」はテールリスクなので、発生確率は極めて低いですが、巨大地震同様にいつかは必ず発生し、発生時期が遅くなればなる程、その破壊力は増します。

農林中金はウォール街では「ゴミ箱」と呼ばれ、ジャンク債やCLO(ローン担保証券)を大量に保有しています。ゆうちょ銀行のリスクは米国債です。大規模なバブル崩壊が起きた場合、リーマンショック直後の様にドルの信用不安と、円キャリートレードの巻き戻しで極端な円高が発生します。ゆうちょ銀行は大量の外国債券(多分米国債が中心)を補修していますが、米国債の価格の下落(金利上昇)と円高による為替差損が発生します。海外投資が増えた地方銀行も似た様な状況になるかと。

ゆうちょ銀行は1300万円まで預け入れ出来ますが、ペイオフの対象は1000万円までです。ここは気を付けたい所。さらに、「ゆうちょ銀行ショック」が発生すると、絶対に銀行不安が発生して、健全な銀行も経営が危なくなります。ですからペイオフ対策は行うべきです。1000万円までがペイオフ対象ですから、預金を分散しても良いですし、「決済性預金」にしても良いでしょう。

「決済性預金」とは無利子の普通預金口座で、利子が付かない代わりに、1000万円以上の預金もペイオフの対象となります。マンションの修繕積立金の口座などはこれに変えた方が安全です。

 

まあ、「バブル崩壊」など起こらない方が良いに決まっていますが、地震への備え同様に、起きた時に困らない最低の対策はしておいた方が良いでしょう。