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一番不可解なロシア・・・敢えて悪役を演じる

2022-04-06 11:39:00 | 時事/金融危機
 
少々忙しいので、しばらくコメントの返信が出来ませんが、コメントは気付き次第公開いたします。皆さま、筆を振るって下さい。


本日も短い記事で・・・


今回のウクライナ侵攻の不可解な点はロシアやプーチンに利が少ない事。


確かにウクライナがNATOに加盟してNATO軍がウクライナに駐留したり、アメリカの核ミサイルが配備される事は、ロシアの安全保障上あってはならない事ですが、ロシアが戦争に踏み切る理由としては少し弱い。

確かにロシアとウクライナは国境を接しているが、既にNATOに加盟しているバルト三国も同様で、モスクワとの距離も大差はありません。ロシアがカリーニングラード州を保有しているので、いざ戦争となればバルト三国は孤立するので、ウクライナ程の脅威では無いとしても、ミサイルの脅威という点では大差は無い。

更に不可解なのは、マリウポリにフリーのジャーナリストが入って、アゾフ連帯(ネオナチ)がウクライナ人を攻撃しているという情報や、ロシア軍捕虜の足を打ち抜くなどのリアルな映像を配信しているのに、当のロシアは「ウクライナの情報はフェイクだ」と言うばかりで、アゾフの悪行の決定的な情報を出していない。

ブチャの虐殺は、ロシア軍が3/30日に計画的に撤退した後に、4/2にアゾフが現地入りして、色々仕込んだのでしょうが(親ロ派の住人を虐殺したり、「生きた死体」を並べて撮影したり)、ロシア軍は撤退前の街の映像を記録しているハズですから、これに反論が充分可能です。


しかし、ロシア軍もプーチンも、具体的な反論をせずに「ウクライナの作った映像だ」などと非難するだけです。国連の緊急安保理の開催を要求して、国連がブチャを調査すべきとしていますが、これは常任理事国のイギリスが反対して実現しませんでした。尤も、充分にイギリスやアメリカの反対は予想出来ます。


そう考えると今回のウクライナ侵攻でプーチンとロシアは敢えて悪役を演じている様にしか見えません。



では、その目的は何か


1)原油価格の引き上げ
2)原油やガスの決済通貨としてルーブルを認めさせる(ドル離れ)
3)世界的なインフレ率の意図的な引き上げ
4)ヨーロッパへの経済攻撃
5)第二の冷戦構造の構築



バイデンが役不足なので、この戦争の始めから、バイデンの言葉に緊迫感が有りません。結構、口汚くロシアやプーチンを挑発していますが、演技めいたものを感じてしまいます。


筋書き的には、「アメリカが挑発して、ロシアがそれに乗ってしまった」という形ですが、どうもここに至るまでの蓋然性が薄い気がしてなりません。お互い、申し合わせて戦争を始めた様に見える。

実際にアメリカはヨーロッパ諸国にロシアからの石油やガスの輸入を禁じる一方で、自国は一日10万バレルの原油をロシアから輸入し続けています。鉱石性の肥料などの輸入も続いている。


私はアメリカとロシアが対立しているという「分かり易い構造」に魅力を感じないので、「世界は裏ではズブズブの関係」と妄想していますが、その視点から今回のウクライナ侵攻を眺めると、「インフレを決定付ける」事と、「新たな冷戦対立を作る」事が、今回の戦争の目的だと思えて仕方ありません。


「インフレ率の上昇」は、現在の金融システムや経済システム、或いは通貨システムを破壊する為の道具。

「敵の存在」は経済的に混乱した世の中で、国民の目を敵に向けさせる道具。



過去に何度も使われている手では有りますが、それだけに効果は確実なのでは無いでしょうか?