■ 自民党の「仁義無き戦い」 ■
「桜を見る会」や「大臣辞任」や「IR疑惑」は自民党内の権力争いが表面化したものですが、それらをメディアは関連付けて報道しないので、今一つ実体が見えて来ません。
私の妄想では・・・
1) 「令和おじさん」として「ポスト安倍」で有力視され始めた菅官氏に安倍氏が警戒感を持つ
2) 菅氏と同じ神奈川を地盤とする河野太郎氏や小泉進次郎氏と菅氏の関係も気がかり。
3) 対安倍戦略として二階氏が菅氏と接近を図る
4) 組閣で安倍氏の牙城の経産省に菅-二階氏が菅氏に近い菅原氏を押し込んだ
5) 検察庁に睨みを聴かせる法務大臣に菅氏に近い河井氏を押し込んだ
6) 安倍氏はスキャンダルをリークして2大臣を辞任に追い込む
8) 法務大臣は安倍氏に近い森氏を据える
9) 共産党の追及で「桜を見る会」問題が発覚
10) 菅氏は記者会見で、わざと「隠蔽」を演出し、安倍政権への不信感を醸成する
12) 安倍氏は二階派の秋本議員を「IR疑惑」で逮捕す、IR問題で二階氏と菅氏に圧力をかける
13) 法務大臣を安倍氏側の森氏に替えた事で、逮捕、捜査が迅速に進む
14) 菅氏らは河井案理議員に1億5千万円の選挙資金を執行部が投入した事をリーク
15) 河井氏は岸田派の重鎮の溝手氏に安倍氏が支援を持っていた為に送り込まれた刺客
16) 岸田派に留まらす、自民党議員の中で不公平感と安倍氏に対する不信感が高まる
17) 「桜を見る会」の後援会接待も、安倍氏と岸田派の林方正氏の市長選を巡る争いが原因
イマココ
■ 麻生氏の動き次第 ■
安倍氏は第一期安倍内閣が崩壊した際、溝手氏が安倍氏を非難する発言を根に持っており、先の選挙で何が何でも溝手氏を落選させたかったと噂されています。
「禅譲」を餌に岸田派を抑え込んでいた安倍氏ですが、河井案理氏への1億5千万円の選挙資金によって、自民党内の反安倍勢力の不満は高まっています。特に、岸田氏はこれ以上安倍氏に従っていれは派閥の沽券に関わります。
二階派は元々、安倍氏とは距離がありましたが、菅氏が二階氏と接近し、さらに岸田派がそれに加わるとなると、安倍氏が首相退任後に「院政」を敷く事が難しくなります。
ここで注目されるのが麻生氏の動きです。森友学園事件では、財務省も麻生氏も泥を被って安倍政権を支えましたが、それも安倍後を考慮した動きです。麻生氏は息子に地盤を譲る予定ですが、安倍氏が「院政」を敷くならば、息子や麻生派の将来の為には安倍氏に付いていた方が得です。
ところが、安倍氏の「院政」が不確かになると、麻生氏には安倍氏を支えるメリットが亡くなります。「盟友」と言われる安倍氏と麻生氏ですが、政界において友情は水よりも薄い・・・。
最近、麻生氏の発言があまり報道されませんが、今は大人しく「静観」といった所でしょう。
■ ジャパンハンドラー達は河野氏をポスト安倍とするのか? ■
先日、河野太郎防衛大臣がアメリカのジャパンハンドラーの牙城のシンクタンで講演し、「次は首相になって帰って来る」と発言した様です。これが、彼の野望の表明なのか、それともジャパンハンドラー達に「次はお前だ」と言われたのか・・・真相は分かりません。
何れにしても河野太郎氏は英語も堪能ですし、安倍氏よりは頭が良さそうです。しかし、「権力の魅力」に弱い一面も見え隠れします。
入閣前は「反原発」など、自民党執行部に抵抗するかに見えた河野氏ですが、外務大臣として入閣後は手のひら返しで安倍氏に従順です。「外相専用のチャーター機が欲しい」と発言するなど、安倍氏同様に国民目線無視のお坊ちゃま発言も飛び出しました。外遊先での写真をネットにアップするなど、「庶民の味方」というポーズは捨てた様です。
外務大臣、防衛大臣と重要閣僚を歴任すれば、岸田氏と並びポスト安倍に最も近い存在とも言えます。
ジャパンハンドラー達がポスト安倍を選ぶなら「使い易い方」を選びます。岸田氏は権力の為に良心を捨てきれるとは思えませんし、その優柔不断さが政権の支持率を下げるでしょう。一方、河野氏は「割り切れる」男と私は見ています。
「日本はどうせアメリカの言いなりなんだから、首相は首相の役割を上手く演じればいい」と割り切れる。
自民党では反主流派ですから、国内の既得権力との繋がりも少ない事もアメリカにとっては都合が良い。何となく小泉純一郎氏に似た立ち位置です。
■ 河野氏の取り合いになるのでは? ■
菅氏、二階氏らは、数の上からは岸田派を仲間に入れたいと思っているでしょう。しかし、河野氏の動きも気になる所です。ジャパンハンドラー達が河野氏を次期首相へと考えているのならば、河野氏への影響力も持っていたい。
安倍氏や清和会も同様に、ポスト安倍が河野氏ならば、その後ろ盾となる事で影響力を残し、「院政」を敷きたい。ここには当然麻生派も加わるはずです。
■ 皮肉な事に岸田氏は首相を諦める事で、キャスティングボードを握れる ■
岸田氏は今まで「ポスト安倍」という甘言に惑わされて存在感を示す事が出来ませんでした。ところが、「ポスト安倍」を諦める事で、岸田氏や岸田派の影響力が増大します。岸田氏が安倍氏側に着き続けるのか、それとも、菅-二階氏側に鞍替えするのか・・・。
仮に次期首相が河野氏であったとしても、自民党内の力関係は岸田氏の選択によって大きく変化します。
■ 安倍政権は野党では倒せないが、自民党ならば倒せる ■
「権力維持」こそが目的化し、「首相である事」が自身のプライドの全てである人物が日本のトップに居る事は、日本人にとっては不幸な事です。
安倍政権によって、様々な不正が公然と行われ、国民は政治に失望すると同時に、「戦後民主主義」の幻影は完全に消えてしまいました。その意味では安倍氏は「戦後レジューム」を葬り去ったとも言えます。
その過程で野党は弱体化し、政権を狙える存在では無くなりました。本来は安倍長期政権に嫌気した自民党が分裂して、新たな2大政党が出来るハズですが、「空気による利権調整」が働く日本の政治では、自民党の存続が自民党議員の利益を最大化します。だから自民党は分裂しない。
しかし、安倍首相の求心力に綻びが出れば、反主流派を中心に反安倍の機運は自民党内でも高まります。そして、それに後押しされる形で、安倍氏に対抗する有力政治家達が重い腰を持ち上げるのでしょう。
安倍氏を織田信長だと見立てると、菅氏が秀吉、二階氏が家康といった所でしょうか。明智光秀の役には岸田氏が似合っています。麻生氏は前田利家といった所でしょうか。自民党政治は軍用割拠する戦国時代に似ています。はっきり言って大河ドラマよりも面白い。
最近は女性議員もキャラが立っていて面白い。杉田議員もどうか今のままキワドイ役を押し通して欲しい。大河ドラマにも「女盗賊」みたいなキャラが花そ添えるじゃないですか。もうエアー携帯とか、もう最高でした!!
「日本の政治には失望した」とお嘆きの方も多いと思いますが、「アメリカの書いたシナリオ」の中で、必死のアドリブで存在感を主張するのが日本の政治家だと私は考えます。そして官僚というスタッフがそれを支える。