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尖閣流出ビデオ・・・ロイターの写真の怪

2010-11-11 04:38:00 | 時事/金融危機



■ 海保職員がビデオ流出を認める? ■

尖閣ビデオ流出事件は、投稿者のIPアドレスから神戸のネットカフェからの投稿と報道され、さらにその直後に神戸の第五管区海上保安部の43歳の職員が、上司に「自分が流出させた」と話したことから、急展開を見せています。

ネットなどでは、この職員を褒めたたえる書き込みが目立ちます。

■ 謎が多すぎる ■

この事件は謎が多すぎます。

① 管轄の違う第五管区(神戸)の職員がビデオを入手した経路(沖縄は11管区)

管轄の違う第五管区(神戸)の職員が容易に尖閣ビデオを入手できたとすると、海上保安庁の情報管理がズサンだという事になります。この職員は「誰でも入手できる状況であった」と警察に話しているようですが、はたして本当なのでしょうか?

② 海上保安庁の43歳の職員がビデオを流出させる動機

この事件で一番不可解なのは、43才の分別もあるであろう海上保安庁の職員が、問題のビデオを流出させた動機です。ネットカフェから投稿するなど、一応、身元がバレないような工作をしていながら、上司に「自分が流出させた」と告白してしまう理由が分かりません。

そもそも、管轄の異なる保安部の職員が、こんなリスクを犯してまでビデオを流出させる理由などあるのでしょうか?

③ 世間に流れる、職員殉職の噂

ネットでは尖閣の漁船拿捕の際に、海上保安庁の職員が二人殉職し、一人負傷したという噂が真しやかに流れています。

石原慎太郎氏が「複数の関係者から聞いた噂ですが・・・」と前置きしてこの件を話すビデオも流されています。

しかし、この件は「デマ情報」であるという書き込みも多く、被害者の氏名が時間と共に変わっていたりと、信憑性が非常に怪しい情報です。

もしこの噂が本当であるならば、神戸の職員がビデオを流出させる気持ちも分からないでもないのですが・・・。

■ 「衝突」だけでは事件性が薄い ■

このブログでも何度も書きましたが、「漁船衝突」だけでは国境に海の日常でたいした事件ではありません。

2008年には台湾の「遊漁船」と巡視艇「こしき」が接触し、「遊漁船」が沈没する事件も起きています。この時は海上保安庁が謝罪して問題を沈静化させています。

「遊漁船」と書くと実態が分かりませんが、「遊漁船」に乗っているのは台湾や中国の活動家達で、尖閣上陸など実力行使なども行う人たちです。尖閣近海では、海上保安庁とこれらの活動家達、さらには中国や台湾漁船などが入り乱れてつばぜり合いする事が日常化しています。

ですから、今回の「漁船衝突事故」は「衝突」だけでは事件性が薄く、当初の日本政府の強硬な対応の理由が不明確でした。

私もこの点において、政府の対応も拙さを指摘してきました。

しかし、もし逮捕時に何かトラブルがあったとしたら話は全く変わってきます。

政府も海上保安庁も検察もそれなりの対応を迫られます。


■ ロイターに載る不可解な画像 ■

冒頭の画像は、ロイターが流出事件後に掲載したスライドショーの一枚です。中国漁船に接近するゴムボートが写っています。
http://jp.reuters.com/news/pictures/cslideshow?sj=2010092884254-2165-JP.js

何でもない一枚の様に見えますが、実はこのシーンは、流出した6本のYoutube動画のどれにも現れていません。ロイターはこの画像をどこから入手したのでしょうか?

■ 肝心の船長逮捕の瞬間が抜けているビデオ ■

今回の流出ビデオ6本には、我々が一番知りたい船長逮捕の瞬間が抜けています。

「海に落ちた海上保安庁の職員を、中国人船員がモリで突こうとした・・」という噂は比較的初期の頃からありました。これが本当であれば重大な事件です。

ネットでは始め、殉職した職員の名を、佐〇氏、〇岡氏といった様に伏字で示していた様ですが、いつの間にやら谷岡俊一や谷岡敏行というフルネームが流され始めました。谷岡敏行はご存知の方も多いでしょうが、落馬して死亡したジョッキーの名である事が、googleで検索すれば直ぐに分かります。他の職員名についても、「ゲイビデオの役名だ・・」などと噂され、「殉職」した職員がいたという噂自体がデマであった可能性が高まっています。

今、ネットの住人達が一番知りたいのは、「ぶつけられた」かどうかでは無く、「殉職」が事実かどうかです。
そういった意味から。今回流出したビデオは、最大の関心から目を逸らす働きをしている事も事実です。

■ 情報を情報で覆う、陰謀論の常套手段 ■

私は「陰謀論」を否定しません。その方が、世の中の動きが合理的に見える事が多いからです。

陰謀の首謀者は、陰謀論を色々な手口で否定します。
その常套手段は、「流出した陰謀を、さらに荒唐無稽な話で覆い尽くす」というものです。

「海に落ちた職員をモリで突こうとした」
「海に落ちた谷○さんをモリで突こうとした」
「谷岡俊一氏が海に逃れた所を、モリで突き、さらに漁船を乗り上げスクリューに巻き込んだ」

という様に、噂はどんどんエスカレートしていきます。最後の噂話などほとんどあり得ないだろー!!という感じですが、最初の「モリで突こうとした」という噂までがエスカレートした噂によって否定されてしまいます。

■ ロイターの写真の怪 ■

今となっては、トンデモ話の一つになっている「殉職」問題ですが、事件が起こるとすれば、今回流出したビデオの後になります。

政府がビデオの公開をひたすら拒んだのは、実は「流出ビデオ」の後を知られるのを恐れたからでは無いかと私は疑っています。

もし「モリで突く」よぷなシーンが撮影されていれば、それが仮に「仕草」であったとしても、国民感情は沸騰します。

そこで、問題にならない「衝突」シーンを流出させ、世間の目を「衝突」という事実に向けさせて、「逮捕時の状況」に蓋をしたのでは無いでしょうか?

その意味でも。本来存在するハズの無い、流出ビデオの後の、「小型体で漁船に接近する」ロイターの写真の存在は無視できません。

ロイター、あるいは一部の人間が「流出ビデオの後」の映像にアクセスしているという事実は看過できません。



上は再びロイターの写真。保安官が中国漁船に乗船している写真です。
オイ、オイ・・・・いったいこの写真はどうして手に入れたの???

最もこの写真を見る限り、漁船の制圧は問題無く行われた様に見えます・・・。

いずれにしても、事態がこれだけ拗れたからには、政府がビデオの全容を公開するまで、この事件は様々な憶測を呼び続けるでしょう。