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新型インフルエンザ・・・超過死亡概念

2009-08-29 10:03:00 | 危険なワクチン


インフルエンザ関係で面白い図表を見つけたので紹介します。
以前から私が「日本国内のインフルエンザの死者数は、多い年で1万人を越える」と書いていますが、
そんなに大勢の人がインフルエンザで死ぬの?と思われる方も多いのではないかと思います。

この1万人を越える死者というのは「超過死亡概念」という考え方に基づく統計です。
超過死亡概念とは、「インフルエンザが直接の死因でなくても、インフルエンザが原因となって死亡したケース」を言います。
例えば、直接の死因は肺炎や脳炎、あるいは腎不全だっとしても、
インフルエンザに掛からなければ、それらの要因で死亡する事は無かったケースです。

この「超過死亡概念」はWHOが推奨するインフルエンザ死亡者の統計方法です。
WHOとしては、ワクチンが行き渡れば、死ぬことの無かった人が沢山いたと言いたいのでしょう。
今回のインフルエンザの各国政府の死亡者の数は、
当然、この超過死亡概念に基づくものと思われます。

■ 死亡するリスクの高い人 ■

本日の読売新聞の一面は、「新型インフルエンザ、入院患者1日に76万人」というものです。
感染者を通常の季節性インフルエンザの2倍と想定し、その内の2割は発症。
発症者の5~2.5%が入院に至るという想定だそうです。
流行のピークは10月上旬。
死亡者予測人数は発表されていません。

さて、数学的には間違いの無さそうな設定ですが、
問題は重篤に陥る患者の見込みを、通常の季節性インフルエンザ同等に設定してるであろう点です。
今回の新型インフルエンザの感染は若い人が中心です。
70歳以上の高齢者は、既に抗体を持っていて感染しないと言われています。

一方、通常の季節性インフルエンザによる入院患者や重篤患者の多くは老人です。
既に健康に問題を抱えていたり、抵抗力の低い老人が、インフルエンザにおけるハイリスクグループです。

■ 世界で2000人死亡は恐れるべき事か? ■

さて、今回のインフルエンザでは、従来のハイリスクグループが感染する確率は低くなります。
感染するのは抗体は持っていないけれども、体力はある若者が中心です。
彼らは、感染・発症しても症状はいたって軽微な事は先日このブログに書きました。

重篤化するリスクが低ければ、感染者が入院するケースは少なく、
当然死亡者も少なくなります。
8月26日で、全世界のインフルエンザによる死亡者は2000人を突破したそうです米国が522人、アルゼンチンが439人、メキシコが179人、豪州が132人等々。

南半球のアルゼンチンやオーストラリアは冬が終わろうとしています。
日本がこれから向かえるであろう感染ピークを、彼らは既に経験しています。
その結果の死者が・・・世界で2000人。
この数字が超過死亡概念に基づくものかどうかは定かではありませんが、
もし仮にインフルエンザ主因による死亡者数であったとしても、
2005年の日本一国の年間のインフルエンザ主因死者数1818人と大差がありません。
これは、新型インフルエンザの致死率が大して高く無い事を物語っています。

私がいくら騒いでも、素人が何を言ってんだ常態ですので、
現場の医師のブログから引用させて頂きます。(ゴメンナサイ)

<ahref="http://blog.livedoor.jp/kondo_kodomo/archives/943733.html">http://blog.livedoor.jp/kondo_kodomo/archives/943733.html
<引用>
全国的にインフルエンザの流行が続いているようです。

船橋でも結構A型インフルエンザの報告は多く、当院でも今月に入って毎週A型インフルエンザの患者さんを診ています。
3週間前の葛飾中学校の生徒さんは、部活で集団で発症していたので保健所で検査をした結果、新型と診断されました(リレンザという抗インフルエンザ薬ですぐに良くなりました)。

感染症情報にも書きましたが、今は「クラスター・サーベイランス」と言って、学校やグループなどでの集団発生以外では(重症化した場合は別)原則的に新型かどうかの検査はしてくれません。 ですが、流行状況から考えて、今A型と診断されているインフルエンザはまず「新型」と言ってよいでしょう。

さて、私のブログにコメントくださった「ママさん」も心配されていますが、新型インフルエンザはどれ程恐いものなのでしょうか?

今までの日本での流行状況や情報(普通のテレビ・新聞ではなく、医療関係者用の情報掲示板やメーリングリスト)、自分で診察した患者さんの重症度を総合的に判断すると、今のところ過度に心配する必要はないと感じています。

最近は死亡例や人工呼吸器が必要な重症者も報道されていますが、実は毎年冬に流行する「季節性インフルエンザ」でも死者は出ているのです。 
その数は・・・・、流行の程度にもよりますが、今回の様な基礎疾患のあるお年寄りなどがインフルエンザが基で亡くなる(超過死亡と言います)人数は、毎年数千人から多い年には1万人以上いると言われています。
こどものインフルエンザ脳症も毎年数十人以上報告がありますが、この辺は全く報道されていませんね。

新型インフルエンザは基本的にはAソ連型と同じH1N1というタイプのウイルスですが、抗原性(性質)がかなり異なっているので、今までにAソ連型のインフルエンザに罹っていても、ワクチンを受けていてもほとんど役にたたないと考えられます。

とういことは、罹ってしまうとインフルエンザが発症してしまうことが多く、次々と流行が広がる事を意味します。
ただ冷静に考えてみれば、今までの「季節性インフルエンザ」でも、一度もインフルエンザに罹った事もワクチンを受けたことの無いこどもが全て重症化しているのではない訳で、今回の新型でも死亡率や重症化率が特に高いわけではないので、過度の不安を持つ必要はないと思っています。

ただしインフルエンザは重症化したり死亡する事もある恐い感染症ですから、体力をつけて、出来るだけ罹らないように不要な人込みを避け、手洗い・うがいなどをしっかりしておきましょう。

さてワクチンについてですが、新型に対するワクチンは国の一括管理になりそうです。 そうなると優先順位によっての接種になるので希望しても受ける事が出来ないかもしれません。

季節性インフルエンザで弱ったところに新型が感染すれば重症化のリスクは高まると考えられますから、せめて従来のウイルスに対するワクチンは早目に受けておいた方が良いでしょう。
季節性インフルエンザに対するワクチン(従来通り、Aソ連・A香港・Bの三種類のウイルスが入ったワクチンです)は、例年通り供給される予定です。

<引用終わり>