20世紀最高のソプラノ歌手と評されたマリア・カラス。
そのカラスの「オペラ・アリア名唱集」、カタリナ の病室に持ち込んだものの、聴いている様子はない。
気分転換になればと、まず持ち込んだのが倍賞智恵子の「叙情歌全集」。
このアルバム、さくら貝の歌、白い花の咲く頃、浜辺の歌などが収録されていて、彼女の澄んだソプラノと衒いのない歌唱が相俟って、音量を絞って聞き流していると癒されると思ったのだが、カタリナ、もうひとつ馴染まないよう。
一緒に持ち込んだのが、サン・ピエール・ド・ソレーム修道院聖歌隊の「グレゴリアン・チャント」、早い話がグレゴリオ聖歌。
ソレームの鐘の音に続いて、キリエ(あわれみの賛歌)、グローリア(栄光の賛歌)、クレド(信条告白)、サンクトス(聖なるかな)、アニュス・ディ(神の子羊)、アレルヤ唱などと続く。
今は行なわれていないが、Y 神父様が夙川教会の主任司祭の頃、第三週はこのラテン語ミサで用いられる聖歌形式で行なわれ、♪ キリエ・エレイソン(主よ、憐れみたまえ)と歌ったものだが、このCDは稀に病室でも流れているようだ。
話が逸れたが、もともと彼女、歌、ましてや歌謡曲などに興味をもったことがない人。
で、少し場違いかなと思いつつも、選んだのがマリア・カラス。
ある晴れた日に、恋は野の鳥などのアリアが収録されていて、しみじみしたい夜などに聴いていると癒されるが、病室にはどうだったのだろうか?
そのマリア・カラスに負けず劣らずの歌手、差し詰め日本では美空ひばりだと言えばオペラフアンに嗤われるか?
現役時代、付き合いの席でマイクを握らされ、♪ 勝つと思うな思えば負けよ (柔/詞:関沢新一)なんて、サラリーマン教訓歌みたくのを唸る程度だったが、三年ほども前、音楽配信の iTunes で、昴、恋人よなどのカバーソングを試聴、歌唱力に驚き、勢いで数曲ダウンロードしたことがある。
その経緯、かつて<ミモザ‐散歩道>でも書いた。
件のカバーソング、長い間PCで埃を被っていたが、最近ほろ酔い加減の夜などに思い出したように再生、♪ お酒はぬるめの燗がいい (舟歌/詞:阿久悠)などと口ずさんでいる。
勿論、子供らの顰蹙を買うこと請け合いなので病室に持ち込んでないし、これからもそれはないが。
Peter & Catherine’s Travel. Tour No.682
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