ペトロとカタリナの旅を重ねて

あの日、あの時、あの場所で
カタリナと歩いた街、優しい人たちとの折々の出会い・・・
それは、想い出という名の心の糧 

セザンヌ 「松の大木があるサント=ヴィクトワール山」

2016年11月28日 |  ∟アメリカの美術館

 ※ ワシントンDC/フリップスコレクション(10) ‐ DC&NYの美術館にみる泰西名画選(10)

 近代絵画の父と呼ばれたポール・セザンヌ(1839-1906/フランス/後期印象派)。

 南仏の小さな町エクス=アン=プロヴァンスで絵の勉強を続けていた<セザンヌ>。
 60年頃、友人エミール・ゾラ(1840-1902/小説家)を追って念願のパリに出たものの、大都会の雰囲気に馴染めず、エクスとパリを往復し乍ら制作を続けたが、作品はほとんど理解されなかったという。

 結婚、息子の誕生、確執のあった父の死などもあって、80年頃にエクスに戻ったとされている。

 そのセザンヌが、ヴィクトワール山を生家ジャ・ド・ブーファン近郊から描いた 「松の大木があるサント=ヴィクトワール山」(1886-87年/79.4 x 92.4 cm)が今回の作品。

 本作、彼のもうひとつの 「<サント=ヴィクトワール山と大きな松の木>」(1885-87年/66.8×92.3cm/コートールドコレクション蔵)と、ほぼ同じ視点で描かれている。
 その違いを例えれば、フリップス版が広角、コートールド版が望遠レンズで切り取られたと言えば大雑把か?

 青みがかった稜線のヴィクトワール山を背景に、アルク川の堰堤が吐き出す豊かな水に恵まれた田園風景が広がっている。
 前景には、枝葉が覆う松の木が配され、恰も画布に見立てたような引き締まった印象を与えている。

 このモチーフで水彩・油彩など何枚か描いてい、セザンヌの故郷に寄せる深い愛情が見て取れる。
 Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1220


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