※ ドイツ ‐ カッセル/ヴィルヘルムスヘーエ城・古典絵画館編(10) ‐ 中欧美術館絵画名作選(113)
レンブラント・ファン・レイン(1606-1669)ほど自画像の多い画家はいないとされている。
一般的には、単独画としては、油彩だけで56点、サスキアと二人で描いたもの、聖書物語に自身をなぞらえたもの、さらにエッチング、素描を加えると100点近く現存するという。
1624年、アムステルダムのピーテル・ラストマンのもとで半年間の修行を終えた彼はライデンに戻り、同郷の画家ヤン・リーフェンスと共同でアトリエを構えた。
1627年と言えば21歳、たぎる野望を持て余すかのように、鏡を睨みながら自分の顔を描いたのだろう。
私的(習作)に描かれたこれら作品(左三枚組)では、巻き毛にあたる光を表現するために、木製の筆の柄の先端でキャンバスをひっかくなど、独創的なテクニックを使った自由な表現がなされたという。
また、彼自身はどの防衛軍にも所属していなかったが、甲冑を身にまとった凛とした姿(右二枚組)からは若きオランダ人としての誇りが見て取れる。
§ 「1627年の自画像」(左/24×17cm/カッセル国立美術館蔵)
§ 「1628年の自画像」(中/23×19cm/アムステルダム国立美術館蔵)
§ 「1629年の自画像」(右/16×13cm/ミュンヘン/アルテ・ピナコテーク蔵)
§ 「1629年の(甲冑をつけた)自画像」(左/38×31cm/カッセル国立美術館蔵)
§ 「1629年の(甲冑を着けた)自画像」(右/38×29cm/デン・ハーグ/マウリッツハイス蔵)
と、いうことで草創期の「自画像」を取り上げた小編、“ 世界で一番自分の顔を描いた男 ” とタイトルを気取ってみた。
なお、原題は全作品 「Self - portrait」といたって素っ気ないが、便宜上、タイトルに制作年を冠した。
カッセル国立美樹館、投稿したい作品は残るが、オーストリア、ドイツと聊か長居をしたようだ。
これで、ひとまずフランクフルトに戻り、ある美術研究所を足早に回り、“ 中欧美術館絵画名作選 ” を終えることとする。
Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1437
ところで110回を超える中欧美術館の旅、いよいよフィナーレですか。
少し淋しい気もしますが、残るフランクフルト、多分あの美術館だろうと思いますが、楽しみにしています。
何時もコメントありがとうございます
カテゴリー欄を見れば判ると思うけど「スペイン/ポルトガル美術館編」がゼロに近いでしょう
そろそろと思っているのですが、その前にフランクフルト、少しお付き合い下さい
まさに天賦の才ですね
個人としては 「1628年の自画像」(アムステルダム国立美術館蔵)が好きです