ペトロとカタリナの旅を重ねて

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世界で一番自分の顔を描いた男

2017年11月14日 |  ∟ドイツの美術館

 ドイツ カッセル/ヴィルヘルムスヘーエ城・古典絵画館編(10) 中欧美術館絵画名作選(113)

 レンブラント・ファン・レイン(1606-1669)ほど自画像の多い画家はいないとされている。
 一般的には、単独画としては、油彩だけで56点、サスキアと二人で描いたもの、聖書物語に自身をなぞらえたもの、さらにエッチング、素描を加えると100点近く現存するという。

 1624年、アムステルダムのピーテル・ラストマンのもとで半年間の修行を終えた彼はライデンに戻り、同郷の画家ヤン・リーフェンスと共同でアトリエを構えた。
 1627年と言えば21歳、たぎる野望を持て余すかのように、鏡を睨みながら自分の顔を描いたのだろう。

 私的(習作)に描かれたこれら作品(左三枚組)では、巻き毛にあたる光を表現するために、木製の筆の柄の先端でキャンバスをひっかくなど、独創的なテクニックを使った自由な表現がなされたという。

 また、彼自身はどの防衛軍にも所属していなかったが、甲冑を身にまとった凛とした姿(右二枚組)からは若きオランダ人としての誇りが見て取れる。

    

 § 「1627年の自画像」(左/24×17cm/カッセル国立美術館蔵)
 § 「1628年の自画像」(中/23×19cm/アムステルダム国立美術館蔵)
 § 「1629年の自画像」(右/16×13cm/ミュンヘン/アルテ・ピナコテーク蔵)

 § 「1629年の(甲冑をつけた)自画像」(左/38×31cm/カッセル国立美術館蔵)
 § 「1629年の(甲冑を着けた)自画像」(右/38×29cm/デン・ハーグ/マウリッツハイス蔵)

 と、いうことで草創期の「自画像」を取り上げた小編、“ 世界で一番自分の顔を描いた男 ” とタイトルを気取ってみた。
 なお、原題は全作品 「Self - portrait」といたって素っ気ないが、便宜上、タイトルに制作年を冠した。

 カッセル国立美樹館、投稿したい作品は残るが、オーストリア、ドイツと聊か長居をしたようだ。
 これで、ひとまずフランクフルトに戻り、ある美術研究所を足早に回り、“ 中欧美術館絵画名作選 ” を終えることとする。
 Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1437


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4 コメント

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そうなんですね (旅人)
2017-11-14 11:51:27
自画像が多いとは思っていましたが、そんなに描いていたとは思いもしませんでした。
ところで110回を超える中欧美術館の旅、いよいよフィナーレですか。
少し淋しい気もしますが、残るフランクフルト、多分あの美術館だろうと思いますが、楽しみにしています。
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こんばんは (petro)
2017-11-14 17:46:21
旅人さん
 何時もコメントありがとうございます
 カテゴリー欄を見れば判ると思うけど「スペイン/ポルトガル美術館編」がゼロに近いでしょう
 そろそろと思っているのですが、その前にフランクフルト、少しお付き合い下さい
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Unknown (テレジア)
2017-11-14 20:44:02
自画像ラッシュ、おもしろかったです。特に、若い頃のは。晩年編もお願いしたいのですが、フランクフルトに旅立つのですね。また何かの機会に。楽しみに読んでいます。
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こんばんは (petro)
2017-11-14 23:44:45
テレジアさん
 まさに天賦の才ですね
 個人としては 「1628年の自画像」(アムステルダム国立美術館蔵)が好きです
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