※ ドイツ ‐ ハンブルク/ハンブルガー・クンストハレ編 (3) ‐ 中欧美術館絵画名作選 (94)
束の間の優しい陽ざしの午後、ハンブルガー・クンストハレ、ハンブルク市立美術館にいる。
のっけから話はそれるが、小はレンブラント(1606-1669)の 「<麦わら帽子のサスキア>」(18.5×10.7cm/ゲマルデ・ギャラリー蔵)、大はミケランジェロ(1475-1564)の天井画 「天地創造」(1300×3600cm/システィーナ礼拝堂)、サイズに限って言えばピンからキリまで見た。
額装された大きな作品となれば、イタリアの画家ヴェロネーゼ(1528-1588)の 「<カナの婚礼>」(677×994cm/ルーヴル美術館蔵)には驚かされたが、それに匹敵する画家の作品がここハンブルグにあった。
ハンス・マカルト(1840-1884/オーストリア/アカデミック美術)の 「カール5世のアントワープ入城」(1878年)である。
そのサイズたるや520×952 cm、大きな展示室の壁に架かった、否、どんと置かれたそのでかさ、鑑賞者との対比で実感できようというもの。
もちろんでかいだけじゃない、芸術的価値もあるのだろう、多分。
王の画家にして画家の王と呼ばれ、アントワープで活躍したバロック期を代表する画家<ルーベンス>(1577-1640)の生誕300年を記念して制作されたという本作、公開当時から人気を博したとされている。
ハプスブルグ家第三代当主にして神聖ローマ帝国のローマ皇帝カール5世、スペイン国王としてはカルロス1世と呼ばれた大航海時代に、陽の沈まない国と称される大帝国を築いた。
第三次イタリア戦争においてカール5世、イングランド王<ヘンリー8世>と教皇国家連合を結成、フランス王フランソワ1世とその同盟国ヴェネツィア共和国連合と対戦、フランドル地方を併合したという。
そのカール5世が、当時のフランドル地方の中心アントワープ城に入る場面を描いた本作、中央の皇帝をなぜか半裸の美女軍団が取り囲み、きらびやかな服を纏った市民が迎えるという、なかなかもって豪華絢爛、ルーベンス好みの作品でありました。
ところで次回から 「もう少し短くしてくれる?」、う~ん、でっかい絵に合わせた訳じゃないンだけどねえ。
Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1382
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