※ ドイツ/ドレスデン国立美術館編 ‐ 中欧美術館絵画名作選(11)
初期ルネサンスで最も業績を遺したフィレンツェ派の画家サンドロ・ボッティチェリ(1445-1510)。
いきなり横道だが、今、東京都美術館で 「ボッティチェリ展」(朝日等主催/4月3日迄)が開催中。
そこでは 「書物の聖母」(ミラノ・ペッツォーリ美術館蔵)、日本に唯一所蔵される 「美しきシモネッタの肖像」(上段左/丸紅社蔵)などが架っているとか。
余談だが、ボッティチェリ、当時のフィレンツェの人々から La Bella = 美しき、と呼ばれたシモネッタ・ヴェスプッチの肖像画を、知る限りにおいてだが三枚遺している。
そのうちの 「理想の女性像」(上段中/フランクフルト・シュテーデル美術館蔵)と 「若い女性の肖像画」(上段右/ベルリン・ゲマルデ・ギャラリー蔵)は、この中欧の旅でそれぞれ出会っている。
話のそれ序に、東京の国立西洋美術館では 「カラバッジョ展」 (読売等主催/6月12日迄)も開催中とか。
在京の知り合いからも、「ボッティチェリ展ともども観に来ない?」と誘われているのだが、例によって<決められない>僕(やつがれ)、二の足を踏んだままだ。
それっ放しの話を戻して、そのボッティチェリの 「聖母子と洗礼者聖ヨハネ」(下段左)が今回の作品。
ちなみに、ボッティチェリ、本作と主題も構図も、画題までも同じ 「聖母子と洗礼者聖ヨハネ」(下段中/ルーヴル美術館蔵)を描いている。
本作らは、来日中の 「書物の聖母」(下段右)などと同様、“ 繊細でありながら古典を感じさせる優美で洗練された線描手法を用いる彼の技法 ” が、如何なく発揮されているのだとか。
ところで、<聖母子の画家>ラファエロ(1483-1520/盛期ルネサンス)など、裸で描かれることが多い幼子イエスだが、ボッティチェリの作品では薄物を着けてい、同じルネサンスでも初期と盛期で宗教画に対する理解、受け止め方に違いが見て取れ、面白い。
と、ここまで書いて、<理想の女性?>でも触れたが彼の描くところの女性、小編では聖母マリアとシモネッタが同じ顔に見えてしまうのはペトロ だけか?
とまれ、何れの作品も小さいので拡大して、彼が理想とする女性、篤と御覧(ごろう)じあれ。
Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1108
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