ペトロとカタリナの旅を重ねて

あの日、あの時、あの場所で
カタリナと歩いた街、優しい人たちとの折々の出会い・・・
それは、想い出という名の心の糧 

続・ボッティチェリ ‐ アルテ・マイスター(10)

2016年03月21日 |  ∟ドイツの美術館

 ※ ドイツ/ドレスデン国立美術館編 ‐ 中欧美術館絵画名作選(12)

 サンドロ・ボッティチェリ(1445-1510/イタリア/初期ルネサンス・フィレンツェ派)の二回目。

 今回の作品は、初期キリスト教時代のフィレンツェ司教聖ゼノビウスの奇跡を描いた、四枚からなる連作 「聖ゼノビウス伝からの四つの場面」。

 第一の 「聖ゼノビウスの洗礼と司教の務め」(上段/左)と第二の 「聖ゼノビウスの三つの奇跡」(上段/右)は、ロンドン・ナショナル・ギャラリーが所蔵。
 第二と同主題の第三 「聖ゼノビウス三つの奇跡」(下段/左)は、NY・メトロポリタン美術館が所蔵している。

   

 そして、ここアルテ・マイスターが所蔵するのが第四の 「聖ゼノビウスの最後の奇跡」(下段/右)。

 その主題は、ローマへ巡礼中のフランス人の母と息子、フィレンツェで息子が病気になり知人に預けてローマへと向かう。
 巡礼を終えた母親がフィレンツェへ戻ると、息子は亡くなったばかりだと知る。
 絶望に落ちた母親は、“ サン・ピエール・マッジョーレ教会へ行進する司教の所に息子を運び、甦らせてと懇願、司教が跪き神に祈ると生き返ったとされる ” という聖人最後の奇跡。

   

 本作でボッティチェリは、左部に、遊んでいた子供が荷車で事故死した場面を、中央部には、母親が聖ゼノビウスに死んだ子に会わせてと泣き叫び、その願いが叶えられて子供が蘇る場面を。
 そして、右部では、聖ゼノビウスの臨終で、祈りを唱えながら賛美している場面を表現している。
 何れの作品も小さいので拡大してご覧頂ければと思う。

 物語性のある連作と言えばボッティチェリは、四枚からなる 「ナスタジオ・デリ・オネスティの物語」を描いているが、07年<カミノ・ディ・サンティアゴの巡礼>の折、プラド美術館で第一から第三までに出会ってい、機会があれば紹介したい。
 Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1109

 ※ 「ボッティチェリ ‐ アルテ・マイスター(9)」へは、<コチラ>からも入れます。


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