モネを訪ねる旅、如何でしたか?
マルモッタン美術館に、「印象 ‐ 日の出」、少し足を伸ばしてルーアン美術館に、「ルーアン大聖堂」「サン・ドニ街、1878年6月30日の祝日」などを訪ねてきました。
モネを訪ねるならば、彼のみならず印象派の秀作の多くを収蔵するオルセー美術館を外すことはできません。
が、それは別の機会に譲るとして、<クロード・モネ>から始めたこの旅。
これから訪れるこの美術館を中締めとして、ひとまずお別れすることにしました。
ところで、彼が描いた多くの絵のなかで、一番知られているのはやはり、「連作 ‐ 睡蓮」ではないでしょうか。
以前にも書きましたが、彼はパリ郊外のジヴェルニーの自宅兼アトリエの庭に池を造り、睡蓮や日本風の橋など、実に多くの作品を描いています。
となれば、オランジュリー美術館(写真上)を、訪ねない訳にはいかないでしょう。
何しろここには、最愛の妻アリスと長男ジャンの相次ぐ死。
そして、白内障を患い失明の危機にあった最晩年に、衰える制作意欲を奮い立たせ、人生の最後を託して手がけた8枚からなる、「大壁画 ‐ 睡蓮」があるのですから。
ちなみにモネは、絵が売れず困窮の暮らしを共にした最初の妻カミーユに、32歳という若さで先立たれます。
彼は、カミーユと彼女との間の愛息ジャンを、「散歩、日傘をさす女性」(写真中/オルセー美術館蔵)や「アルジャントゥイユのひなげし」(写真下/同美術館蔵)などに描き遺しています。
オランジュリー美術館、例によって少し道草をしながら、これから数回にわたって連載します。( )