アジア・オセアニアNews blog ~お日様とお月様の光と影~

アジア・オセアニア地域の通信社が配信する記事から『中国の領土紛争問題』を伝え日本の安全保障などのニュースブログ。

首相 今夜報告受け制裁 部解除判断 (NHK NEWSWEB) 

2014年07月02日 | 第二次朝鮮戦争と韓国の内政問題
首相 今夜報告受け制裁 部解除判断 (抜粋記事)
NHK NEWSWEB 7月2日 16時05分

安倍総理大臣は2日、岩手県大槌町で記者団に対し、日本と北朝鮮との政府間協議の内容について夜、報告を受け、拉致被害者らを調査するための「特別調査委員会」が実効性のある組織か見極めたうえで、制裁措置の一部解除を判断する考えを示しました。

1日に中国で行われた日本と北朝鮮との政府間協議で、北朝鮮側は拉致被害者を含むすべての日本人行方不明者の調査を行うための「特別調査委員会」の組織や責任者などを説明しました。

これに関連して、安倍総理大臣は訪問先の岩手県大槌町で記者団に対し、「この視察を終えて東京に帰ってから、交渉のもようについて報告を受ける」と述べ、協議に出席した外務省の伊原・アジア大洋州局長らから2日夜、報告を受けることを明らかにしました。

そのうえで、安倍総理大臣は「政府間協議がスタートし、特別調査委員会を立ち上げることも決まっている。その中身、そして北朝鮮の誠意が果たして本当にあるのかどうかを見極めて判断していきたい」と述べ、北朝鮮が設置する「特別調査委員会」の組織や責任者などを分析し、実効性のある組織か見極めたうえで、制裁措置の一部解除を判断する考えを示しました。

 以下省略

日本の新防衛方針 中国の脅威が背景 (ウォールストリートジャーナル)

2014年07月02日 | 東アジアニュース
 さよなら朝鮮民族!サヨナラ韓国のおばさん大統領

 日本はASEAN諸国と共に
 中国と韓国との時代遅れな中華思想に基づく排外主義を瓦解させよう!


【社説】日本の新防衛方針-中国の脅威が背景
ウォールストリートジャーナル 2014 年 7 月 2 日 09:51 JST

 日本政府は1日の閣議で、憲法を再解釈して集団的自衛権の行使を容認することを決めた。アジアの民主主義諸国の安全保障を強化する重大かつ長年懸案だった決定だ。だが、これと同じほどに重要だと思われるのは、この決定が中国の行動が大きなきっかけであることを北京(中国政府)に思い至らせるだろうという点だ。つまり、東シナ海での中国の侵略的な行動が、日本をこの地域でより積極的な役割を担うように決意させたということだ。

 安倍晋三首相はタカ派であり、集団的自衛権をめぐる今回の動きを強く推進してきたが、他方で、日本の安保環境の変化がそれを必要で不可避なものにした。こうした変化には、中国の軍事力が急速に拡大していることや、係争水域の尖閣諸島の現状(ステータス・クオ)変更のため中国が力を行使していることが含まれている。

 中国外務省は1日、猜疑(さいぎ)の目をもって反応した。また国営新華社通信は論評で、日本は「戦争の亡霊とたわむれている」と非難した。しかし過去5年間にわたって、この東アジア地域全体を警戒させてきたのは、中国の好戦的な発言であり、その一方的な行動だった。

 日本が軍国主義的な過去に戻るというのは問題外である。今回の変更は日本の軍事力に課されている多くの制限を取り払うものではない。むしろ、それは一つのプロセスの中の漸進的な一歩であって、そのプロセスは続くかもしれないし、続かないかもしれない。それはおおむね中国の行動次第だろう。安倍氏は、平和主義的な連立パートナーである公明党の支持を取り付けるため、譲歩しなければならなかった。したがって日本の集団的自衛権は非常に限定的だ。

 集団的自衛のドクトリンによって、日米防衛同盟における日本の役割はより対等なものになるろう。日本の自衛隊は、日本の沿岸越えた水域ではどのような紛争でも、矛先としての役目を果たす公算はほとんどないが、例えば部隊防護には参加するかもしれない。日本と米国を北朝鮮の攻撃から守るため、イージス搭載艦がミサイル防衛システムに統合される可能性もあるだろう。

 平和主義的な日本国憲法は、第2次世界大戦後に米国が日本に課したものだが、それを弱体化することに対し日本の一般国民に依然ためらいがあることは頭にとどめておくべきだ。幾つかの主要なニュースメディアが今月実施した世論調査では、日本人の過半数が集団的自衛権の再解釈に反対していることが判明した。安倍政権はこの再解釈を可能にするため憲法改正によらずに閣議決定という形を使った。このため同政権は、今回の変更を慎重に履行しなければ、一般国民の反発によって弱体化しかねない。

 地域的にも、日本は用意周到に足を踏み出さねばならない。とりわけ韓国に対してはそうだ。韓国政府は1日、日本が朝鮮半島における集団的防衛に韓国の招請なしで参加するのは容認されないと慎重な姿勢で強調した。日本の植民地支配下に置かれた韓国人の痛い記憶があり、したがって、遠くない将来に日本が韓国防衛に参加する公算はほとんどない。

 ただ、他の民主主義諸国との安全保障上の関係を強化する余地は増えるかもしれない。日本はフィリピンとベトナムに対して沿岸警備艇を供給すると約束しており、オーストラリアとの間では潜水艦の共同開発の取り決めに署名した。こうした関係は今後、拡大するかもしれない。
 一方、オバマ政権は軍事費を削減しており、敵対勢力が一線を越えた場合の軍事行動に消極的になっている。この結果、アジアでは米国が提供する安保に対する信頼性に懸念が高まっている。日本は、同盟パートナーとしての自らの価値を証明しなければならないことを認識している。それは同盟を支持する米国国内のコンセンサスを守るためでもある。

 この1年、今年が第1次世界大戦の開戦から1世紀になること、そして当時のヴィルヘルム2世時代のドイツと今日の中華人民共和国との類似点について多くのことが書かれてきた。権威主義的でノン・ステータス・クオ(現状打破志向)的な大国の台頭は、双方の政治家によって対応することができる。しかし平和の究極の保証は、民主主義諸国が団結して、侵略に対抗し、ルールに基づいた国際秩序を防衛する能力があるかどうかにかかっている。他の民主主義諸国の防衛に駆けつけねばならないという日本の認識は、アジアでの平和維持に決定的に重要なのだ。

日本の集団的自衛権の行使容認を歓迎 米政府 (ウォールストリートジャーナル)

2014年07月02日 | 日米同盟と日本の安全保障
 日本の集団的自衛権の行使容認を歓迎=米政府
ウォールストリートジャーナル 2014 年 7 月 2 日 09:23 JST 更新


ヘーゲル米国防長官は1日、日本の安倍晋三内閣が集団的自衛権の行使容認を決定したことについて歓迎の意を表明した。オバマ政権はこれまで、日本がアジア地域でより大きな軍事的役割を引き受けるよう働き掛けてきた。

 ヘーゲル長官は、今回の決定により「日本はより広範な軍事作戦に従事できるようになり、日米同盟はさらに実効あるものになろう」とし、「地域や世界の平和と安全保障への貢献を拡大しようとしている日本にとって重要な一歩だ」と評価した。

 カービー国防総省報道官は、国防総省は日本の今回の行動がアジア地域の緊張を激化させるとは思っていないと述べた。同報道官は「日本の決定は非常に有益であり、我々の見方ではこれが緊張を激化させると懸念する理由はない」と指摘。「それどころか、地域の安全保障や安定に資すると判断している」と述べた。


 小野寺五典防衛相は来週訪米してヘーゲル長官と会談し、日米間の安全保障関係について話し合うことになっている。米政府は、集団的自衛権の行使容認に関する日本政府の決定を待って、日米防衛協力の指針(ガイドライン)再改定のための協議を加速させる意向だった。両国はガイドラインの再改定を年末までに終えたいと希望している。

 米政府は、日本の今回の決定により、インド洋での米艦船補給から、北東アジア地域での米艦船に対するミサイル攻撃の脅威の低下まで、日本の米軍への支援がはるかに容易になると期待している

 ある米政府当局者は「我々は、北東アジアだけでなく世界中において、将来起こり得るさまざまな課題への対応で柔軟性が大きく増すと考えている」と語った。

 一方、日米両国は日本の集団的自衛権行使について、日本の近隣諸国、とりわけ韓国の懸念を緩和することに努めている。同当局者はこれに関連して「やるべきことがあるが、超えられない問題ではない」と述べ、近隣国の理解を得ることへの自信を示した。

香港でデモ隊2百人を強制排除 民主主義訴えの若者らを警官隊  (共同通信)

2014年07月02日 | 中国の内政問題・少数民族弾圧
香港でデモ隊2百人を強制排除 民主主義訴えの若者らを警官隊 
共同通信47news 2014/07/02 10:56 】

 【香港共同】香港の警官隊は2日未明(日本時間同)、大規模反中デモに参加後に中心部の代表的なビジネス街「セントラル(中環)」の車道を占拠して座り込みをしていた若者ら約千人の強制排除に乗り出し、約200人を拘束した。

 香港で、中国への返還記念日の7月1日に毎年行われているデモで、これだけ多数の参加者が拘束されたのは異例。香港の民主主義を守ろうと訴えて1日午後から始まり、主催者発表で51万人が参加したデモは約17時間半を経て終結したが、市民の反中感情がさらに高まり、香港情勢が不安定化するのは必至だ。


米国防長官、指針再改定へ協議本格化 (時事通信)

2014年07月02日 | 日米同盟と日本の安全保障
米国防長官、指針再改定へ協議本格化 大統領副補佐官「韓国と対話を」
時事通信 2014/07/02-08:44)

【ワシントン時事】ヘーゲル米国防長官は1日、集団的自衛権行使を容認する日本政府の新たな憲法解釈について声明を出し「日米防衛協力の指針(ガイドライン)再改定を通じて同盟関係を近代化しようとしてきた米国の努力を完全なものにする」と評価した。その上で「小野寺五典防衛相との意見交換を楽しみにしている」と述べ、11日にワシントンで行われる日米防衛相会談を機に、年末のガイドライン再改定に向けた協議を本格化させたいとの考えを示した。

 ヘーゲル長官はこの中で「日本の新たな政策は自衛隊がより広範な軍事行動に携わることを可能にし、米日同盟をさらに一層効果的にするもので、歓迎する」と表明。「今回の決定は、地域・世界の平和と安全に一層貢献しようとしている日本にとって重要な一歩だ」とも指摘した。 一方、ローズ大統領副補佐官も1日の記者会見で「この政策は同盟を成熟させる作業の一環だ。ホワイトハウスは歓迎する」と述べ、オバマ大統領も新たな憲法解釈を支持していることを明らかにした。ただ、副補佐官は「日韓両国が対話を続けることを期待する」とも語り、韓国から理解を得る努力を継続するよう日本に促した。 

安倍首相会見要旨 (時事通信)

2014年07月02日 | 憲法改正と日本の安全保障
安倍首相会見要旨
時事通信 2014/07/01-20:46)

安倍晋三首相の1日の記者会見要旨は次の通り。



【集団的自衛権】
 いかなる事態にあっても国民の命と平和な暮らしは守り抜いていく。本日、新しい安全保障法制の整備のための基本方針を閣議決定した。海外で紛争が発生し、日本人を同盟国の米国が救助、輸送しているとき、日本近海で攻撃を受けるかもしれない。わが国への攻撃ではないが、日本人の命を守るために自衛隊が米国船を守れるようにするのが今回の閣議決定だ。他に手段がないときに限られ、かつ必要最小限度でなければならない。現行憲法の基本的考え方は、今回の閣議決定でも何ら変わらない。海外派兵は一般に許されないという従来の原則も全く変わらない。自衛隊がかつての湾岸戦争やイラク戦争での戦闘に参加するようなことはこれからも決してない。

 日本国憲法が許すのは、あくまでわが国の存立を全うし、国民を守るための自衛の措置だけだ。外国の防衛自体を目的とする武力行使は今後とも行わない。万全の備え自体が日本に戦争を仕掛けようとするたくらみをくじく大きな抑止力を持つ。今回の閣議決定で、日本が戦争に巻き込まれる恐れは一層なくなっていく。日本が再び戦争をする国になることは断じてあり得ない。
 関連法案の作成チームを立ち上げ、直ちに作業を開始したい。十分な検討を行い準備ができ次第、国会に法案を提出し、審議いただきたい。私たちの平和は、私たち自身で築き上げるほかに道はない。

 -武力行使の歯止めは。
 憲法の規範性を変更するものではなく、(自衛権発動の)新3要件は憲法上の明確な歯止めとなっている。実際の行使に当たっても国会承認を求める。日本が戦後一貫して歩んできた平和国家としての歩みは変わることはない。今回の閣議決定はむしろその歩みをさらに力強いものにしていく。

【日朝協議】
 -日米韓の協調関係に影響を及ぼすのでは。
 (日本側)代表団が帰国後に、北朝鮮側の説明についてきちんと報告を受けた後に、しっかりと見極め(制裁解除は)適切に判断していく。北朝鮮をめぐる問題は平素から米国や韓国と緊密に連携を取っている。今後も引き続き連携していく。日朝政府間協議の開催によって日米韓の連携に悪影響が出ることはない。




閣議決定全文 集団的自衛権  3、憲法第9条の下で許容される自衛の措置 (時事通信)

2014年07月02日 | 憲法改正と日本の安全保障
閣議決定全文 集団的自衛権  3、憲法第9条の下で許容される自衛の措置 (抜粋記事)
時事通信 2014/07/01-21:33)

 前文省略


 3、憲法第9条の下で許容される自衛の措置


 (1)わが国を取り巻く安全保障環境の変化に対応し、いかなる事態においても国民の命と平和な暮らしを守り抜くためには、これまでの憲法解釈のままでは必ずしも十分な対応ができないおそれがあることから、いかなる解釈が適切か検討してきた。その際、政府の憲法解釈には論理的整合性と法的安定性が求められる。従って、従来の政府見解における憲法第9条の解釈の基本的な論理の枠内で、国民の命と平和な暮らしを守り抜くための論理的な帰結を導く必要がある。


 (2)憲法第9条はその文言からすると、国際関係における「武力の行使」を一切禁じているように見えるが、憲法前文で確認している「国民の平和的生存権」や憲法第13条が「生命、自由および幸福追求に対する国民の権利」は国政の上で最大の尊重を必要とする旨定めている趣旨を踏まえて考えると、憲法第9条が、わが国が自国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために必要な自衛の措置を取ることを禁じているとは到底解されない。一方、この自衛の措置は、あくまで外国の武力攻撃によって国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫、不正の事態に対処し、国民のこれらの権利を守るためのやむを得ない措置として初めて容認されるものであり、そのための必要最小限度の「武力の行使」は許容される。これが、憲法第9条の下で例外的に許容される「武力の行使」について、従来政府が一貫して表明してきた見解の根幹、いわば基本的な論理であり、昭和47(1972)年10月14日に参院決算委員会に対し政府から提出された資料「集団的自衛権と憲法との関係」に明確に示されているところである。
 この基本的な論理は、憲法第9条の下では今後とも維持されなければならない。


 (3)これまで政府は、この基本的な論理の下、「武力の行使」が許容されるのは、わが国に対する武力攻撃が発生した場合に限られると考えてきた。しかし、冒頭で述べたように、パワーバランスの変化や技術革新の急速な進展、大量破壊兵器などの脅威等によりわが国を取り巻く安全保障環境が根本的に変容し、変化し続けている状況を踏まえれば、今後他国に対して発生する武力攻撃であったとしても、その目的、規模、態様等によっては、わが国の存立を脅かすことも現実に起こり得る。
 わが国としては、紛争が生じた場合にはこれを平和的に解決するために最大限の外交努力を尽くすとともに、これまでの憲法解釈に基づいて整備されてきた既存の国内法令による対応や当該憲法解釈の枠内で可能な法整備などあらゆる必要な対応を取ることは当然であるが、それでもなおわが国の存立を全うし、国民を守るために万全を期す必要がある。
 こうした問題意識の下に、現在の安全保障環境に照らして慎重に検討した結果、わが国に対する武力攻撃が発生した場合のみならず、わが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これによりわが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合において、これを排除し、わが国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないときに、必要最小限度の実力を行使することは、従来の政府見解の基本的な論理に基づく自衛のための措置として、憲法上許容されると考えるべきであると判断するに至った。


 (4)わが国による「武力の行使」が国際法を順守して行われることは当然であるが、国際法上の根拠と憲法解釈は区別して理解する必要がある。憲法上許容される上記の「武力の行使」は、国際法上は、集団的自衛権が根拠となる場合がある。この「武力の行使」には、他国に対する武力攻撃が発生した場合を契機とするものが含まれるが、憲法上は、あくまでもわが国の存立を全うし、国民を守るため、すなわち、わが国を防衛するためのやむを得ない自衛の措置として初めて許容されるものである。


 (5)また、憲法上「武力の行使」が許容されるとしても、それが国民の命と平和な暮らしを守るためのものである以上、民主的統制の確保が求められることは当然である。政府としては、わが国ではなく他国に対して武力攻撃が発生した場合に、憲法上許容される「武力の行使」を行うために自衛隊に出動を命ずるに際しては、現行法令に規定する防衛出動に関する手続きと同様、原則として事前に国会の承認を求めることを法案に明記することとする。


 4、今後の国内法整備の進め方
 これらの活動を自衛隊が実施するに当たっては、国家安全保障会議における審議等に基づき、内閣として決定を行うこととする。こうした手続きを含めて、実際に自衛隊が活動を実施できるようにするためには、根拠となる国内法が必要となる。政府として、以上述べた基本方針の下、国民の命と平和な暮らしを守り抜くために、あらゆる事態に切れ目のない対応を可能とする法案の作成作業を開始することとし、十分な検討を行い、準備ができ次第、国会に提出し、国会におけるご審議をいただくこととする。

閣議決定全文 集団的自衛権  2、国際社会の平和と安定への一層の貢献 (時事通信)

2014年07月02日 | 憲法改正と日本の安全保障
閣議決定全文 団的自衛権 1、武力攻撃に至らない侵害への対処 (抜粋記事)
時事通信 2014/07/01-21:33)

 前文省略

2、国際社会の平和と安定への一層の貢献
 

 (1)いわゆる後方支援と「武力の行使との一体化」
 

 ア いわゆる後方支援と言われる支援活動それ自体は、「武力の行使」に当たらない活動である。例えば、国際の平和および安全が脅かされ、国際社会が国際連合安全保障理事会決議に基づいて一致団結して対応するようなときに、わが国が当該決議に基づき正当な「武力の行使」を行う他国軍隊に対してこうした支援活動を行うことが必要な場合がある。一方、憲法第9条との関係で、わが国による支援活動については、他国の「武力の行使と一体化」することにより、わが国自身が憲法の下で認められない「武力の行使」を行ったとの法的評価を受けることがないよう、これまでの法律においては、活動の地域を「後方地域」や、いわゆる「非戦闘地域」に限定するなどの法律上の枠組みを設定し、「武力の行使との一体化」の問題が生じないようにしてきた。
 

 イ こうした法律上の枠組みの下でも、自衛隊は、各種の支援活動を着実に積み重ね、わが国に対する期待と信頼は高まっている。安全保障環境がさらに大きく変化する中で、国際協調主義に基づく「積極的平和主義」の立場から、国際社会の平和と安定のために、自衛隊が幅広い支援活動で十分に役割を果たすことができるようにすることが必要である。また、このような活動をこれまで以上に支障なくできるようにすることは、わが国の平和および安全の確保の観点からも極めて重要である。
 

 ウ 政府としては、いわゆる「武力の行使との一体化」論それ自体は前提とした上で、その議論の積み重ねを踏まえつつ、これまでの自衛隊の活動の実経験、国際連合の集団安全保障措置の実態等を勘案して、従来の「後方地域」あるいはいわゆる「非戦闘地域」といった自衛隊が活動する範囲をおよそ一体化の問題が生じない地域に一律に区切る枠組みではなく、他国が「現に戦闘行為を行っている現場」ではない場所で実施する補給、輸送などのわが国の支援活動については、当該他国の「武力の行使と一体化」するものではないという認識を基本とした以下の考え方に立って、わが国の安全の確保や国際社会の平和と安定のために活動する他国軍隊に対して、必要な支援活動を実施できるようにするための法整備を進めることとする。
 
 (ア)わが国の支援対象となる他国軍隊が「現に戦闘行為を行っている現場」では、支援活動は実施しない。
 (イ)仮に、状況変化により、わが国が支援活動を実施している場所が「現に戦闘行為を行っている現場」となる場合には、直ちにそこで実施している支援活動を休止または中断する。
 

 (2)国際的な平和協力活動に伴う武器使用
 

 ア わが国は、これまで必要な法整備を行い、過去20年以上にわたり、国際的な平和協力活動を実施してきた。その中で、いわゆる「駆け付け警護」に伴う武器使用や「任務遂行のための武器使用」については、これを「国家または国家に準ずる組織」に対して行った場合には、憲法第9条が禁ずる「武力の行使」に該当するおそれがあることから、国際的な平和協力活動に従事する自衛官の武器使用権限はいわゆる自己保存型と武器等防護に限定してきた。
 

 イ わが国としては、国際協調主義に基づく「積極的平和主義」の立場から、国際社会の平和と安定のために一層取り組んでいく必要があり、そのために、国際連合平和維持活動(PKO)などの国際的な平和協力活動に十分かつ積極的に参加できることが重要である。また、自国領域内に所在する外国人の保護は、国際法上、当該領域国の義務であるが、多くの日本人が海外で活躍し、テロなどの緊急事態に巻き込まれる可能性がある中で、当該領域国の受け入れ同意がある場合には、武器使用を伴う在外邦人の救出についても対応できるようにする必要がある。
 

 ウ 以上を踏まえ、わが国として、「国家または国家に準ずる組織」が敵対するものとして登場しないことを確保した上で、PKOなどの「武力の行使」を伴わない国際的な平和協力活動におけるいわゆる「駆け付け警護」に伴う武器使用および「任務遂行のための武器使用」のほか、領域国の同意に基づく邦人救出などの「武力の行使」を伴わない警察的な活動ができるよう、以下の考え方を基本として、法整備を進めることとする。
 

 (ア)PKO等については、PKO参加5原則の枠組みの下で、「当該活動が行われる地域の属する国の同意」および「紛争当事者の当該活動が行われることについての同意」が必要とされており、受け入れ同意をしている紛争当事者以外の「国家に準ずる組織」が敵対するものとして登場することは基本的にないと考えられる。このことは、過去20年以上にわたるわが国のPKO等の経験からも裏付けられる。近年のPKOにおいて重要な任務と位置付けられている住民保護などの治安の維持を任務とする場合を含め、任務の遂行に際して、自己保存および武器等防護を超える武器使用が見込まれる場合には、特に、その活動の性格上、紛争当事者の受け入れ同意が安定的に維持されていることが必要である。
 

 (イ)自衛隊の部隊が、領域国政府の同意に基づき、当該領域国における邦人救出などの「武力の行使」を伴わない警察的な活動を行う場合には、領域国政府の同意が及ぶ範囲、すなわち、その領域において権力が維持されている範囲で活動することは当然であり、これは、その範囲においては「国家に準ずる組織」は存在していないということを意味する。
 (ウ)受け入れ同意が安定的に維持されているかや領域国政府の同意が及ぶ範囲等については、国家安全保障会議における審議等に基づき、内閣として判断する。
 


 (エ)なお、これらの活動における武器使用については、警察比例の原則に類似した厳格な比例原則が働くという内在的制約がある。

 以下省略

閣議決定全文 集団的自衛権 1、武力攻撃に至らない侵害への対処 (時事通信)

2014年07月02日 | 憲法改正と日本の安全保障
閣議決定全文 団的自衛権 1、武力攻撃に至らない侵害への対処 (抜粋記事)
時事通信 2014/07/01-21:33)

 前文省略

 1、武力攻撃に至らない侵害への対処
 

(1)わが国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増していることを考慮すれば、純然たる平時でも有事でもない事態が生じやすく、これによりさらに重大な事態に至りかねないリスクを有している。こうした武力攻撃に至らない侵害に際し、警察機関と自衛隊を含む関係機関が基本的な役割分担を前提として、より緊密に協力し、いかなる不法行為に対しても切れ目のない十分な対応を確保するための態勢を整備することが一層重要な課題となっている。
 
 

(2)具体的には、こうしたさまざまな不法行為に対処するため、警察や海上保安庁などの関係機関が、それぞれの任務と権限に応じて緊密に協力して対応するとの基本方針の下、おのおのの対応能力を向上させ、情報共有を含む連携を強化し、具体的な対応要領の検討や整備を行い、命令発出手続きを迅速化するとともに、各種の演習や訓練を充実させるなど、各般の分野における必要な取り組みを一層強化することとする。
  


(3)このうち、手続きの迅速化については、離島の周辺地域等において外部から武力攻撃に至らない侵害が発生し、近傍に警察力が存在しない場合や警察機関が直ちに対応できない場合(武装集団の所持する武器等のために対応できない場合を含む)の対応において、治安出動や海上における警備行動を発令するための関連規定の適用関係についてあらかじめ十分に検討し、関係機関において共通の認識を確立しておくとともに、手続きを経ている間に、不法行為による被害が拡大することがないよう、状況に応じた早期の下令や手続きの迅速化のための方策について具体的に検討することとする。
  


(4)さらに、わが国の防衛に資する活動に現に従事する米軍部隊に対して攻撃が発生し、それが状況によっては武力攻撃にまで拡大していくような事態においても、自衛隊と米軍が緊密に連携して切れ目のない対応をすることが、わが国の安全の確保にとっても重要である。自衛隊と米軍部隊が連携して行う平素からの各種活動に際して、米軍部隊に対して武力攻撃に至らない侵害が発生した場合を想定し、自衛隊法第95条による武器等防護のための「武器の使用」の考え方を参考にしつつ、自衛隊と連携してわが国の防衛に資する活動(共同訓練を含む)に現に従事している米軍部隊の武器等であれば、米国の要請または同意があることを前提に、当該武器等を防護するための自衛隊法第95条によるものと同様の極めて受動的かつ限定的な必要最小限の「武器の使用」を自衛隊が行うことができるよう、法整備をすることとする。

 以下省略

閣議決定全文 集団的自衛権 ~前文~(時事通信)

2014年07月02日 | 憲法改正と日本の安全保障
閣議決定全文 団的自衛権 ~前文~ (抜粋記事)
時事通信 2014/07/01-21:33)

  政府が1日に閣議決定した「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備ついて」の全文は次の通り。
 わが国は、戦後一貫して日本国憲法の下で平和国家として歩んできた。専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国とはならず、非核三原則を守るとの基本方針を堅持しつつ、国民の営々とした努力により経済大国として栄え、安定して豊かな国民生活を築いてきた。また、わが国は、平和国家としての立場から、国際連合憲章を順守しながら、国際社会や国際連合をはじめとする国際機関と連携し、それらの活動に積極的に寄与している。こうしたわが国の平和国家としての歩みは、国際社会において高い評価と尊敬を勝ち得てきており、これをより確固たるものにしなければならない。

 一方、日本国憲法の施行から67年となる今日までの間に、わが国を取り巻く安全保障環境は根本的に変容するとともに、さらに変化し続け、わが国は複雑かつ重大な国家安全保障上の課題に直面している。国際連合憲章が理想として掲げたいわゆる正規の「国連軍」は実現のめどが立っていないことに加え、冷戦終結後の四半世紀だけをとっても、グローバルなパワーバランスの変化、技術革新の急速な進展、大量破壊兵器や弾道ミサイルの開発および拡散、国際テロなどの脅威により、アジア太平洋地域において問題や緊張が生み出されるとともに、脅威が世界のどの地域において発生しても、わが国の安全保障に直接的な影響を及ぼし得る状況になっている。さらに、近年では、海洋、宇宙空間、サイバー空間に対する自由なアクセスおよびその活用を妨げるリスクが拡散し深刻化している。もはや、どの国も一国のみで平和を守ることはできず、国際社会もまた、わが国がその国力にふさわしい形で一層積極的な役割を果たすことを期待している。

 政府の最も重要な責務は、わが国の平和と安全を維持し、その存立を全うするとともに、国民の命を守ることである。わが国を取り巻く安全保障環境の変化に対応し、政府としての責務を果たすためには、まず、十分な体制をもって力強い外交を推進することにより、安定しかつ見通しが付きやすい国際環境を創出し、脅威の出現を未然に防ぐとともに、国際法にのっとって行動し、法の支配を重視することにより、紛争の平和的な解決を図らなければならない。

 さらに、わが国自身の防衛力を適切に整備、維持、運用し、同盟国である米国との相互協力を強化するとともに、域内外のパートナーとの信頼および協力関係を深めることが重要である。特に、わが国の安全およびアジア太平洋地域の平和と安定のために、日米安全保障体制の実効性を一層高め、日米同盟の抑止力を向上させることにより、武力紛争を未然に回避し、わが国に脅威が及ぶことを防止することが必要不可欠である。その上で、いかなる事態においても国民の命と平和な暮らしを断固として守り抜くとともに、国際協調主義に基づく「積極的平和主義」の下、国際社会の平和と安定にこれまで以上に積極的に貢献するためには、切れ目のない対応を可能とする国内法制を整備しなければならない。

 5月15日に「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」から報告書が提出され、同日に安倍内閣総理大臣が記者会見で表明した基本的方向性に基づき、これまで与党において協議を重ね、政府としても検討を進めてきた。今般、与党協議の結果に基づき、政府として、以下の基本方針に従って、国民の命と平和な暮らしを守り抜くために必要な国内法制を速やかに整備することとする

 以下省略