MFJ全日本選手権ランキング認定表彰式が12月26日(日)に行われ、席上、ST600ランキング2位の大崎誠之選手がシリーズ戦からの引退を表明した。
大崎選手の今シーズンはST600クラスのタイトルを山口選手に奪われてしまったものの、オートポリス戦での幻の優勝を含め3勝と最速を証明してきた。ピレリ勢との戦いで若干不利な戦いを強いられていた部分もあったが、大崎選手の走りは気迫迫るものがあり、勝利への欲求がライディングから満ち溢れていた。
昨日の発表を聞いて、なるほどやはりそうだったのか、と彼の決断に納得した。
オートポルスではタイヤに関してはこうも言っていた。
DLやBSが跳ねて開けられない時もPIはピターッと安定している、と。使う道具の良しあしで結果が左右されるスポーツだけに残念な部分でもある。しかし、DLも懸命に開発を進めていたので、DLが悪かったということで無くPIが良すぎたのだ。
大崎選手は菅生での転倒ノーポイントも痛かった。タイ人ライダーに優勝を持って行かれたが、ヤマハの伸びるエンジンとPIタイヤは最良のパッケージだった。
チャンピオンを獲得した山口選手も最低限の体制で良く戦ってきた。あの体制とマテリアルでチャンピオンを取れたのは単純な速さだけでなく、彼も強靭な意志をもって戦っていたのだ。
来シーズンから伊藤真一選手や大崎誠之選手の活躍を見る機会が少なくなるのは残念だが、いつまでもベテランに依存する訳にはいかない。若いライダーが元気に走って、ベテランを蹴散らし世界に通用する技量を見せつけて欲しい。
あえて言わせてもらうが、今の全日本のレベルは小さなコップの中での戦いでしかない。MFJは世界に直結するレギュレーション改定と底辺拡大、若手育成プログラムを早急に拡大強化するべき。世界の動きはMFJのお役所仕事を待ってくれはしない。
(改革に頑張っているのは知っています。しかし、タイミングと内容が伴わなければ頑張りも結果として現れない)
少し脇にそれてしまったが、大崎選手、お疲れ様でした。
大崎誠之
「全日本をシリーズで戦うのは、2010年が最後と思い、ST600のチャンピオンを狙っていました。チャンピオンにはなれませんでしたが、最後に2連勝して、ライダー大崎誠之の速さを見せることができたと思うので、ここで全日本フル参戦は卒業させていただきます。ただ、バイクに乗ることは、これからも止めませんし、8耐やイベントレースなどに参加するチャンスがあれば走りたいと思っています。長い間、応援してくれた方に感謝いたします。ありがとうございました」
オートポリス戦の予選出走前の大崎選手
ポールシッター会見での大崎選手と柳川選手。
豪雨で決勝は中止となり、予選順位に応じてハーフポイントが与えられた。
この会見時、大崎選手から発せれらるオーラに決勝の勝利を確信したのだが・・・