ぱおんの小部屋

水郷爆釣隊隊長のひとりごと…

そば

2007-12-18 08:08:43 | Weblog
写真は北千住駅のホームにある立ち食いそば屋だが、冬場になると、僕はここをよく利用する。
頼むのはたいてい「げそ天そば」。味はたいしたことないので、七味唐辛子をたっぷり入れて、これはチゲそばですか?、という状態にして食べている。電車を待つ間に、体を暖めておく寸法だ。

この店で、以前、成田へ向かう会社員風の男が、そばを食っていたことがある。そば屋のおばさんと話しているのを聞くと、長い間中東の方の国に赴任していて、久しぶりに日本に帰り、今またその国に向かうところだという。

そうして、涙ながらに食べているのだ。立ち食いそばを。
「日本では、こうして何処でも、こんな美味いものが食べられる。やっぱり日本はいいなぁ」。男はそう言っていた。

その男が赴任している国は、政情が不安定で、休日に外出するのもはばかられ、食料事情も良くないという。当然日本食なども無いのだろう。
そういう世界で生きていれば、立ち食いそばも御馳走だろうし、また、それを食べて、たいしたことないと言える日本の境遇の幸福を実感せざるを得ない。

この店でそばを食うたびに、あの男の姿が脳裏をよぎり、自分はまだ恵まれているのだと思うのである。

信じられないほど大きなトランクを引きずりながら、男は成田行きの快速電車に消えて行った…

コメント (2)
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