尾崎まことの詩と写真★「ことばと光と影と」

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2005.10/22開設

川崎洋「詩は たぶん」

2005年12月17日 22時52分25秒 | 好きな詩と詩論抄
「詩は たぶん」
     川崎洋

詩は たぶん
弱者の味方
ためらう心のささえ
屈折した思いの出口
不完全な存在である人間に
やさしくうなずくもの
たぶん


 ★この詩の作者である川崎洋さんは、10/22の朝日新聞朝刊によると21日になくなられたそうです。合掌。
難解でないと現代詩ではない‥という偏見が詩壇にも一般読者にもありますが、わかりやすい日々の言葉で詩を成立させる詩人の力量こそ「非凡」であると言えます。
川崎さんの詩はこれからも読むたびに、ぼくらの凡庸なりにつらいところのある人生に、やさしくうなずいてくれると思います。
(2004年10月22日記、まこと)
 ★この詩が散文ではなく、みごと詩となり得ているいるのは最期の一行の「たぶん」であると思います。うまい詩を書こうとして「詩語」なるものを連ねている詩人気取りには絶対書けない、川崎さんの息遣いが聞こえるようです。自戒・・がんばらねばね。(2005年12月17日記、まこと)

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2 コメント

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Unknown (ソフィー)
2005-12-20 23:21:50
こんばんわ、寒くなりましたね!まことさんに同感。「たぶん」がいいなあ。この人は一生懸命詩について、生きることについて考えているんだって思える。言い切らないところがすごい。ソフィーも頑張ろうと思います。信じるところに従って。「たぶん」という迷いはいつもあるだろうけどね。
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Unknown (尾崎まこと)
2005-12-25 13:19:39
詩は人生と同じようなものですね。

基本として、他人にどうのこうのと云われる筋合いのものではないですね。

ただ同時に、人生と同じで、詩と詩が互いに係わっていくことも必然ですね。

詩も人生も、迷うから、信じることを求めますね。

ソフィーさん、一緒にがんばりましょうね。

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